毎年4月はそわそわ心騒ぐ月。なぜなら、タケノコを掘る月だから。
父の竹林へ、家族総出のイベントだったそのタケノコ掘りも、今年で終わり。82歳になり、もうここの管理は重荷になってきたよう。埋めて宅地として売る予定だとか。 タケノコが大好きで、もちろん自分の竹林で毎年掘り出すのを楽しみにしていた父にとって、かなりの決断だったにちがいない。いろんなことが変わっていきます・・・。
それで、今年は最後のタケノコ掘り。朝9時に竹林集合。出てる、出てる!雨がたくさん降った後だからまさに「雨後の筍」ってやつ。掘り出すのは特別の道具を使いこなせる父だけにできることなので、他の者は地面に目をこらして、タケノコをさがします。厚く積もった竹の枯葉がちょっと持ち上がっているのが目印。もうすでにすっかり頭を突き出しているものも。
あっちこっちで、「ここにあるー」「大きいよー」などという声があがり、父が掘り出し、かごに入れて車まで運び上げる、というのが一連の流れ。 タケノコの根の方向を道具の先っぽでさぐりながら、ここと見定めたポイントに、グサッ、グサッ、っと。
メリッ、っという独特の音とともにタケノコがもっこり掘りあがってくる瞬間がなんともいえません。
私たちもやってみるものの、タケノコはそう簡単には掘れないようで。
私はタケノコ以外の竹林のいろんなものを観察。オレンジ色のスライムみたいな粘菌と、キノコを見つけた。
この日は100本くらいありそうでしたが、そんなに掘っても困っちゃうので、40本くらいでストップ。その後、葉山の妹の家の庭で、友人知人に送る準備と、残りは皮むき。むいたばかりのしっとりとしたタケノコの皮、いいにおーい!
タケノコは、まず掘ってから2時間以内、そして当日、翌日・・・と味が変わってく。時間との勝負でもあるので、むいたそばから大なべに放り込んで、ガシガシ煮る。新しいのでヌカとか鷹の爪なんかも入れない。穂先はほかほかの焼きタケノコに。
近くのプレドールで焼きたてのパンを買ってきて、やっとお昼ご飯になった。その後はまた皮むき。すべてが終わったのは午後3時。サンルイ島のアイスクリームとケーキでお茶にしよう!こうして我が家のお祭り、最後のタケノコ掘りが終わりました。
長い間楽しませてくれた竹林と父に、ありがとう!