↑東京創元社公式キャラクター「くらり」
メールマガジンでお知らせがあり、登壇する人のなかに
キャロル・オコンネルの翻訳者・務台夏子さんの名前があったので、応募してみた。
いったい、どのような会で、面白いのか面白くないのかもわからないけれど、
一般の人にも参加を呼びかけるんだから
「ミステリ・SF好きが集まるんだろうな」、程度の前知識。
先週21日に開催。
会場は300人ほど集まっただろうか。 神楽坂のスタジオ。
「会場についてはセキュリティの都合上、他言無用にお願いいたします」
という なんだかものものしい振れ込みだ。
要は東京創元社の新刊についての紹介の催しだが
去年『屍人荘の殺人』で華々しくデビューした 今村昌弘と大森望のトークがあったり、
『銀河英雄伝説』のワンシーンを声優さんが朗読したり、
務台夏子さんが登場したりで、 なかなか楽しかった。
務台夏子さんは絶対、キャロル・オコンネルの新作『生贄の木』
(原題は『The Chalk Girl』 チョークとは、黒板に書いたりするあのチョーク。
チョーク・ガールで実際、どういう意味になるのかは不明。
「印をつけられた少女」? 「チョークで絵を描く少女」?
本書は発売前なので、まだ読んでないけれど、 どういう意味かな?)
相変わらず、東京創元社のオコンネル担当の人は、
タイトルのつけ方が「どうなの!!」という感じだ。
人の好みはいろいろと思うけれど、
『生贄の木』とはまた生々しいタイトルをつけたものだ、と思う。
『吊るされた女』同様、編集の人のセンスはどうでしょうね。
そういう生々しいタイトルは、オコンネルの趣味ではないと思うけれど?
とまあ、事前の思いはあるものの、務台さんの話に食いつかんばかりに期待したのに、
新しく取り組んだピーター・スワンソンという作家の本の話ばかりで
内心、がっかり。
務台さんが言うには、とても面白い作品で、自らネットなどを検索し、
面白い作品はないかと探した末に見つけたものだとか。
務台さん持ち込みで作品化したものという話だった。
でもねー、オコンネル・ファンには肩透かし。
今村昌弘と大森望両氏のトークはなかなか興味深かった。
今村氏は、去年、鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。
年末の「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーべ捨て10」
「本格ミステリ・ベスト10」で『屍人荘の殺人』がいずれも1位に選ばれた。
面白いのは作家になりたいと思い会社を辞めたのが30か31歳。
父親に言われたこともあって、1年間小説を書いてみて、
いい結果が出なければ 再就職することを決めていたそうだ。
(あんまり間が空くと、就職に不利ということかな?)
それで鮎川哲也賞に応募することを決め、本格ミステリを手に取ったのだとか。
それまでミステリといえば「金田一少年の事件簿」
ゾンビものでは「バイオハザード」くらいしか読んでいなかったそうだ。
だからコアなファンというわけではなく、
このジャンルの小説を書こうと思ってから いろいろ読んだらしい。
そして、プロットを2週間ちょっとで書き上げて、2か月半くらいで執筆したそうだ。
「何のトリックを使おうか」など、まだ決まらない状態で書き始めたらしい。
この本を読んでないから分からないけれど、 笑いの部分あり、
ところどころに軽妙な掛け合いありで
デビュー作で「これか!」と大森氏が大いに驚いていたっけ。
本人は中学から大学までバレーボールをやっていて、
オタクっぽさなど微塵もなく どっちかというと体育会系の若者(32歳だけど)。
なんだか、すごいヤツのように思える。
第二作はどう出るのか、興味深いな。