前回(出産レポ②)の続きです。
③脊髄くも膜下麻酔の失敗
L&Dの手術室へ入り、手術台の上に乗ると
麻酔科医から麻酔の説明を受けました。
ここで初めて麻酔科医と対面。
手術着の帽子とマスクをしているので
顔全体は見えないけど何となく若そうな印象。
麻酔を打つ時は麻酔科医に背中を向けた状態で
手術台の上に座り背中を丸めなければいけません。
お腹が大きいから少し辛い体勢ではあるけど
Dr.Bや担当ナースが前に立って支えてくれたので
そこまで大変ではなかったかな。
麻酔のカテーテルを入れる時は
電気ショックのようなビリっとする痛みが走ります。
今回はSpinal Block(脊髄くも膜下麻酔)だけど
前回のEpidural(硬膜外麻酔)の時も同様に
電気ショックのような痛みがあったのを覚えてます。
スパイナルとエピデュラルの差は
カテーテルと麻酔を入れる場所が違います。
また、スパイナルは麻酔の効きが早く即効性があるのに対し
エピデュラルはじわじわ時間をかけて麻酔が効き始めます。

スパイナルは脊髄の中、エピデュラルは脊髄の外に入れます
スパイナルのカテーテルが脊髄に入り麻酔を注入。
まだ感覚のあるうちに手術台で横になったんですが
待てども待てども麻酔が効かず(・・;)
足は普通に動かせるし
胸から下の感覚も普通にあります。
尿道カテーテルが入れられたのもバッチリわかりました。
痛みの感覚の有無を調べるために
麻酔科医が何度も注射針でお腹や足をつつくけれど
普通に鋭い感覚があって明らかに麻酔が効いていない。
10分以上待っても何の変化もないので
入っているカテーテルを抜いてやり直すことに。
2回目のスパイナルを待っている間
麻酔科医が携帯をいじって
私に適切な麻酔量を調べてたんですが
最終的に
やり直してもう1度麻酔を入れると
麻酔量の上限を超えて危険なので出来ません
全身麻酔に切り替えるしか手がありません
と言うではありませんか!?(´⊙ω⊙`)
ちょっと補足しますが
麻酔量は体重をもとに決められます。
私の体重だと入れられる麻酔量の上限が少ないらしく
2回目は出来ないと判断されました。
ここでね、私、すごーーーく(×100)考えました( ̄^ ̄)
多くの方がご存知の通り私はICUナースです。
医療知識があるし
たくさんの患者さんのケースを見てきています。
簡単な手術で植物人間状態になったり
最悪の結果になったケースを知っています。
手術中の患者管理って大きくわけると2つあって
1つはメインの手術。
骨折の手術だったら外科医が行う骨を直す行為。
帝王切開だったら産科医が行う開腹手術です。
もう1つは患者の全身管理で
心拍や血圧などのバイタルサインの管理を指してます。
これは麻酔科医が行うことです。
麻酔科医って麻酔を管理するだけじゃなくて
バイタルサインの管理もするんです。
麻酔科医が血圧や呼吸を安定させているからこそ
外科医や産科医は
集中して本来の手術に取り組むことが出来るんです。
心拍数や血圧が不安定(=命が危険)であれば
手術そのものを行うことが出来ないので
手術中における麻酔科医の役割は大きいです。
ちょっとしたサインを見落としたばかりに
バイタルサインが乱れて上手く全身管理を行えず
心肺停止に陥ってしまうケースもあります。
手術の難易度にかかわらず
自分の担当麻酔科医が
どういう人なのか見極めるのはすごく大切

思わぬ出来事に的確に対処する船越先生(麻酔科医)

麻酔科医の役割は大きいです
話を戻して...
スパイナルが失敗に終わり
麻酔科医曰く「もう全身麻酔しか道がない」。
ここで
本当に全身麻酔しか選択肢はないの?
他に違う方法があるんじゃないの?
他の麻酔科医であれば違う方法を提案するのでは?
と思ったけれども
この麻酔科医が私のケースを担当している限り
残された道は全身麻酔しかありません( ´_ゝ`)
もちろん拒否することも出来ます。
でも全身麻酔を拒否するということは
・帝王切開の中止
・再度手術のスケジュールを調整しなければいけない
・Dr.Bのこの後の予定に影響が出る
・他の麻酔科医を手配しなければいけない
(でも来てくれる麻酔科医がいるのかは不明)
などなど、色々な影響が出てきます。
私に「嫌だ」と言う権利はある。
でもそうすると各所に影響が出る。
すごーーーく悩みました(-᷅_-᷄๑)
また、全身麻酔のリスクもあります。
全身麻酔でもほぼ確実に
次女は安全に産まれ私も無事でいられるでしょう。
でも100%ではない。
絶対に安全なお産はありえない。
ものすごーく低い確率だけど
想定外の結果になることも充分ありえます。

