Maladet de Sahara

~ 人とのつながり、出会いの広がり ~

モルドバから 新たな旅立ち・・・

初めてのドバイ旅行 ② ~ 世界のギャップ ~

2009-10-13 23:41:40 | サウジ・生活
8月15日(土)
PIN#がわからないまま就寝し、7時半に起床。 シャワーを済ませ、朝食ビュッフェへ。 朝食からホテルで食べられるなんて、それだけで何だかリッチな気分♪



ユースホステルでも朝食付というところはあるが、やはり並んでいるものが違う・・・ 貧乏旅行をしているときは、そこでこそこそ昼食用のサンドイッチを作っていたものだった。(笑) ここにはちゃんとウェイトレスさんがいて、紅茶やコーヒーを入れに来てくれる。 フルーツとヨーグルトを食べて、のんびりと紅茶を楽しむ。 嗚呼、幸せ・・・

9時半にチェックアウトして、Lamcy Plazaというモールを目指す。 昨晩タクシーを降りたところから歩いてホテルまで来る途中にモスクがあったので、モスクの写真を一枚。



リヤドにもそこらじゅうにモスクがあるのだが、街中で自由に写真を撮ったりできないのが残念でならない。 モスクの近くの小さなお店で水を買い、Lamcy Plazaへ行くのにどこでバスに乗ったらいいのかを聞く。 お店の人はとても親切だったのだが、だいたいの場所しか知らない様子。 また聞けばいいやと思い、言われた方向に歩いていく。 やはりよくわからないので、道ですれ違ったおじさんに聞き、少し戻って広い道を渡るも、またわからず、日陰に座っていたお兄さんに聞く。 午前中とはいえ、8月半ばのドバイは暑い… よくわからないドバイの街中をフラフラ。

バブルがはじけたとはいえ、リッチなイメージが尽きないドバイ… だったのだが、目の前に広がっていたのは労働者の町だった。 至る所に工事用車両が停まっており、そのまわりには真っ黒に日焼けした人々が汗を流している。



"Win Your Dream"



一休み



ビルの下に小さく見えるのは・・・



仕事を待っているおじさんたち


お金をかけるアラブ人、そこでお金を落としていく欧米人、しかし、そんなドバイの街を作っているのはこの暑さにも負けず働いている人々。 この激しいギャップ…ここに世界の縮図を見たような気がした。 サウジには観光ビザというものが存在しないので、ドバイとは少し状況が違うのだが、一番上にサウジ人、その下には中間管理職として欧米人や日本人、エジプト人、そして、その下に主にアジア圏から来た出稼ぎ労働者という構図はここにも存在する。 インド人、バングラディッシュ人、フィリピン人が多いここリヤド、このコンパウンドで働いている人の多くもインドから出稼ぎに来ている人たちだ。 この間このコンパウンドの運転手さんと少し話をした。 8歳と11歳の娘がいるインド人の運転手さん。 国に帰れるのは2年に1度、朝起きて、仕事に行って、仕事から戻って、寝る… 毎日がこの繰り返し・・・ と。 サウジアラビアは特に厳しいので、「じゃ、ドバイで働いたら、もっと自由があっていいんじゃないですか。」と聞くと、「いやいや、リヤドのほうがいいよ。 ドバイにいたら、バーに行ったりして、せっかく稼いだお金もどこかに消えていってしまうから。」と。 生きていくにはお金が必要だ。 しかし、奥さんとも娘ともずっと離れ離れで、毎日起きて仕事に行って寝るだけの繰り返し… インドで同じ仕事をしていたら、生活がままならないのだろう。 ここにいれば、同じことをしていても、何十倍ものお金が自分のところに入ってくる。 それでも・・・ と、思ってしまう。 将来何になりたいかという質問に「お金持ちになりたい」と答えた多くの中国人学生、仕事を求めて、お金を求めて多くの労働人口が海外に流出しているモルドバ、そして、サウジやドバイに来ている出稼ぎ労働者たち… 決して裕福な家に生まれたわけではないが、毎日普通の生活ができ、留学したりもできる自分。 たまたま日本という国に生まれたからだ。 日本にいるときは、そんなことを考えたこともなかったが、それだけでも十分に恵まれている自分に初めて気がついた。 それでも、「お金」っていったいなんなんだろう・・・ と思ってしまう。 国が経済的に豊かになっても、国民全員が幸せになれるわけでもなく、人を殺す者もいれば、ストレスで自殺をする者もいる。 悲しいかな、それが現実である。 平等に幸を共有できる世の中を作ろうとすれば、働かず幸を得ようとする者が現れ、競争社会を作れば、他人を蹴落とし際限なく幸を求めようとする者が現れる。 もしこの世の中に「金」が存在していなければ… もしそれ以外で幸を量れるものが存在していたとしたら… この世の中はいったいどんな形になっていたのだろうと思う。

