またぁ?といわれそうだが、また行ってきました。だってきのこのシーズンって、そんなに長くないから。この1年、冬も春も夏も、四季それぞれにきのこは見ることができたが、なんと言ってもたくさん種類が見られるのは秋。それに金木犀が香る10月のはじめは、外を歩くだけで幸せな季節。家族でたくさん旅をしたのも、娘が生まれたのもこの季節でした。
きょうは御殿場から30分くらい車で行ったところにある、十里木という別荘地の友人宅周辺がきのこ観察のフィールド。 きょうの(というか、いつもだが)裏テーマは「和菓子」。なので途中「とらや工房」へ寄った。入り口はこんなふう。
雑木林や竹林の奥にあるこの和カフェと和菓子工房は、和菓子の原点に還る、というのがコンセプトだそう。和菓子をつくる工程が見える工房に、できたてを食べられるカフェが併設されている。http://profile.allabout.co.jp/ask/column_detail.php/32543
芋羊羹とかお饅頭とか、どれも地味だけれど、和菓子の美味しさをしみじみ味わうラインナップ。あんみつを注文してみた。白玉の味、絶品。散らしてある塩味の小豆がよく合う。私にはちょっとアンが甘すぎたが、色具合も美しいし、周囲の「緑に映えるあんみつ」だった。
そして、まわりの林にはきのこ。
まさに、キノコとアンコというきょうのテーマの両方をいっぺんに満たしてくれる場所だった。
十里木は富士山のふもとの別荘地。軽井沢ほど古くないが、以前来たときよりも周囲の自然環境が成熟していい感じ。ハウススタジオになっている友人のご近所の家にお邪魔し、持ち寄りの惣菜でランチ後、5人で観察スタート。
みんなここに住んで長いし、あそこにドクツルタケあるわよ、あたしはキヌガサタケ1回だけ見たことあるー、など身の回りを良く見ている人たちだった。隣のペンションの庭先に、へんなのが生えてる、というので行ってみると、おお!ノボリリュウタケ。
ちょっと歩くたびに、きのこが見つかる密度の濃さ。まっしろなマシュマロのようなホコリタケは、中身まで細かい泡を固めたようなマシュマロ状。これは食べられるそう。
これが幼菌
少しへたりかけていたが、ドクツルタケも。高さ20センチ。きのこの形態が数ある中で、この手のきのこはダントツの存在感。
そしてこれも一度見てみたかった珊瑚のようなキホウキタケ。
赤いドクツルタケは名前のごとく毒。
子供と 大人
ひっくり返すとヒダが鮮やかなオレンジ色のアカモミタケは美味しいとか。傷つけると赤い汁がでる。
なめこのような粘液におおわれたのも
素敵な場所に生えたオシャレさんもいた。
1時間ちょっとの間に、30種類くらいのきのこが見つかった。もう少し時間があったら、いったいどれほどあったことか、というくらい種類が多い。初心者だから、どれもが初めて見るものばかりで、くらくらした。
日帰りなので、4時には出発。夕焼けの高速道路にまで金木犀の香りが漂っている。成城学園前で車を降ろしてもらったが、まだきょうのお楽しみは、うふふ・・・終わっていない。駅前にできたばかりの、和菓子屋「あんや」に行くのだ!この間もらった手土産でその美味しさは実感済み。
http://www.b-shoku.jp/tokushu/pickup/18/anya.html
「とらや工房」もそうだったが、ここも姿の派手さや美しさよりも、デイリーな和菓子の美味しさ、楽しみを提案する店とか。成城までめったに来られないから、とお月見まんじゅう、あんやもち、蜜豆腐、豆板、お汁粉、それにお赤飯まで、あれもこれも。買いたかったアンを混ぜたわらび餅は売り切れていて残念。こうなると・・・一刻も早く家に帰りたい。
採集してきたきのこを、お箸でそっと取り出して並べ写真を撮って図鑑で名前を調べてから、和菓子を少しづつ味見。うーん、ここのアンコ、やっぱりすばらしい!特にこしあんの絹のような繊細な舌触りとちょうどいい甘さ。風味は落ちるけれど、一度にこんなに食べられないので、小分けして冷凍したり冷蔵したりで、やっとひと段落。
初めて出会った数々のきのこのと、美味しいアンコで興奮気味だったのか、疲れているのになかなか寝付かれない、秋の夜でした。