男と女

男女間のすれ違い、違い、特徴についての科学的考察

男女の差/男と女について(特性・印象など全般)

2022-08-29 01:23:58 | 男と女

(男と女)

[男女の差/男と女について(特性・印象など全般)]

〇「男女の特徴の一般的なイメージ」(ネットより収集したものに加筆)

[男性]      [女性]
具体性重視    イメージ重視
結果重視     プロセス重視
理屈・論理的   感覚・情緒的
思考力      観察力
鈍感       敏感
大雑把・粗雑   繊細・丁寧
競争・攻撃的   共感・防御的
一点集中     複数同時
即決・独断専行  優柔不断・相談協力
内向的      社交的
沈思黙考     開口饒舌
寡黙・静か    おしゃべり・賑やか

[父性]           [母性]
断じる 決する       包み込む 呑みこむ 
明確さ・価値観・決着重視  なんとなく 空気を読む 馴れ合い
厳しい 厳格        優しい 許容する 
叱る 怒る         褒める 慈しむ
率先垂範 リーダー志向   調和・協調・協力重視
静独性           社交性
黙して語らず        やかましい うるさい

〇「男性・女性それぞれの比率が高い職業」(平成27年度総務省統計局による国勢調査)

[男性の比率が高い職業]

 1位 電気工事技術者 (98.0)
 2位 建設・土木作業従事者 (97.9)
 3位 消防員 (97.5)
 4位 輸送・機械運転 (97.1)
 5位 土木・測量技術者 (96.7)
 6位 電気通信技術者、金属技術者 (96.0)
 8位 警備員、機械技術者、輸送機器技術者 (95~)
11位 林業従事者 (93.7)
12位 自衛官、スポーツ選手 (92.3)
14位 警察官・海上保安官 (91.6)
15位 建築技術者、卸売店店長 (90~)
17位 看守、その他の司法警察職員 (89.4)
19位 システムコンサルタント・設計者 (87.6)
20位 税理士 (87.1)

*体力のいる仕事、腕力のいる仕事、安全を守る仕事などが多い


[女性の比率が高い職業]

 1位 保健師、歯科衛生士 (99.0)
 2位 保育師 (97.0)
 3位 栄養師、家政婦 (96.8)
 5位 幼稚園教員、エステなど美容従事者 (94.0)
 7位 看護師 (93.7)
 8位 看護助手 (92.7)
 9位 音楽の個人教師 (88.4)
10位 視能訓練士・言語聴覚士 (87.8)
11位 図書館司書・学芸員 (82.2)
12位 飲食物給仕等 (80.0)
13位 俳優や演出などの個人教師 (78.1)
14位 介護サービス (77.0)
15位 会計事務 (76.0)
16位 美容師 (74.3)
17位 広告宣伝員 (66.9)
18位 薬剤師 (65.6)
19位 特別支援学校教員 (61.7)
20位 小学校教員 (61.5)

(ここには書かれていないが助産師は女性が100%。これは法律により女性しか助産師になれないため。)

*女性ならではの細やかな気配りが役立つ職業が多い

〇「女性の方が長生きする理由」

[ホルモンの影響]

女性ホルモン(エストロゲン)の働き
・免疫細胞を活性化させる。(ウィルスなどの外敵から身を守る)
・抗酸化作用がある。(正常で健康な細胞機能を維持する)
・血圧や悪玉コレステロールの血中濃度を下げたりする。(心疾患や脳卒中が少ない)

アディポネクチン(脂肪細胞から分泌されるホルモン)の働き
・糖尿病、動脈硬化を防止する作用があるが、女性の方がこの数値が高い。

*男性ホルモン(テストステロン)は免疫機能を低下させ、心血管疾患のリスクを高める作用がある。

[基礎代謝](生きていくために必要な最低限のエネルギーのこと)

女性の方が男性より基礎代謝量が低く、少ないエネルギーで生命を維持することができる。(女性は男性より20~30%低い。女性は体重が少ないこともあるが、1kg当たりの代謝量でも同じことがいえるとのこと。)
また少ないエネルギーで生命を維持することができれば、環境の変化にも適応しやすくなる。
(江戸時代の飢饉では、飢えで亡くなった人の3分の2以上は男だったとの調査結果もある。)
(近年の例では、飛行機事故などでも女性のほうが生き永らえる確率は高いようだ。)
更に基礎代謝量が低いと、エネルギーを生み出すための酸素の消費量が少なくなり、活性酸素ができにくくなる。(活性酵素は過剰になると遺伝子を傷つけ、老化やガンをを引き起こす要因となる)

[生活習慣]

・男性より女性の方が医療機関を受診する頻度が高い。
・女性の方が食事で栄養バランスに注意したり、喫煙や飲酒の頻度が少なかったり、健康に気を遣う傾向がある。
・女性の場合は鏡を見る回数も多く、月経のリズムもあることから、男性よりも自分の健康状態を気にする習慣が身についている。

