その博多の福岡中央郵便局前に、福岡県と大分県の県境にある秘境の村・八女郡矢部村のショップがあります。
矢部村でとれた農産物や梅干、高菜漬けほか、手作りの特産品を売っているのです。
この間、そこでお茶を買いました。
福岡県といえば八女茶。
矢部村は奥八女といわれるので、ここでとれたお茶は奥八女茶。
買ったのは、その矢部村でお茶を栽培し、工場で製茶をし、自園直売している栗原製茶の、“媛茶物語”。
(というわけで、答えはお茶でしたー)
お茶の名前にしては、ユニーク。袋の裏に、こんな話が印刷されていましたよ。
☆~媛茶のはなし~
わが国の歴史書『日本書紀』に、矢部村神ノ窟(かみのいわや)の「八女津媛」が記されています。
今から約1900年前、景行天皇が巡幸された折、「向こうに見える山々の峰の美しさは見事である。あの山に神はおられるかー。」と問われました。その地域を治めていた水沼の縣主が、「媛神まします、名を“八女津媛”と申され、常に山中におられますー。」と奏上したことから、今日の“八女”の地名が起こったとされています。
わが家の茶畑や工場も、この古代ロマンの息吹感じる、八女津媛の見守る土地にあります。栽培地が山間部にあり、昼夜の寒暖の差が大きく、また水と空気が美味しい絶好の土地であるため。味と香りが高いのが特徴です。
「人を想い、森を愛し、自然と共生する」そんな思いを胸に、日々、お茶づくりに励んでおります。どうぞ、自然のまんまの味と香りを心ゆくまで、ご堪能ください。☆☆☆
200グラムで1000円。(安い!!)
家に帰って煎れてみたら、さわやかな緑茶の美味しさがありました。
お茶を飲みながら、お茶の袋に、こんなふうにちょっとした短い物語(風)が書かれているだけで、印象がずいぶん違うなーと思ったり。
物語っていいですよね。
よく、21世紀は「こころの時代」といわれるけど、わたしは「物語の時代」だと思うな。
物語があるから、人間は豊かになれる。
証拠その①
お茶の袋の小文で、わたしはイメージが広がりました。
矢部村に行って、栗原製茶を見学してみたいと思いました。
それから発見したこと。
物語って、みんながよく知っている物語を少し引用すると、自分の物語になるってこと。
栗原製茶さんは、日本書紀を引っ張ってきた。
そりゃ、歴史だろうって。
でも、歴史って、言ってみれば、物語だもの。
ほんのちょっと、物語ちっくに話をアレンジするだけで、なんだか奥行きが出てきます。
身近なことを、どんどん物語にしてみたらいい。
歯ブラシの物語。片方しかない靴下の物語。何だっていいんだ。
小さい話でいい。
毎日が絶対、奥深くなっていくと思います。
最近の「サラモード」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
- ジブリノート(2)
- ハル文庫(98)
- 三津田さん(42)
- ロビンソン・クルーソー新聞(28)
- ミステリー(49)
- 物語の缶詰め(88)
- 鈴木ショウの物語眼鏡(21)
- 『赤毛のアン』のキーワードBOOK(10)
- 上橋菜穂子の世界(16)
- 森について(5)
- よかったら暇つぶしに(5)
- 星の王子さま&サン=テグジュペリ(8)
- 物語とは?──物語論(20)
- キャロル・オコンネル(8)
- MOSHIMO(5)
- 『秘密の花園』&バーネット(9)
- サラモード(189)
- メアリー・ポピンズの神話(12)
- ムーミン(8)
- クリスマス・ブック(13)
- 芝居は楽しい(27)
- 最近みた映画・ドラマ(27)
- 宝島(6)
- 猫の話(31)
- 赤毛のアンへの誘い(48)
- 年中行事 by井垣利英年中行事学(27)
- アーサー・ランサム(21)
- 小澤俊夫 昔話へのご招待(3)
- 若草物語☆オルコット(8)
バックナンバー
人気記事