ときがわ町 開業社会保険労務士(社労士)の日記

最新情報を発信していきます。ほのぼの日記も書いたりしています・・・。

パワハラについて④

2014年03月27日 | 労務管理

みなさん、おはようございます。

さて、パワハラの具体策のお話です。

パワハラがおきたときにどうすれば
よいのでしょうか。

■事実関係の確認
事実関係を調査し、パワハラの有無
を確認する。特に懲戒処分を行う場合は
慎重な事実関係の確認が必要です。

パワハラは口頭で行われることが多い
ため、当事者や関係者からのヒアリング
が主な調査方法となります。

メールによるパワハラも疑われる場合は、
先にメールなども証拠として残します。

■ヒアリングの基本
複数人で対応します。
記録化すること。
不用意な発言を避けること。


■ヒアリングの順番
被害者または申告者
関係者(周囲の従業員)
加害者
の順番が良いです。

重要なことはまずは本人が主観
的にパワハラと感じたかどうかです。

その主観的要件に対し、客観的な
証拠を積み重ねていきます。

■調査の結果をふまえ
パワハラが存在したのであれば、
被害の拡大を防ぎ、企業秩序を
回復させなければなりません。

就業規則に懲戒事由として定められて
いれば、加害者に対し、懲戒を検討
します。

必要に応じて加害者の配転も検討します。
被害者の配転も考えられますが、被害者のみ
を配転させる場合、不満や不信を生じさせ
ますので注意が必要です。

最終的には被害者、加害者のケアを
行います。

被害者が報復を受けてないか?
双方のいずれかメンタル不調を抱えてないか?
など。

定期的な面談を行ったり、すぐに相談できる
窓口を設置したりする必要もあります。

■再発防止策
関連規定の見直し、研修会への参加、
専門家への研修会の依頼をし、再発防止
策を考えます。

万が一後発事案が発生した場合にも、
リスク回避となります。

■最後に
パワハラで一番難しいことは懲戒処分
の内容をどの程度とするか?です。
処分が軽すぎると不満が生じ、
処分が重すぎると、加害者から無効確認
請求訴訟等を提起される可能性もある等、
バランスを求められます。




パワハラについて③

2014年03月11日 | 労務管理

みなさん、こんばんは。

今日は少しパワハラの判例について説明します。

上司の部下に対する言動が『パワハラと認めらた事例』です。

内容は被害者(部下)の業務遂行にも問題があることを

認めつつも加害者(上司)によるパワハラを認めています。

「ザ・ウインザー・ホテルズインターナショナル(自然退職)

事件」東京高裁平25.2.27があります。

最新の判例です。

ポイントは以下の4つの行為です。
①体質的にアルコールに弱い部下が上司からお酒を
 勧められた。「そんなに大きな体をしてるんだから飲め」、
 「俺の酒は飲めないのか?」などと語気を荒げて飲酒さ
 せた行為。
②その翌日、部下は体調が悪かった。飲酒の影響で体調の悪い
 部下に自動車運転をさせた行為。
③直帰せずに一旦帰社せよとの指示を上司が出したが、
 部下は帰宅した。帰宅した部下に対し、深夜に怒りを
 あらわにした留守電を入れた行為。
④上司が重要な業務について打ち合わせを要請したにも
 関わらず、部下が夏季休暇を理由に拒否したところ、
 「辞めろ!、辞表出せ!ぶっ殺すぞ!」
 などという暴言を留守番電話に録音した行為

①~④の中には一部日常でも起こりうるものもあり、線引
きが難しいものもあります。

しかし、ひとつの判断基準があります。

注意を与えることよりも、精神的苦痛を与えることに主眼

が置かれているかどうかということです。

この点については、控訴審での見解がハッキリとしています。

注意をするときに、わざわざそこまでする必要があるかどうか?

