男と女

男女間のすれ違い、違い、特徴についての科学的考察

男と女(あとがき)?

2022-09-07 16:56:40 | 男と女

(男と女)

[男と女(あとがき)?]・・ここまでの考察で感じたこと、思ったこと

この考察はまだ完了、終了したわけではなく、今後も適宜追加していく予定だが、ここで一度これ迄の考察を踏まえて感じたこと、思ったことを記しておく。

男と女の違いについて、脳の構造ではどの部分が異なっていて、どのような違いを生み出しているのか。また言動、思考方法の違いについては脳の構造の違いからくるもの以外に、ホルモンの影響が非常に大きいこと。そしてこれらは科学的にも立証され納得できるものであり、頭の中を整理することができた。(男は理詰めで説明されないと納得できないので)

そしてこれとは別に改めて分かったのは、生物学的な種の保存過程(子供をつくる過程)では、女性はかなりしんどい思いをしているということで、女性特有の、生理前や生理中の体調不良や精神的な不快感、受精時の体調の変化、妊娠時のつわり、出産時の痛みなど話には聞いていたが、今回の生物学的な考察の中で、このことについての説明にも触れることがあり、女性は大変だなと改めて思わされた。

生物の進化の過程では、女が先に存在し男は後からの付け足しらしいが、それがいつの間にか男が威張るようになり、男中心の社会になってしまったのは何故だろうか。

これは、その後の環境による役割分担、身体的な差異によるところが大きいといえる。

生物の進化の過程をもう一度振り返ってみると、

地球上に生物が誕生した当初は、生物は全て無性生殖であったが、その後手間のかかる有性生殖が行われるようになった。
これは有性生殖の方が遺伝子の組換えにより、病原体などに対する抵抗力がついたり、気候などの環境の変動に適応しやすくなるためである。

(参考)
・無性生殖(細菌や多くの下等生物)(アメーバ、ミドリムシ、ゾウリムシ、イソギンチャクなど)
・雌雄同体(精巣と卵巣の両方を持つ)(カタツムリ、ミミズ、ウミウシなど)
・雄性先熟(雌雄同体で当初は雄だがその後雌になる)(クロダイ、クマノミなど)
・雌性先熟(雌雄同体で当初は雌だがその後雄になる)(マダイ、コブダイ、クエなど)
・雄と雌の両方に何度も転換する(ダルマハゼなど)

そして、有性生殖の場合は、精子と卵子が結合して受精卵となり、その後性分化が行われるが、この性分化の当初は胎児は女性型である。(考察の中での「性分化」参照)

*これについて、石原結實氏は著書「おとこ教室、おんな教室」で次のように述べている。

「人間はもともと女になるべく設計されていたもので、Tdf遺伝子(精巣決定遺伝子)のおかげで、むりやり男にさせられている。人類の基本形は女である。男は、それを加工することによってつくられた。」
「ある種のマウスの実験で、雄のマウスの皮膚を雌の皮膚に移植すると、すぐ拒絶反応が起こるが、雌のマウスの皮膚を雄のマウスの皮膚に移植しても、拒絶反応は起こらない。」
「免疫系からみても、男は女にとって「異物」であり、排除の対象になるが、男の中には必ず女としての「原型」が残っているので、女を排除できない。」 (多田富雄氏の著書「生命の意味論」より)

「肝硬変が進んでくると、男の患者の乳が膨らんでくることがある。これは女性型乳房というが、本来、男の体の中にも女性ホルモンが存在していて、この女性ホルモンは肝臓で破壊される。しかし、肝臓病で肝機能が低下すると、女性ホルモンが壊されず体内に多く残るので乳房が発達する。」(*)

(*)このことは私も部分的に実体験している。
ある日乳頭のところにしこりが出来、小さく腫れたことがあった。当方大腸ガン等の手術をしたことがあるので、それが転移したのではと思い医者に診てもらったところ(男でも乳がんになることがあると聞いているので)、ホルモンのバランスが崩れ(当方肝硬変もあると言われている)、女性ホルモンが増えたからとのことだった(その後元に戻ったが)。
(この時検査でマンモグラフィーも体験したが、男の私でも痛かったので、女性はさぞかし大変だろなと思った次第。)

*又、以前TV(チコちゃんに叱られる)で次のような言及があった。
「男性の体には胎児の頃に女性だった名残があり、女性器が閉じられていって出来た閉じ跡の線がそれで、陰嚢の間にあるひだの部分、縫合線がその閉じた線の名残です。」

更に、次のような発言もあった。

「なぜ男と女がいるの?~男は、女にとっての保険だから~。

「地球最古の生命(微生物)が生まれたのは、およそ38億年前。性別は全て雌で、分裂することで世代交代していた。この雌が雌を産む仕組みは何と20億年近く続く。ところが、その頃、地球では気温がダイナミックに変化したり、酸素濃度が急上昇したりと、環境が激変する。こうした中、環境変化に対応できない生き物たちは絶滅の危機にさらされる。同じ生き物の中に、色々な体質を持った個体がいないと、その種は生き残れない。

