こんにちは
オーストリアの北東部、ヴァッハウ渓谷を流れてゆくドナウ川沿岸に、あまり知られ
ていないデュルンシュタインという小さな町があります。
驚くほど小さな町で、デュルンシュタインの端から端まで歩いても10分。
人口880人。それでも観光地です。
今日はその町にご案内しましょう。
あいにく霧が濃くてドナウ川のまわりは霞んでおり、周辺の山々や古城、世界遺産
になっているヴァッハウ渓谷の素晴らしい景観はほとんど何も見えませんでした。
でも、霧の河畔に佇む修道院の水色の塔やワイン畑、眠っているようにひっそりと
した町並みは、とても印象深く思い出の中に残っています。
下の写真は霧のかかったドナウ川と河畔のデュルンシュタイン。
下は修道院のロマンティックな水色の塔。↓
修道院は川の水際に建っていますので、ドナウ川からでないと全貌が撮れなくて。
このヴァッハウ渓谷に点在する町々は大戦争の惨禍を受けなかったので、ルネサ
ンスやバロックの古民家がまだ残っている珍しい地域なのだそうです。
デュルンシュタインにもそんな民家があると聞いたのですけど、どれがそうなのか・・
水色の塔の右側面を下から見上げて。正式には聖堂参事会修道院教会。
塔の四面にそれぞれ装飾がほどこされています。
ルネサンス時代の建物が気になって、ついつい眼が探します。
正面なんか古そうじゃないかしら。入口の造りが。↓
下の窓もルネサンスな感じ。昔はきっと板で開け閉めしていたに違いない。
もうすぐクリスマスの頃でしたので装飾の吊り看板もクリスマスの飾りと並んでい
ました。
手前の吊り看板はGASTHOF、宿屋の看板です。
オーストリアのハプスブルグ家の紋章、双頭の鷲がデザインに。
下の写真はこの町唯一のメインストリートのハウプト通り。
観光客はほとんどいなくて、ウィークデーにもかかわらず町のお店は閉まっていま
した。
ここに人が住んでいるのかしらと思うほど住民の姿はなく、犬一匹見かけません。
マイナーな観光地ですので、寒くなるといよいよ観光客が途絶えるのでしょう。
冬場はお店を閉めて、どこかの町へ働きに出かけるようです。
近くに鉄道も通っており、デュルシュタイン駅からウィーンまでは1時間ちょっと。
↓下の吊り看板は少年とお母さんの思い出の肖像画のようです。
何の記念だったのでしょうか。後ろはドナウ川なのでしょう。いい絵ですね。
写真がなかった時代はこんなふうに絵を描いてもらって姿を残したのですね。
↓下はシュロスホテルの吊り看板。
鳥の口ばしに看板をくわえているデザインは、装飾吊り看板の最もポピュラーな形。
吊り看板の定番です。
お店は閉まっていましたので、ショーウインドウを覗いて歩きました。
下は、アラブの図柄の吊り飾りです。
こういった吊り飾りはドイツにもたくさんありましたので、吊り看板と同じくオーストリ
アやドイツ一帯の工芸品なのでしょう。吊るすのが好きなのかしら。
金属製ですので、これは意外に重いのです。
下のかぼちゃの中にあるのはハロウィン。いいな・・骸骨がいいじゃない。
右のはご当地産業のワイン作りの葡萄摘み。
できたワインは古くからドナウ川を貨物船で出荷しました。
下の装飾吊り看板は両替もできるお宿のようです。円をユーロに換えたり。
下は上の吊り看板が掛かっていたお店です。
装飾吊り看板はこんなふうに掛かっています。
古民家を探してうろうろしていますと、テラスにやっと住人らしい人影が。
正面はドナウ川。いつまでたっても霧が晴れないので景色が見えません。
何世紀か前の岩の中に造ったようなお店も。
町のはずれには結構岩場があり、その中がお店や住まいになっていました。
この町では、よくこんなお人形を立てた台を見かけました。
メニューではないのです。
こんな野原にも。
キリスト教の寄付を呼びかけている文面らしいのです。
最後に、ドナウ川から水色の塔のある「聖堂参事会修道院教会」の全貌です。
Yahoo画像からお借りして載せました。↓
実物はもっと水色と白のコントラストが美しい塔だったのですけど・・
Yahoo画像
デュルンシュタインは次回に続きます。
是非またお出かけくださいね。