では、手術中に何か起こった時どうなるか?
ここで私には絶対なる確信がありました( ̄^ ̄)
この麻酔科医に危機的状況を管理する能力はない
何かあったら殺されるな( ̄ー ̄ )
と。
こういうのって直感でわかるんですよね(´-ω-`)
微妙なバイタルサインの変化をキャッチして
危機的状況に陥るのを未然に防いだり
危機的状況になった時に
迅速かつ的確に全身管理することは
この医師には出来ないだろうな、と。
何かあった時に他の医師なら救える命も
この医師では殺される助からないだろうな、と。
そして、私が助からなければ
お腹の中の次女も命を落としたり
重い後遺症が残る可能性があるんだろうな、と。
エピデュラル入れるのに1時間かかる医師。
エピデュラルを5回も入れ直す医師。
(↑知り合いの産婦人科医に後日聞いた話)
エピデュラルとスパイナルを続けて失敗する医師。
麻酔科医の技術としては出来て当たり前のこと。
それが出来ない医師に
経験がものを言う危機的状況管理が出来るとは
とてもじゃないけど思えないんですよね。
これはナースにも同じことが言えるのでよくわかるんです(・ω・)ノ
そんなわけで
時間的には短時間(ものの1分)だけど
自分の中で葛藤&議論を繰り広げた結果
全身麻酔による帝王切開を了承しました
驚きました?
ここまで「殺されるかも(゚д゚lll)」なんて書いたら
「この麻酔科医クビ!」なんて言いそうな流れですよねー(^-^;)
でも、リスクとベネフィットを天秤にかけて導いた結果です。
全身麻酔にGOサインを出した理由としては
・手術拒否したら各方面に迷惑がかかる
・手術中に命の危険に陥る可能性はとても少ない
・手術は何事もなく終わる可能性が高い
・私も次女も無事に生きていられる可能性が高い
・経験豊富なDr.Bを信頼している
などでしょうか。
99.5%何事もなく手術が終わり
手術中に何か起こる可能性は限りなく少ない(0.5%)
と自分の中で「大丈夫だろう」という気持ちが勝りました。
(99.5%と0.5%という数字は私の直感的な数字で
学術的根拠のある数字ではないのでご注意を)
「まさか自分に起こるはずはない」とは全く思ってないけど
「何かが起こる可能性は少ない」のが現実です。
もちろん、麻酔科医を全面的に信頼していないので
自分と次女の命に対する一抹の不安はありましたが
思い切って予定通り帝王切開を受けることになりました。
次回(出産レポ④)へ続く。
③脊髄くも膜下麻酔の失敗
L&Dの手術室へ入り、手術台の上に乗ると
麻酔科医から麻酔の説明を受けました。
ここで初めて麻酔科医と対面。
手術着の帽子とマスクをしているので
顔全体は見えないけど何となく若そうな印象。
麻酔を打つ時は麻酔科医に背中を向けた状態で
手術台の上に座り背中を丸めなければいけません。
お腹が大きいから少し辛い体勢ではあるけど
Dr.Bや担当ナースが前に立って支えてくれたので
そこまで大変ではなかったかな。
麻酔のカテーテルを入れる時は
電気ショックのようなビリっとする痛みが走ります。
今回はSpinal Block(脊髄くも膜下麻酔)だけど
前回のEpidural(硬膜外麻酔)の時も同様に
電気ショックのような痛みがあったのを覚えてます。
スパイナルとエピデュラルの差は
カテーテルと麻酔を入れる場所が違います。
また、スパイナルは麻酔の効きが早く即効性があるのに対し
エピデュラルはじわじわ時間をかけて麻酔が効き始めます。

スパイナルは脊髄の中、エピデュラルは脊髄の外に入れます
スパイナルのカテーテルが脊髄に入り麻酔を注入。
まだ感覚のあるうちに手術台で横になったんですが
待てども待てども麻酔が効かず(・・;)
足は普通に動かせるし
胸から下の感覚も普通にあります。
尿道カテーテルが入れられたのもバッチリわかりました。
痛みの感覚の有無を調べるために
麻酔科医が何度も注射針でお腹や足をつつくけれど
普通に鋭い感覚があって明らかに麻酔が効いていない。
10分以上待っても何の変化もないので
入っているカテーテルを抜いてやり直すことに。
2回目のスパイナルを待っている間
麻酔科医が携帯をいじって
私に適切な麻酔量を調べてたんですが
最終的に
やり直してもう1度麻酔を入れると
麻酔量の上限を超えて危険なので出来ません
全身麻酔に切り替えるしか手がありません
と言うではありませんか!?(´⊙ω⊙`)
ちょっと補足しますが
麻酔量は体重をもとに決められます。
私の体重だと入れられる麻酔量の上限が少ないらしく
2回目は出来ないと判断されました。
ここでね、私、すごーーーく(×100)考えました( ̄^ ̄)
多くの方がご存知の通り私はICUナースです。
医療知識があるし
たくさんの患者さんのケースを見てきています。
簡単な手術で植物人間状態になったり
最悪の結果になったケースを知っています。
手術中の患者管理って大きくわけると2つあって
1つはメインの手術。
骨折の手術だったら外科医が行う骨を直す行為。
帝王切開だったら産科医が行う開腹手術です。
もう1つは患者の全身管理で
心拍や血圧などのバイタルサインの管理を指してます。
これは麻酔科医が行うことです。
麻酔科医って麻酔を管理するだけじゃなくて
バイタルサインの管理もするんです。
麻酔科医が血圧や呼吸を安定させているからこそ
外科医や産科医は
集中して本来の手術に取り組むことが出来るんです。
心拍数や血圧が不安定(=命が危険)であれば
手術そのものを行うことが出来ないので
手術中における麻酔科医の役割は大きいです。
ちょっとしたサインを見落としたばかりに
バイタルサインが乱れて上手く全身管理を行えず
心肺停止に陥ってしまうケースもあります。
手術の難易度にかかわらず
自分の担当麻酔科医が
どういう人なのか見極めるのはすごく大切

