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サラ☆の物語な毎日とハル文庫

世田谷文学館の「石井桃子展」

世田谷文学館に「石井桃子展」を見にいってきました。
一昨年、101歳でなくなった石井桃子さんの業績を記念しての企画展です。
まったく、『クマのプーさん』『ピーター・ラビット』『たのしい川辺』『ちいさなうさこちゃん』。そのほか、絵本もたくさん。
石井桃子さんが翻訳した本がじつにたくさんあることに、改めてびっくりしました。
あの本も、この本も。100年生きたら、本当にたくさんの仕事がこなせるんだなあと思いました。
「最後まで現役でいられたら、そして、精力的に仕事をこなしていけば」という条件がつくけど。
そういう人はめったにいません。
そういう意味でも、石井桃子さんはスゴイ人だったんだなと思います。

児童文学の世界は、真面目です。
ほんとにマジメです。

優しくて、明るくて、穏やかで、子どもが好きで…。
そういう印象を受けました。

そんななかで面白かったのは、戦後の食糧難から1945年に、宮城県栗原郡の鶯沢村というところで、友達といっしょに農業・酪農を始めたという話です。
当時の写真がいくつも展示されていましたが、石井さんが牛の世話をしたり、乳を搾ったり、農作業をしている様子が見られ、なんともいい感じでした。

夜は自室で『ノンちゃん雲に乗る』の執筆をしていたそうです。
その様子も写真で展示されていました。
石井さんの向かいには白と黒のブチの猫が一匹座っています。
(その猫の話も『山のトムさん』というお話になって、本が出ているそうです)

都会育ちのお嬢さんが、田舎に引っ込んで農業を始めるだなんて、なんという行動派。
きっと型破りなところがあった人なのでしょうね。

ただ、酪農組合をつくって、ノンちゃん牛乳を出荷したりするのですが、資金難で苦しみ、1947年には東京に戻って、ふたたび出版の仕事に戻ったということです。

そんなわけで、石井桃子さんの意外な面に触れたり、その仕事の恩恵をいかにこうむっているかを確認したりした一日でした。
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