こんにちは。
門飾りも降ろして、いよいよ2017年が本格的にスタートしました。
今回は、去年の12月に中断しました「ウィーン歩き」の続きをお話ししたいと思います。
前回(9回目)は、画家のクリムトらが建てた分離派会館(セセッシオン)へ行きました。
観光ガイドブックを見ますと、分離派会館のすぐ近くにウィーンで最も有名な食料品市場の
ナッシュマルクトがあることが分かりましたので、足を延ばしてみることに。
↓下の写真の左手にある平屋のお店の辺りが市場の入口で、写真の右下に見えている白いのぼり
が前回の分離派会館(セセッシオン)の前に立っていたのぼりです。目と鼻の先でした。
↓間口は狭いけれど、縦に細長い土地に店舗が大体120軒くらい入っています。
↓市場にはレラストランやスナックなども入っていて、オーストリア料理だけではなく、イタリア、
インド、トルコ料理などいろんな国の味覚が揃っていて、意外にもインターナショナル。
寒い日でしたし食事時でもありませんでしたので、外のテーブルについている人はほとんど見か
けませんでしたけど、いい匂いが漂っていました。
↓食材だけではなく、お惣菜やパンやデザートなど大抵のものはここで揃うみたいです。
いい季節には、観光客も交えたお客さんで混雑するそうですけど、今は寒い冬空の下。
魚介類を売るお店やフィッシュレストランも。
また、市場に隣接した広場では、毎週土曜日にウィーンで最大規模の蚤の市が出るそうです。
よく調べて土曜日に来れば良かったのに!と友人としきりに後悔。
↓下の写真はナッシュマルクトの蚤の市です。Yahoo画像からお借りしました。
↓蚤の市の広場の横には、ウィーンの建築家オットー・ヴァーグナーが手掛けた有名な建物が二棟
並んでいました。
↑手前の金色装飾のビルはメダイヨマンション、奥の花柄のビルはマジョリカハウスといって、
遠くからでもひときわ人目を引く建物。
偶然にも、オットー・ヴァーグナーは19世紀末、前回お話しした画家のクリムトらと一緒に
旧体制の芸術家協会を飛び出して新芸術のウィーン分離派を立ち上げ、あの分離派会館を建て
た中心人物の一人でした。
また、手前の金の装飾を手掛けたのは、やはり分離派に参加していたコロマン・モーザーという
デザイナーだそうです。
まさに分離派が力を合わせた作品。
(金色細工の拡大・・Yahoo画像より引用)
↓奥のマジョリカハウスのほうは、イタリアのマジョリカ焼きタイルを壁面に貼り付けてお花の
デザインにしています。ウィーンらしい華やかさを感じる素敵なアパートでした。
↑これより二年前にこのビルを初めて見た時には、これだけ大胆な装飾をやってのけるのは、
よほどの才能に恵まれた人なのだろうと感心したものです。
このオットー・ヴァーグナーのお花のデザインは、分離派会館と同じくアールヌーヴォーです。
アールヌーヴォーの分離派会館から始まって、行き着いた先は奇しくも同じ分離派会館で活動
をしていた建築家の作品でした。
蚤の市は見損ねましたけど、分離派の偶然にいい気分になってまた歩き続けることに。
今回は新年特大号みたいにずいぶん写真が多くなりました。
「ウィーン歩き」はこのエリアは一応一区切りつきましたので、今年中にいずれまた頃合いを
みてウィーンの別のスポットのお話を続けたいと思います。