(結論)

以上とは別に、女性の特徴として、活動的、社交的、病院でも素直、我慢強い、協力的など、いろいろ挙げられるが、女性が男性より長生きするのは何事もこだわらない適応力にあると言えるかもしれない。

〇「男性の方が出生率が高い理由」

日本での出生率の男女比は女子100に対して男子は105-106(105.3)となっている。(2021年、内閣府統計局)

これは、乳幼児期の死亡率が男子の方が女子より高いためと言われているが、その理由として次のようなことが挙げられている。
・男の子の方が女の子に比べて体の抵抗力が弱いため。
・男の子は、女の子より胎児期にお腹の中で大きくなる傾向があり、出産時に母体の負担やトラブルの原因となることが多いため。
・男の子は、生まれた時の肺の機能の成熟が女の子と比べて平均的に遅れがちであることや、男の子の方が代謝が活発な事が小さい頃の男の子の「弱さ」につながっている。

男子の方が出生率が高いのは、種の存続の観点から男女の比率が同じになるように、長期にわたり自然界の作用が働いた結果とされている。但し、医学が進んだ現代では、新生児期の死亡率はほぼ男女同数になっている。

(参考1)

世界的にみると、主要国の出生率は次のようになっている。(2012年、世界銀行)
中国(100:116.0)、インド(100:110.8)、ベトナム(100:110.3)、韓国(100:107.0)、タイ(100:106.2)、
ドイツ(100:105.8)、オーストラリア(100:105.5)、フランス(100:105.2)、英国(100:105.1)、米国(100:104.9)、
日本(100:105.6)、世界平均(100:105.1)

一般的にアジア地域では男子の出生率が高いが、中国の男子の出生率が際立って高いのは一人っ子政策によるところが大きいと見られ、他に跡取り問題や高額な持参金などの事情から、出生前診断により女の子だとわかると中絶するケースが多いなど、積極的な産み分けが行われた結果と思われる。

(参考2)

精子には、男となるY染色体をもつY精子と女となるX染色体をもつX精子が存在している。
射精された精液中には、Y精子がX精子より多いとされている。
女性の腟内は、外部からの雑菌の侵入を防ぐために、常に強い酸性液で満たされており、一方、X精子は酸性に強く、Y精子はアルカリ性に強いという性質を持っている。
更にX精子は寿命が2〜3日と比較的長く、Y精子は寿命がわずか1日と短い。
このため、腟内では多くのY精子がはじめに脱落していくが、腟内部から更に奥の子宮頚管、子宮内部はアルカリ性を示しており、また排卵日が近づくと子宮頚管からは更に強いアルカリ性粘液が分泌され酸性度が薄まる。これにより子宮頚管や子宮内部ではX精子よりY精子の方に有利になり、結果として生まれてくる男女比率のバランスが保たれることになる。

(参考3)

2013年に米国生殖医学会の雑誌に発表された研究では、46歳未満の若い男性の場合、Y精子とX精子の比率は1.06だった。つまり生まれる子供は、確率的に男子が女子の1.06倍多いということになる。
しかし、46歳を超えると徐々にX精子が増えてきて、55歳を過ぎると逆転し、Y精子が毎年約5%の割合で減っていくとのこと。つまり男性が年を取ってから出来る子供は、女の子の方が多くなる確率が高いということになる。

〇「男性の精子が減少している」(参考)

近年、男性の精子が減少しているということが各種マスコミで取り上げられてきた。
これは2017年に発表された論文の内容が非常に衝撃だったこともある。
その内容と言うのは「欧米男性の精子の濃度が40年で半減した」というもの。

それまでも精子が衰えてきているということは言われてきており、その原因として次のようなことが指摘されてきた。
・精子の数や運動率が悪くなっている。
・精子の中にあるDNAの損傷。
(精子が卵子に入り互いのDNAが結び付くと発育の土台が整い細胞分裂が進む。しかし精子のDNAが傷ついているとうまく結合できず、細胞分裂が正常に進まなくなる。)
・生活習慣(肥満、睡眠不足、煙草などは「老化のストレス」といわれ精子の中のDNAを損傷させる可能性がある。)
(一方母親側に於いても、妊娠中の飲酒や喫煙を続けると胎児に悪影響があることは知られていたが、男性の精巣形成不全は胎内で始まることも分かってきたので、これらが胎児の生殖能力も損なっている可能性もある。)

そして近年は更に次のようなことが指摘されている。

・環境の変化(環境ホルモン)

石油化学産業はプラスチックの微粒子をまき散らし、それを体内に取り込んだ私たちのホルモン(とりわけ女性ホルモンと男性ホルモン)のバランスに深刻な影響を与えている。

人のホルモンバランスに悪影響を及ぼす合成化学物質は、専門用語では「内分泌攪乱物質」と呼ばれるが、通称は環境ホルモンと言われている。
私たちはプラスチックに囲まれて生きており、食品加工の装置にも使われているので、微量ながらも私たちの口に入り、環境ホルモンを体内に蓄積させている。
しかも、その影響は遺伝するので、精子の少ない親から生まれた子の精子はもっと少なくなる可能性がある。

