ミロールというのは、「ねえ、お兄さん」とか、「ちよっとそこのダンナ」とかいう意味らしい。
娼婦がそうやって、男に声をかける。
「ミロール」はシャンソンです。
歌詞の内容は、
…年増の娼婦が若いハンサムな優男に片思い。
でも、その男は、お金持ちのお嬢さんと恋に落ちて結婚してしまった。
しばらくして、男が結婚に破綻して、街に戻ってきているという噂が流れた。
ある日、その男が店にやってきた。
年増の娼婦は、持ち合わせているだけの優しさで男を迎え、元気づけようとする。
♪あら、ようこそ。
お入りなさい。
外はさぞ寒かったでしょう。
しばらくね、ミロール…
美輪明宏さんのコンサートに行ってきました。
心をえぐられるような感慨(戦争の話を聞くもので)と感動。
泣くんですよねぇ。
歌を聴いていると、頭の中に情景がよぎります。
ほんとにすごい歌の世界です。
なかでも感心してしまったのが「ミロール」
3、4分の歌の中で、一幕芝居を観ているよう。
美輪明宏が美輪明宏でなく、パリやローマの娼婦のようです。
男を迎えてみなぎる優しさや再会の喜び。
片思いでも、愛する男が目の前にいるのが
嬉しくて仕方がない。
そんな場面が、目に焼きつきます。
美輪明宏の歌は一幕芝居。
10月にNHKがSONGSという番組で、また、美輪さんを取り上げるそうです。
でも、テレビでは、この迫力と臨場感はうまく伝わらない気がします。
きっと、エネルギーがテレビの画面からはみ出してしまうのではないかしらん。
もしチャンスがあるなら、ぜひ、コンサート会場に行くのをおススメします。
美輪さんは74歳だそうですから(!!)、早いうちにね。