別の注意の仕方はないかどうか?と考えてみることも重要です。

難しいのは相手の受け取りかたもあります。

ただ、この点について、乱暴な言葉や声を荒げたりしておらず、

誤解を解くように努力をして点が評価され、パワハラ認定さ

れなかった事案があります。

適正な指示や注意であったとしても、過敏な従業員から

パワハラを訴えられるケースもあります。

そのような場合に、ひとつの参考となる事例だと思います。


対策を講じるには、


関係諸規定の整備はもちろん、相談窓口の設置、教育研修も


必要となります。


具体的な対策については次回、綴ります。

HPはこちらですfont>

パワハラについて②

2014年03月10日 | 労務管理

みなさん、こんばんは。

昨日はパワハラの動画を

ご紹介しました。


厚生労働省の定義付けによると、

「職場のパワーハラスメント」とは、


同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係

などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を

超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を

悪化させる行為をいいます。

ポイントは「職務上の地位や人間関係などの職場内

の優位性を背景に」とありますので、上司だけでなく、

先輩を含めた同僚も含まれるということです。

主なパターンは6つです。

①暴行・傷害

②脅迫・名誉棄損、侮辱、ひどい暴言

③隔離・仲間外し・無視

④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの
 強制、仕事の妨害

⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた
 程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

⑥私的なことに過度に立ち入ること

①、②、③は業務に関係する、なしに問題あり。

④~⑥のケースでは業務上の指導との線引きが難しい

こともあります。

たとえば、⑥については、私生活での不規則な習慣

が仕事に影響を与えている場合などは必ずしもパワハラ

にあたるとは言えません。

ここで問題となるのは指導の仕方、叱り方、注意の仕方

です。

このあたりについては、前回紹介した動画をもとに、

正しい指導の仕方を議論してみるのも良いと思います。

次回からはもう少し法律の話と具体策について綴りたいと

思います。

HPはコチラです。



パワハラについて

2014年03月09日 | 労務管理
みなさん、こんばんは!

今日はパワハラ問題について

触れたいと思います。

パワハラとはなんでしょうか?

ここで書いてしまうと、

ズラズラっと長い文章になってしまいます。

そこで、厚生労働省が作成した動画のURLを

ご覧ください!

http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/movie

まずは分かりやすいイメージ持っていただくことが

大事だと思います。

そのうえで、次回から少しずつ、法律のお話をしたいと

思います。

特に注意しなければいけないのは、

指導する立場にいる従業員の方たちです。

管理職だけでなく、先輩従業員も気をつけなければ

いけません。

そのような立場にあるみなさんに動画をダウンロード

して見て頂くと良いと思います。


就業規則の懲戒処分とは?

2014年03月08日 | 労務管理

みなさん、こんにちは。

大分暖かくなり、春の訪れを感じますね!

さて、今日は就業規則の「懲戒処分」について

お話します。

労働契約の締結をすることで、従業員は労務提供義務

(会社は権利)が生じます。

会社は賃金を支払う義務(従業員は権利)が生じます。


お互いに権利と義務が課せられています。

従業員が業務命令を遂行するにあたって企業秩序遵守

義務に違反することがあります。

その場合、企業秩序の維持をはかり、その是正のために

従業員に対して制裁として懲戒処分を科すことができます。

ただし、無理難題を押し付けて従業員がこれに従わない

ような合理性を欠く懲戒処分は不法行為にあたります。

そのような場合、企業は損害賠償請求される可能性もあります。


■懲戒処分は刑事罰とルールが似ている■

刑事罰を科すには罪刑法定主義というルールに

則ります。

人を処罰するには、犯罪行為の内容およびそれに対する

刑罰の内容を『明確に』定めておかなければなりません。

企業が懲戒処分を行う場合も同様です。

懲戒の種別、程度を定めておく必要があります。

(フジ興産事件)

労基法89条9号の定めにも、懲戒処分を実施するには、

就業規則に記載しなければならないと定められています。

就業規則に定める内容は、懲戒の種別および事由は

合理的なものでなくてはならないと労働契約法7条にも

さだめられています。

懲戒を定めるにあたっては、企業秩序を乱すと評価

できるものを列挙しなければいけません。

また、刑事法において、同じ犯罪行為について

2回以上刑事罰を課すことは禁じられています。

これを一事不再理の原則と言います。

ただし、過去に処分を受けたにも関わらず、反省

しなかったことを後の処分の重さを決める際に

情状として考慮することは認められています。

いずれにしても懲戒処分は刑事手続と同様に

適正な手続きを経て実施されるべきものと

解されます。

懲戒委員会ないし、賞罰委員会の開催、

弁明の機会の付与など規定に入れておくと

良いでしょう。