以上のことは、下記サイトから要点をピックアップして纏めたものなので、詳細は下記参照。

「止まらない精子減少の行方──人類の終わりのはじまり?」
GQ JAPAN編集部(2018.11.27)
https://www.gqjapan.jp/life/news/20181127/sperm-count-zero

「男にもタイムリミットが!?~精子“老化”の新事実~」
NHKクローズアップ現代(2018.02.06)
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4097/

「精子の数が減りつつある。それは本当に生殖の危機か」
朝日新聞GLOBE+(ニューヨークタイムズ 世界の話題 2021.07.28)
https://globe.asahi.com/article/14405071

〇「精子/卵子の誕生(減数分裂について)」

細胞分裂には体細胞分裂と減数分裂の2種類がある。
体細胞分裂は体細胞をつくるための細胞分裂で、減数分裂は生殖細胞をつくるための細胞分裂。

*生殖細胞:遺伝情報を次世代へ伝える役割を持つ細胞。(精子、卵子になる細胞)(胚細胞ともいう)
*体細胞:生殖細胞以外の全ての細胞。(神経、筋肉、内臓などを作っている細胞)

男性の精子のもとになる細胞(精母細胞)の減数分裂は思春期になってから起こるが(減数分裂により精子は毎日2億個から3億個作られる)、女性の卵子のもとになる細胞(卵母細胞)の減数分裂は、母親体内にいる時からすでに始まっていて、出生期には途中で休止した状態になっており、思春期頃に下垂体から放出されるホルモンに反応して再開される。

減数分裂を再開した卵母細胞では,染色体は紡錘体と呼ばれる分裂装置によって2分され(第一減数分裂)、半数の染色体は極体とよばれる小さな細胞として卵母細胞から放出される。
この段階で卵母細胞は卵巣から卵管へと放出され、第二減数分裂が行われる。

減数分裂は第一減数分裂、第二減数分裂の2段階に分けて行われるが、男の場合は4個の精細胞(後に成熟、変形して精子となる)が出来るが、女の場合は卵(らん)(成熟卵子)になるのは1個だけで残りの3個は極体と呼ばれ卵子にはならず、その後消失する。

この減数分裂により、精子と卵子の染色体はどちらも半分の1組23本になるが、受精により元通りの2組46本になる。
(減数分裂に先立ちDNAの複製(DNA合成)が行われ染色体は2倍の4組になり、次に遺伝子の組換え(交差)が起こる。その後第一減数分裂により染色体は2組23本に、第二減数分裂により染色体は1組23本となり、受精により精子と卵子の染色体が合体して元の2組46本となる。)
(体細胞分裂の場合は、DNAの複製のあと遺伝子の組換えは行われず、そのまま細胞分裂が行われる。)

以上のことは、文章だけでは分かりずらいので、図解したものをネットから拾って別途纏めておいた。

減数分裂」(画像)
[原核生物の細胞分裂・体細胞分裂・減数分裂の比較]
[体細胞分裂・減数分裂の比較(DNA合成、遺伝子組換え)]
[精子/卵子形成の減数分裂]
[精子/卵子形成の減数分裂]
[減数分裂前の染色体の複製、遺伝子の交差と減数分裂]
[減数分裂前の染色体の対合、組換えと減数分裂]

(参考)

受精が完了すると、すぐに細胞分裂が始まり、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管の中を子宮へ向かい着床する。
(受精卵は受精完了後、1週間~10日位の期間をかけて着床する。この時の受精卵(胚)は、約100個の細胞からできている。)

着床:子宮にたどりついた受精卵が子宮内膜にくっつくこと。

(更に詳しく説明すると)

受精卵の細胞分裂は4細胞期、8細胞期を経て桑実胚へと至る。
桑実胚はさらに細胞数を増しながら、細胞の分化が始まる。
最初の細胞の分化は、卵組織の表面を構成する1層の細胞層と内部に位置する細胞の塊である。
表面を構成する一層の細胞を『栄養膜』と呼び、内部の細胞の塊を『内部細胞塊』と呼ぶ。
栄養膜は子宮内膜表面と接触して、子宮内膜の中に入り込みながら胎盤を形成し、これから始まる発生を包んで保護する働きをする。
内部細胞塊がこれ以後さらなる分裂を繰り返しながら胎児となる。
従って、内部細胞塊は人体を構成するあらゆる細胞となりうる能力を持っていると考えられている。

(ウェブサイト「『受精』から『胚盤胞』形成に至るヒト受精卵の初期発生」より)
https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/visitercenter/whatsculture/hito_hassei.html

 

 

 

 


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