土木の工程と人材成長

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指導者に求められる資質

2024-01-01 11:19:23 | 思考
塩野七生「日本人へ―危機からの脱出偏―」文春新書、2013.10.20,P91に「息子が使っていたイタリアの高校の歴史の教科書の中に『指導者に求められる資質は次の五つである。知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。ユリウス・カエサルだけが、このすべてを持っていた』」と、紹介されている。

さて、安倍晋三、菅義偉、岸田文雄と最近の三人の日本の指導者を比較してみたい。

まず知力であるが、安倍晋三はIQは高かったと思う。故にあとの二人は物足りなく感じてしまうのは否めない。ことに菅義偉は知力の点においては並み以下ではなかったか。私も同じような立ち往生をしたことがあるので、国会で思考停止に陥った菅義偉のことは、よく理解できる。準備をしてきたことは、説明できるのだが、想定外の質問には答えられなくなる。つまり、知のストックが少なく、論理の構築に弱点があるため、臨機応変の応用がきかなくなり、立ち往生してしまうのだ。岸田文雄は「聞く人」だと宣伝していたが、日本の最高指導者が、いちいち聞いていたら間に合わないことが多かろう。最高指導者になる前に聞いておいて、信念を固めておくべきではないか。

説得力は、安倍晋三は知力を駆使して論理を組立て、方向はともかくとして優れていたと思う。後の二者は、知力で述べたとおりのレベルである。

肉体上の耐久力はともかくとして、安倍晋三は精神的な耐久力が足りなかったであろう。

自己制御の能力は、安倍晋三は最低点しかつかないであろう。モリカケ問題をはじめ桜を見る会などなど、あまりにもお粗末は田舎芝居を見せられて、国民はうんざりしたことだった。

持続する意志については、安倍晋三にはあったと思う。しかし、祖父と父の意志に、あまりにも固執しすぎたのではなかろうか。折角の知力を普遍に広げることなく、自己制御に劣っていたために、墓穴を掘ったと言えば言い過ぎだろうか。

カエサルは望むべくもないが、少なくとも日本の政治は、いいかげんに田舎の猿芝居から脱してもらいたいものだ。

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