サラ☆の物語な毎日とハル文庫

海老蔵の『新作歌舞伎 プぺル~天明の護美人間~』を観てきた

@サラ☆

昨日、11日に東銀座の新橋演舞場で

歌舞伎『プぺル~天明の護美人間~』を観てきた。

 

お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣原作・脚本のプぺル歌舞伎。

市川海老蔵が長女・市川ぼたんと長男・堀越勸玄とともに演じる。

西野亮廣の絵本『えんとつ町のプペル』を歌舞伎化した話。

 

歌舞伎なので舞台は江戸時代、天明年間。

富士山が爆発し、江戸の町は煙に覆われている。

絵本で異端審問官にあたるのは、老中・田沼意次。

時代劇風にアレンジされた歌舞伎版プペルだ。

 

海老蔵は主人公の護美人間プペルのほか、プペルの心臓、はるの父親・熊八

そして悪役・田沼意次の4役を演じ、ぼたんちゃんと勸玄くんが、

日替わりで、プペルの友だち・はるを演じている。

 

 

お芝居は熊八が、田沼意次の一派に花道で殺されるところから始まった。

すると心臓が花道から舞台にふわりふわりと移動し

(黒子が棒につけた赤い心臓を移動させる)、

そこに竜神踊りの竜たちがあらわれ、とり囲むなかで、

突如、心臓役の海老蔵が現れる。

海老蔵の心臓がドドンドドンと和太鼓を打ちつづけるうちに

そのカオスのような舞台から護美人間プペルの登場となる。

 

とにかく海老蔵の早変わりがまるでマジックのようで素晴らしい。

えッと何度びっくりさせられたことか!

 

そんなこんなで芝居は始まり、

盆踊りや町の人たちのやり取りが波のように引いたあと、

祖父の「ところで、はるはどこに行ったんだい?」

という掛け声に

「ここにいるよ」

とこどものよく通る声で答えて、のれんを分けて出てきたのが

勸玄くん!!

 

可愛いし、光に包まれているような華がある登場だった。

ここから一気に芝居の世界にひきこまれました。

 

なにしろ「だんまり」とか「荒事」「立廻り」といった歌舞伎独特の手法が

これでもかとてんこ盛りで詰め込まれているし

祖父とはると護美人間がのった小舟は、

ものすごいスピードで花道を退場していくし

 

せりあがった建物の屋根の上に座ったはるとプペルが

江戸の町を見下ろし、「江戸の町ってきれいですねー」と

プベルが感嘆の声をあげたり。

(客席からも、江戸の町の背景が眺められる。)

(ちなみに、はるの職業は屋根ふきという設定になっている。)

 

最後には熊八とはるが乗った大きな船が、空に上がり

煙を追い払って輝くばかりの星を町の人たちに見せるというシーンで

大団円。

照明が劇場全体を照らして、観客も空に運ばれたような感覚になるから

終幕はすばらしい演出。

父と子のきずなを海老蔵と勸玄くんが演じて、うるうるとしました。

 

 

長唄やお囃子、拍子木やツケの音など、歌舞伎の音楽も楽しく

前半の導入部のストーリーが少々わかりにくかったものの

見ごたえのある舞台だと思いましたよ。

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