そこで、雌が生み出したのが雄である。雄は、体内に母親の雌遺伝子を持ったまま、他の雌と出会い子供を作る。この時、母親が受け継いできた雌の遺伝子と、父親が運んできた雌の遺伝子が混ざり、子供は、祖先とは違う遺伝子を持った個体となる。つまり、雌は雄を遺伝子の運び屋として使い、バラエティ豊かな性質を持った子孫を作る仕組みを作り出していったのである。
人の受精卵でも、最初は女性として成長を初め、受精7週目から男性となる胎児の体内でコルチコステロンというホルモンの命令で男性ホンモンが大量放出され、男性に作り替えられていく。

雄は、雌の子孫繁栄のための保険だった。」(以上「チコちゃんに叱られる」より)

近年、社会構造の変化や家電などの発達により女性の社会進出も増えてきて、男女の役割分担も見直されつつあるが、長い人類の歴史の中で培われてきたものはともかく容認せざるを得ず、やはりこの見直しも男女の性差を踏まえたものである必要があると思う。

また、男中心の社会では理屈が先行し、縄張り意識も強く、この為戦争などの争いも絶えないが、今こそ女性の特性である調和・協調・協力重視の姿勢が求められている時ではないだろうか。
考察の中で、近年男性の精子が激減しているということに触れたが、男性ホルモン(テストステロン)の特徴として、競争心、闘争心が強く攻撃的と言うことがあり、このことは「男はいらない」「女だけでもやっていける(元に戻るだけ)」という自然の摂理、警鐘かも知れない。

こう言うと、男がいなければ子供はできないではないかという人もいると思うが、次のような記述がある。

*(「止まらない精子減少の行方──人類の終わりのはじまり?」GQ JAPAN編集部(2018.11.27)より)

「技術革新に限界はない。仮に男の精子がゼロになっても、幹細胞を培養して精子を作るという奥の手がある。夢物語ではない。体外配偶子形成(IVG)と呼ばれる技術で、2016年12月には京都大学の斎藤通紀教授らのチームが、マウスの胎生幹細胞から精子のもとになる細胞を作り、これをマウスの精巣に移植して精子に育て、めでたく妊娠・出産にこぎつけている。ちなみに実験で使った幹細胞はメスのものだった。

つまり(少なくとも理論上は)男がいなくても精子はでき、人類は生き延びるということだ。」

(参考)

最近、NHKスペシャル「命をつなぐ生きものたち」でショッキングな映像を見た。

チョウチンアンコウ:
深海に住みメスはかなり大きく、オスはかなり小さい。
生殖の仕方は、まずオスがメスにかみつき離さない。この後メスの血管がオスの体に入り込み一体化する。その後生殖に関係のないオスの内臓や目などは全て無くなり精巣のみ残る。つまりオスはメスの体の一部となり、精巣は命のある限り精子を作り続ける。
(メスはオスを何匹でもくっ付けることができ、違うオスの受精卵も作ることができる。)

カマキリ:
オスとメスが出会うと、メスはオスに抱きつきオスの頭を食べてしまう。オスは胴体だけとなるが神経はこの部分に集中しているので、頭部がなくても胴体だけでメスと交尾を行う。
(なぜメスがオスの頭を食べてしまうかと言うと、受精後の栄養補給のためとのこと。)

やはり生物学的にみると、メスにとって最大の目的は種族保存のための受精で、受精後はオスはいらないということらしい。

(参考)

雌雄同体のその他の海中生物の受精方法。

カクレクマノミ
一番大きいのがメス(卵巣のみ)、次に大きいのがオス(精巣、卵巣の両方がある)、それ以外は全てどちらでもない存在(仮の生殖器を持っている)。
何らかの事情によりメスがいなくなると、オスの精巣が無くなり卵巣のみとなりメスとなる。
そうするとオスでもメスでもなかったうちの一匹がオスとなる。

ウミウシ
交尾の相手と出会うと、お互いの生殖器を接合させ精子を交換し、相手の卵子と受精させ卵を生む。

ナンカイニセツノヒラムシ
相手と出会うと、互いに生殖器を相手の体に(どこでもよい)突き刺そうとし、成功した方は自分の精子を相手に送り込む。
刺された方は送り込まれた精子が自分の卵子と結びつき受精する。
刺された方は卵を生むまで何もできないが、刺した方は次の相手探しをする。

タツノオトシゴ
メスがオスの腹の中(専用の袋がある)に卵を生み、オスは自分の精子と受精させる。
オスは自分の腹の中でそのまま子育てを行い、その後出産する。

 

 

 


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