高知へ行ってきました。
仕事が夜8時からだったので、私だけ早く着いて観光、翌日はたっぷり観光して最終便で帰る、といういつもの自分勝手なスケジュール。
四国は初めて。お遍路さんの世界をちょっとのぞいてみたい、と4つか5つお寺を回る計画だったのですが、着いた日は風と雨でお天気荒れ模様。夜の仕事までにあまりへとへとになっちゃってもまずいので、空港と町と駅でおみやげウォッチングをすることに予定変更。
高知県は人口密度が低いそうで、町を見渡すとなるほど、混んでいない。高い建物もほとんどないので、空が広々。道路沿いの中古車センターのとなりがいきなり水田だったり。
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そのなかを、路面電車がゴトゴト走ってる。そして、いますいます、遍路姿の人が、町のあちこちに。
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しかし、水田がある風景って美しい。水が空を映して、地上のあちこちにパッチワークになっている。
高知竜馬空港でアイスクリンを見つけたので、さっそく碁石茶と実生柚子フレーバーを食べてみることに。アイスクリームは私の「いやしグッズ」の定番。食べると気持ちが落ち着きます。そして世界中で日本ほど、いろいろな美味しいアイスクリームを食べられる場所は他にないのではと思う。だからご当地ものを見たら食べないではいられない。
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碁石茶っていうのは固形の香ばしいお茶で、その香りが乳製品とすごく合う。そして柚子。高知特産の実生の柚子の果汁が入っているというので期待。ああ、昔、冬の夜の鍋焼きうどんに母が乗っけてくれた一片の柚子の香を思い出した。昨今の柚子はほんとに許せないくらい香りが薄いです。甘さはあっさり、香りふくよか、で大満足のアイスクリン2種でした。
悪天候のためにたっぷりできてしまった時間を、おみやげものの試食に費やした結果、私が買ったのは・・・・
こしあんを求肥で包んで寒梅粉をまぶした「土佐日記」
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四万十川の青海苔と柚子の香りいっぱいの「薄焼きせんべい」
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皮をむいた小豆のじょうよ饅頭「白栴檀饅頭」
百合根ようかん
川エビの味が焼きこまれた「四万十川の川エビせんべい」
香りの濃い四万十川の青海苔
くじらジャーキー
10センチくらいの棒状の生節に味をつけた「姫かつお」
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小麦粉と砂糖の素朴な美味しさで後を引かれる「ケンピ」
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目玉おやじの四国お遍路バージョン
同上 土佐犬バージョン
土佐文旦(これはホテルで食べた)
でした。
中でもピカ一だったのが「白花栴檀饅頭」。他のアンコものがかなり甘さ強めなのに比べて、皮むきの小豆のなめらかさと、ぴったり決まった甘さ度が、さすが「皇太子お買い上げ饅頭」なのでした。
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(あんこの色が美しい白花栴檀饅頭)
仕事が終わった夜9時半。スタッフのみなさんとカツオのたたきが美味しい店へ。麦藁灰で焼いたカツオのたたきとウツボのから揚げをご馳走になりました。どちらもとびきり美味しい南国土佐の味。
さて、翌日はいい天気。
ですが・・・・・・朝からお腹の調子がすごーく悪い・・・・・。別に食べたものが悪かったわけではなく、一昨日、きのうと生ものを食べ過ぎたせいだと思う。
仕事の旅が多いので、大体の症状に対応できる薬を常備している。今までほとんど使ったことのない下痢止めの出番。チェックアウトぎりぎりまで、千年灸をしたり、痛み止めの薬を飲んだりして、なんとか出かけることにしましたが、この調子では予定していたコースはとても無理。『旅に病んで、夢は枯野を駆け巡る』という芭蕉の句が身に染みて。旅の便秘も悩ましいですが、下痢よりはマシです!!! いちばん近い四国巡礼31番札所の竹林寺と、その隣の牧野植物園だけにしようと、予定を大幅に簡略した。
四国という土地、そしてお遍路という民衆の祈りの旅をつなぐのが札所。その中の31番竹林寺は、高知市街を見下ろす五台山の上にある724年に建立された名刹。文殊菩薩という知恵の神さまを奉っている。
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変化に富んだ地形をもつ緑濃い広大な敷地には、本殿をはじめとして、はるばる歩いて来たお遍路さんを満足させるような、お祈りポイントがたくさん。
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石仏やお地蔵さんの顔もどこか上品。
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ひとつひとつをふらつく足取りで回っていると、にわかに境内がにぎやかに。集団お遍路さんが到着したもよう。
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五重塔の裏側に「一言地蔵」という、とてもいい雰囲気のお地蔵さんがあり、
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そこで手を合わせているおじいさんがいました。「ああ、一言地蔵か・・・」とお祈りを終えたおじいさんはため息とともにつぶやきました。そして私に「ここは亡くなったおばあさんが、必ず願いをかなえてくれると、信仰していたお地蔵さんなので、一度来たいと思っていたんです。やっと来れてよかった」といい、しみじみした様子で、木漏れ陽のなか、坂を下りていきました。
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その後姿を見ていたら・・・・私もお地蔵さんお願いしてみたくなってきた。このお地蔵さんは、たったひとつしか願いをかなえてくれないらしいのですが、それがかえって効きそうな感じがします。接待所で買ったコケシの背中に、口には出せないけれど、今いちばん願っていることを書いて供えました。
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こんどは有料のお庭と宝物殿を見ることに。庭園は無窓疎石が造園した名庭で、江戸時代初期の池泉鑑賞式。枯滝や苔、石など、さすが県内三名園のひとつの美しさ。
そして宝物殿。見物人は私ひとり。400円払うと自動扉が開くようになっていて、しかし一歩入ると、いきなり17体の国宝の像とご対面という構造なのです。
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(内部では撮影禁止なので、扉の外から撮りました・・・ダメ?)
国宝ですから、温度湿度管理がされていて、窓もない密封空間。後ろで自動扉がピッタリ閉まった瞬間・・・・あ、だめー!!!しばらくなかった閉所恐怖症のパニックがいきなり襲ってきた。急いで自動扉を開け、仕方がないので扉を開けたまま、なんとか観ることができたのでした。でもこのぴったりと閉じた厚い自動扉
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もし故障したら、外界とどうやって連絡がとれるのか・・・考えるだに恐ろしい。
隣の牧野植物園は土佐出身の牧野富太郎博士を記念した広大な植物園。温室では「トビカズラ」と「ヒスイカズラ」という、珍しい豆科の植物がちょうど開花していました。青系の花がきれい。
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山あり谷ありの見ごたえのある植物園。でも、ああ、足元ふらふら。朝から水しか飲んでいない。でも他のものはとうていはいりそうもない腹具合。ここで虫さがしもしたかったのですが、その余裕はありませんでした。
帰りのバスを待つ間、あっ、土佐名物「アイスクリン」だ!
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でもこの腹具合で冷たいものと言うのは・・・・と思ったけれど、せっかくだからひと舐めだけでもしてみたい、という欲望に打ち勝てず。
しゃりしゃりと、さっぱりとしていて、なるほど昔のアイスクリンの味がする。酸味のないカルピスみたいな独特の風味もします。ひと舐めがふた舐めに・・・でもさすがに全部は食べませんでした。
空港に着くと、羽田が雨風で、欠航続出。この体調で足止めはいやだあ!と思ったけれど、なんとか1時間半遅れで離陸。
お天気もお腹も荒れ模様、の高知でしたが、でもやっぱり旅はいい。どんな旅でも。次の取材は盛岡。この仕事、つづくといいな ー。