こんにちは梅雨が明けましたね。
2、3日前に知人の車で野球場の前を通りますと、バス停に長蛇の列が。
高校野球の予選をやっているそうで、終って帰る応援の人たちの行列でした。
表情を見れば、どの人も喜んでいる風ではなく。勝ったの?負けたの?
なるほど。まだ喜ぶような段階ではなくて、勝っても次の試合の心配あるのみ、
なんですね。
甲子園のテレビ観戦が待ち遠しくなってきました。
さて、今日は馬の吊り看板の最終回です。
その1、その2は馬で駆け回りましたけど、今回は海が入りますので駆け回るわけ
には行かないのですけど。
まずはロンドンから。
ロンドンの中心部って、ほんとうに素敵。
隅から隅まで神経がピリピリ行き届いている感じの街で、敬礼したくなります。
下の写真はテムズ川に架かったウエストミンスター橋の上。
背後には時計塔のビッグ・ベンとウエストミンスター宮殿(現国会議事堂)。
下は、ロンドンの街に掛かっていた装飾風の吊り看板。
吊り看板は、こんな風に店頭に掛かっています。
吊り看板を隠して見てみますと、無いよりはあったほうがずっといいということが分
かることでしょう。
日本のお店も、付けることを考えてみる余地はあるのではないでしょうか?
アップしますと、こうなっています。↓
THE PLOUGHは、耕作用の”すき”という意味ですけど、レストランの看板。
今までの看板は乗り物としての馬でしたけど、これは人間と協働している馬です。
ほんとうに、馬がなかったらわたしたちは今の時代まで来れたでしょうか。
次は、ロンドンから海を渡ってスペインのコルドバへ馬で飛ぶことに。
飛べる馬がいます。ペガサスという翼を持ったギリシア神話の空飛ぶ馬。
コルドバはスペイン南部のアンダルシア地方の古都です。
756年~1031年までは、中世イスラム王国の首都でした。
ところが、キリスト教徒がイスラム教徒に戦争で勝利し、1236年にコルドバはま
た元のキリスト教国に戻りました。
つまり、キリスト教→イスラム教→キリスト教という複雑な歴史を辿っています。
コルドバだけではなく、スペイン全土が約800年間、イスラム教徒に支配されてい
た時代があり、少しずつ国土を取り返していったのでした。
下の写真は、コルドバを流れるグワダルキビール川とローマ橋。
正面に見えている建物群は、メスキータ。スペイン語でモスクという意味です。
↑ イスラム教徒が戦いに敗れて、このモスクもカトリックの聖マリア大聖堂に。
以後ずっとキリスト教です。国ごと宗教が入れ替わるというのは、わたしたち日本人
には想像もつかない、とてつもないことですけど。
下は、そのメスキータ(モスク)のすぐ傍にあった馬の吊り看板。
騎手のスカーフが後ろになびいていますので、馬が疾走しているのが分かります。
酒場の吊り看板のようですね。
↑ スペインの吊り看板は、上のようにほとんどが黒地に白で文字や絵を描いた看
板ばかりでした。まるで看板は黒と決めているみたいに。
強い日射を防御するために外壁に白い石灰が塗ってあり、ドアや窓格子などはす
べて反対色の黒にしていますので、吊り看板も黒のほうがまとまるのでしょうか。
↓下の写真は、そのイスラム時代に建てられたメスキータ(モスク)です。
右手の塔のような鐘楼は、かってはモスクのミナレット(尖塔)として建てられ、バル
コニーから男性が大声でアザーン(礼拝の呼びかけ)を行っていたということです。
現在はキリスト教の鐘が鳴り響きます。
内部は、そういういきさつがありますので、イスラム教とキリスト教が同居したよう
な造りになっていて、世界的にも珍しい建築物だそうです。
せっかくいらしてくださったので、少し寄り道してご紹介しますね。
下の紅白のアーチ群はイスラム建築。「円柱の森」と呼ばれている巨大広間です。
この円柱はまるで森の中の樹々のように広々とというより深々と続いていました。
独特の紅白縞模様のアーチ型は、イスラムのポピュラーな装飾柄で、よく建物の
出入り口の上などに付いています。
イスラム教のモスクから突然キリスト教の教会が現われます。↓
↑上の写真は、キリスト教の礼拝堂ですけど、左手奥や正面奥にはイスラムの紅白
の縞模様が見えていて、両者が混在しています。
戦争の勝敗って厳しいものですね。この光景は、わたしには不気味に見えました。
イスラム模様の下にイエス・キリスト像。↓
このコルドバの逆の例はトルコでしょう。昔キリスト教国、今イスラム教国です。
改宗しないキリスト教徒は迫害から逃れるために地下に都市を造ったり、岩山に
住居を造って隠れ、苛酷な生活をしてゆくしかありませんでした。
↓ やはりメスキータの近くにある、スペイン的な雰囲気で人気のある「花の小径」。
白壁に赤いお花がたくさん。可愛い土産物店がありました。
このあたりは敵を迷わせるために路地が袋小路になっています。
最後のトリは、フランスのモン・サン・ミシェル。ここは飛ばなくても干潮時には
道があります。
モン・サン・ミシェルには馬の吊り看板が幾つかあったのですけど、今年の5月に
ご紹介したばかりですので、一部割愛しました。
下の馬は、見覚えのあるかたもいらっしゃるかもしれません。
尻もちをついているように見えますが、後ろ足で立っている馬のつもりではないか
と思います。ちょっと哀れな姿ですけど。
モン・サン・ミシェルは海に浮かぶ修道院として古くから親しまれてきました。
下は、島に着いて修道院へと登ってゆく参道。早朝のまだ暗い時間です。
現在は修道院はやっていなくて、島全体が世界遺産の観光地になっています。
↓ こんな馬の吊り看板もありました。
この場所にはお店はありませんでしたので、たぶんお宿の看板でしょう。
中世の兵士のようですね。馬はかなりくたびれているような。
空から撮ったモン・サン・ミシェル。↓ ほとんどがキリスト教の修道院の施設です。
中央の尖塔のてっぺんには悪(サタン)を打ち負かす大天使ミカエルの像が。
Yahoo画像より
本土に続くこの堤防の道は後から造られたもので、満潮時には海に沈み、道は無
くなります。ところがこの道が近年、潮の流れを堰き止めて、周りに土砂が積もって
干潟ができ始め、モン・サン・ミシェルは海に浮かぶ孤島ではなくなり始めました。
フランス政府は本土と島を結ぶ橋を架け、その後、堤防の道を壊してしまうことに
しました。満潮時には橋は海に沈んで、海に浮かぶ修道院が甦るのだそうです。
その橋が完成し、偶然にも一昨日7月22日に開通しました。
先ほど、ネットのNHK動画ニュースで見たばかりです。
道路のような曲線の、違和感のない橋でしたので、美しい海の景観も損なわれて
いません。さすがフランス。下は開通したその橋です。↓
Yahoo画像より
めでたし、めでたし、というところで「馬の装飾風吊り看板」を終わります。
今回、種目別吊り看板を試しにやってみましたけど、なんだか慌ただしい記事に
なってしまって、あまりいいアイデアではなかったような・・
目下、反省会中で~す。