目の前に「『赤毛のアン』のキーワードBOOK」が200部入った段ボール箱がある。
自分で書いて、自分で印刷した本だ。
成り行きで本を作ってしまった。
200部を前にして「どうやってこれらの本を世の中に送り出そうか」と思案している。
正確に言うと、手渡しで売った本が20部あるから、残りは180部。
しかし、どうせなら100万部売りたいと思う。
それは世の中の著者と出版人の尽きない夢だ。
100万部当てたいと思わない出版人などいない。
「1万部でいいから」「この本はそこそこ五千部も売れれば…」なんて考えているようでは、つまらない。
出版なんて水物だ。どこかで化ける本があるから、儲けも大きく、面白い。
ギャンブルといっしょだ。
ところが、ギャンブル性はあるものの、目利きの出版人は、確実に当てている。
きっと、本の動きや、力、はじけ方などが実際に目の前で展開されるように「見える」のだと思う。
その伝からすると、「『赤毛のアン』のキーワードBOOK」はどうか?
100万部売れる本というのは、読んで嬉しく、魔法に欠けられたように納得し、心がすっとなる本だ。
平積みに置かれている数多くの本の中で、チカチカと光りを点滅させて「ここにいるよ」と教えているような本だ。
磁石のように、人をひきつけるタイトル。
「『赤毛のアン』のキーワードBOOK」はどうだろうか?
大人しい。
タイトルも魔術が潜んでいるようには思えないかな。
読後感も、きっとさらりとしている。
「同人誌みたい」といわれて、そうかもと思った。
「それでもあなたは100万部と豪語しますか?」
いやはや、そういう質問を突きつけられそうな気がする。
こういうイメージはどうだろうか?
床にこぼれた水が、和紙のような親水性のある紙にヒタヒタと流れ込み、滲んで広がっていくのだ。
密やかに、とどまることなく、だ。
水道の蛇口を少し開いて、水が流れ続けるようにしておこう。
やがて紙に浸み込んだ水が水蒸気となって、もわもわと立ち上り始める。
そして、ギスギスととがったものを柔らかくし、世界をやさしく包み込む
…ような。
だとすると、「100万部売りたい」でいいのだ。
さらりとして大人しいほうが、すんなりと懐に入り込んで、落ち着き場所を確保するのではないか?
なので、「『赤毛のアン』のキーワードBOOK」を100万部売りたい! としばらく豪語してみようと思う。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
メルマガ配信しています。購読料は無料。
ご登録はこちらへ。
↑「『赤毛のアン』のキーワードBOOK」をご希望の方は
marupippo1222@gmail.com までお申し込みください。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