こんにちは!
12月4日土曜日に≪ちょっとセレブにクラシック 第九とクリスマスソング≫のコンサートへ行き、ひと足早い
X’masと大晦日を楽しんできました。
会場は、東京池袋駅の近くにある東京芸術劇場大ホールです。
東京芸術劇場(ウィキペディアより引用)
プログラムの表紙。
右から指揮者の飯森範親さん、テノール歌手の秋川雅史さん、
メゾ・ソプラノの鳥木弥生さん、バスの久保田真澄さん、
ソプラノの中川恵美里さん。
その下は東京交響楽団と合唱団の東響コーラス。
前から六列目の座席でしたので、上の写真の楽団と合唱団を目前にして迫力満点です。
ポピュラーな曲ばかりで構成されていて、それだけに親しみやすいコンサートでした。
≪マエストロ≫というと飯森さんを連想するくらい、若きマエストロとしてテレビのご出演も多い指揮者
の飯森範親さんですが、近寄りがたいと敬遠されがちなクラシック音楽をもっと身近かな音楽として
楽しんでもらいたいという、その思いがよく伝わってくるステージでした。
噛み砕いて楽しませるような、初心者にも解りやすい演奏を配慮なさっていたように思います。
ステージの進行や曲の紹介も飯森さん自らがマイクを握ってトークなさいました。
最初の前置きに、ご自身が開発なさって発売中の≪食べるラー油≫の宣伝を一言。(笑)
ブログを拝見すると相当のグルメでいらっしゃるようで、食べるお話のオン・パレードです。
コンサートのメニューも、曲目を見ただけでワクワクするような美味しいプログラムでした。
PROGRAM
★ ヘンデル : オラトリオ≪メサイア≫より<ハレルヤ・コーラス>
クリスマスになるとよく聴く、ハ~レルヤ、ハレルヤ、ハレルヤという合唱です。
★ ハチャトゥリアン : 組曲≪仮面舞踏会≫より<ワルツ>
メリハリのある ドラマティックな演奏だと思いました。
この曲は、フィギュアースケートの浅田真央選手が2008~2009年のフリープログラムで滑って
一躍有名になった曲で、その後、あの曲は何という曲かという問い合わせが殺到したと、
飯森さんの解説がありました。
荒川静香さんの≪トゥーランドット≫もそうですが、フィギュアースケートからクラシックの素敵な
曲に人気が出ることが多くなりました。
★ アンダーソン : クリスマス・フェスティバル
もろびとこぞりて ひいらぎを飾ろう きよしこの夜 ジングルベル など。
ルロイ・アンダーソンはアメリカの作曲家ですが、編曲も多く手がけているそうです。
セミ・クラシックと言われるジャンル。
★ シューベルト : アヴェ・マリア
テノール歌手の秋川雅史さんの歌。
今までに 秋川さんのアヴェ・マリアは、シューベルト、グノー、カッチーニ作曲の三曲を聴いた
ことがありますが、もし前世というものがあるとしたら、このかたはヨーロッパのどこかで聖歌隊
にでも入っていらしたのではないか・・といった妄想さえ抱くような優れた歌唱だと思います。
それくらい秋川さんの宗教的なテーマの曲は、何故か無理なく自然に身に備わっているような
感じを受けます。
ストラデッラ作曲の≪教会のアリア≫も以前NHKの美術番組だったかで聴きましたが、人間臭く
歌う人が多い中で、そうではなく、祈りを感じて良かったです。
アヴェ・マリアという曲はほんとうに沢山あって、モーツァルトやリストなど、それから驚くことに≪椿姫≫
などのオペラの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディにもアヴェ・マリアがあります。
あまりにも美しいメロディなので、あとからアヴェ・マリアと呼ばれるようになった曲も多いようです。
やはり聖母マリアってあこがれの女性なんでしょうね。
音楽では聖母マリア、絵画ではモナリザなのでしょうか。
私は個人的にはバッハが好きなので、バッハの平均律クラヴィーア曲集の一部を伴奏にしている
グノーのアヴェ・マリアが、最も宗教的に感じられていちばんいいと思っているのですが。
歌詞もローマカトリック教会の祈祷文ですし。
飯森さんが、アヴェ・マリアのアヴェというのは、おめでとうございますという意味ですと一言
添えていらしたのは、とても良かったと思いました。
ちょっとした解説で、聴くほうの心が開きます。
グノーのほうの歌い出しは大天使がマリアに受胎告知をする言葉で始まり、アヴェ・マリアは、
おめでとうございますマリアとか、こんにちはマリアなどと訳詞されているようです。
★ 新井満 : 千の風になって
もう説明するまでもなく、お馴染みの秋川さんのヒット曲です。
~~~ 20分休憩 ~~~
★ チャイコフスキー : バレエ音楽≪くるみ割り人形≫より
小序曲、行進曲、招待客の帰宅・・・夜、くるみ割り人形とねずみの王様、松林の踊り、金平糖の
精の踊り、トレパーク、花のワルツ、コーダ、とボリュームたっぷりのメニューでした。
それらのオーケストラ演奏の間に秋川雅史さんの、物語朗読(ナレーション)が入って進行しました。
秋川さんの朗読も曲の雰囲気に溶け込んでいていい感じでした。
どのパートも生で聴く演奏はやはり素敵です。
花のワルツがいちばんポピュラーですが、金平糖の精の踊りなんかもとても可愛くて楽しかったです。
★ ベートーヴェン : 交響曲第九番≪合唱付≫より第四楽章。
いよいよ最後は、大晦日に演奏される定番の第九です。
プログラムの表紙に写っていらっしゃる四人の歌手がそれぞれの受け持ちを歌い、最後はソロと合唱団と
オーケストラの大演奏で、終わりました。
惜しみない拍手を受けてのアンコール曲は全員合唱の≪きよしこの夜≫。
客席のお客さんからも綺麗なソプラノが聴こえてきました。
飯森さんはベルリンやミュンヘンのバイエルン国立歌劇場で指揮の修行をしていらしたそうですが、指揮
なさる演奏曲にもドイツ的な印象を色濃く感じました。
クリスマスにまつわるお話として、秋川さんはイタリアのパルマに留学していたときに、X’masで 雪が降ること
はめったにないはずなのに四年のうちに二回、イヴに雪が降ったこと、飯森さんは、ベルリンの冬は極寒で、
寒いしお金はないし、お腹は空くし、寂しいし、そんなX’masを過ごしましたと語っていらっしゃいました。
ずいぶん強烈なクリスマスの思い出ですが、身を切るような辛さの上に音楽の花が咲くのでしょう。
東京都多摩センターのX’masイルミネーション
(画像はmarukさんよりお借りしました)