思わぬ出来事に的確に対処する船越先生(麻酔科医)

麻酔科医の役割は大きいです
話を戻して...
スパイナルが失敗に終わり
麻酔科医曰く「もう全身麻酔しか道がない」。
ここで
本当に全身麻酔しか選択肢はないの?
他に違う方法があるんじゃないの?
他の麻酔科医であれば違う方法を提案するのでは?
と思ったけれども
この麻酔科医が私のケースを担当している限り
残された道は全身麻酔しかありません( ´_ゝ`)
もちろん拒否することも出来ます。
でも全身麻酔を拒否するということは
・帝王切開の中止
・再度手術のスケジュールを調整しなければいけない
・Dr.Bのこの後の予定に影響が出る
・他の麻酔科医を手配しなければいけない
(でも来てくれる麻酔科医がいるのかは不明)
などなど、色々な影響が出てきます。
私に「嫌だ」と言う権利はある。
でもそうすると各所に影響が出る。
すごーーーく悩みました(-᷅_-᷄๑)
また、全身麻酔のリスクもあります。
全身麻酔でもほぼ確実に
次女は安全に産まれ私も無事でいられるでしょう。
でも100%ではない。
絶対に安全なお産はありえない。
ものすごーく低い確率だけど
想定外の結果になることも充分ありえます。

では、手術中に何か起こった時どうなるか?
ここで私には絶対なる確信がありました( ̄^ ̄)
この麻酔科医に危機的状況を管理する能力はない
何かあったら殺されるな( ̄ー ̄ )
と。
こういうのって直感でわかるんですよね(´-ω-`)
微妙なバイタルサインの変化をキャッチして
危機的状況に陥るのを未然に防いだり
危機的状況になった時に
迅速かつ的確に全身管理することは
この医師には出来ないだろうな、と。
何かあった時に他の医師なら救える命も
この医師では
そして、私が助からなければ
お腹の中の次女も命を落としたり
重い後遺症が残る可能性があるんだろうな、と。
エピデュラル入れるのに1時間かかる医師。
エピデュラルを5回も入れ直す医師。
(↑知り合いの産婦人科医に後日聞いた話)
エピデュラルとスパイナルを続けて失敗する医師。
麻酔科医の技術としては出来て当たり前のこと。
それが出来ない医師に
経験がものを言う危機的状況管理が出来るとは
とてもじゃないけど思えないんですよね。
これはナースにも同じことが言えるのでよくわかるんです(・ω・)ノ
そんなわけで
時間的には短時間(ものの1分)だけど
自分の中で葛藤&議論を繰り広げた結果
全身麻酔による帝王切開を了承しました
驚きました?
ここまで「殺されるかも(゚д゚lll)」なんて書いたら
「この麻酔科医クビ!」なんて言いそうな流れですよねー(^-^;)
でも、リスクとベネフィットを天秤にかけて導いた結果です。
全身麻酔にGOサインを出した理由としては
・手術拒否したら各方面に迷惑がかかる
・手術中に命の危険に陥る可能性はとても少ない
・手術は何事もなく終わる可能性が高い
・私も次女も無事に生きていられる可能性が高い
・経験豊富なDr.Bを信頼している
などでしょうか。
99.5%何事もなく手術が終わり
手術中に何か起こる可能性は限りなく少ない(0.5%)
と自分の中で「大丈夫だろう」という気持ちが勝りました。
(99.5%と0.5%という数字は私の直感的な数字で
学術的根拠のある数字ではないのでご注意を)
「まさか自分に起こるはずはない」とは全く思ってないけど
「何かが起こる可能性は少ない」のが現実です。
もちろん、麻酔科医を全面的に信頼していないので
自分と次女の命に対する一抹の不安はありましたが
思い切って予定通り帝王切開を受けることになりました。
次回(出産レポ④)へ続く。


それに、命にかかわるとても大切な決断を、えいやさん、ギリギリになって、短い時間で決断されて、難しかっただろうなぁと思いました。
何より、今現在、赤ちゃんもえいやさんも大丈夫だと分かっているから、まだ安心してこの出産レポを読めていますが、これが進行形だったら、ちょっとパニックになってしまいそうです。
携帯で麻酔量を計算したのは、一見「えっ?」と思うかもしれませんが、みんな同じ量の麻酔を投与されるものではなく1人1人違うので、正確な麻酔量を確認する(=安全性を保つ)という点において、この行動は正しかったと思います。