初めてのドバイ旅行 ① ~ トラブル続きの始まり ~

2009-10-08 19:23:34 | サウジ・生活
8月14日(金)
午後8時45分の飛行機でリヤドを飛び立つ。 ドバイは乗り継ぎで降り立ったことはあったが、これまで空港の外に出たことがなかったので、滞在時間がほぼ24時間の旅だったが、楽しみにしていた。 実際の目的はマルチエントリービザの有効化ではあったが・・・

飛行機は無事ドバイ空港に到着したので、携帯のスイッチを入れたところ・・・

"PIN #" __ __ __ __

「げげげ、覚えてない!!!」

前任の先生からそのまま引継いだ携帯電話。 以前も一度同じことになったのだが、うちに帰って確認してすぐに解決した。 しかし、今回は帰れない。 帰りの飛行機は夜中の2時にリヤドに到着予定で、コンパウンドの車で迎えに来てもらう予約をしていたのだが、携帯が使えなければ連絡が取れない・・・ ドバイに着いた瞬間から焦り始める・・・汗

空港から外に出て、タクシー乗り場に行くと、日本の夏のようなむわっと蒸し暑い空気に包まれる。 リヤドはとても乾燥しているので、同じ気温でも体感はまったく違う。 到着したのは午後11時半すぎだったが、タクシー乗り場には結構長い列。 当然その間もPIN #との戦い・・・ 前に一度なったときの薄っすらと残っている記憶を掘り出すも、やはりわからない・・・

タクシーに乗って、ホテル名を告げる。 行く前に一応ホテルの位置や外観をチェックしていったのだが、同じ地域に同じ系列のホテルがあることは気にかかっていた。 着いたと言われて降りたところはもう一つのホテル。 ホテルのフロントで聞いて、歩き始める。 蒸し暑い・・・ リヤドではめったに汗をかくことがないのだが、久々に汗をかいた。 写真と同じホテルの建物に入った瞬間、エアコンの気持ちのいい風が体を伝う。

「ふぅ・・・ 無事着いた・・・」

と、ほっと一息をついた。 が、しかし・・・

フロントでインターネットで予約したホテルの領収書を見せると、

R: 「今晩はこの部屋は予約がいっぱいです。」
M: 「えっ、1ヶ月も前に予約したのに、どういうことですか???」
R: 「宿泊は今晩だけですか。」
M: 「はい、予約したとおりです。」

確認を取り始める受付、どうなることか心配する自分・・・

R: 「宿泊は今晩だけですね?!」
M: 「はい、さっきも言ったように、今晩だけです。」(何でまた同じ質問なんだよ!!!)
R: 「かしこまりました。 では、スィートルームにご案内します。」
M: 「えっ!? あっ、はい・・・」

ということで、トラブル続きの旅の始まりだったが、ラッキー♪ 今までいろいろな国に行ってきたが、一人旅をしていてちゃんとしたホテルに泊まるのはこれが初めて! 普段はできるだけ安いユースホステルに泊まっていた・・・ 日本にいても、東京に行ったときはネットカフェ難民をしているような人間なので、ホテルに興奮、スィートに大興奮!!!



おぉ、素敵な部屋♪



ベッドがでかいっ!!!



トイレ!!!(特に驚く理由はない。笑)


大きなテレビが二つあり、トイレも二つあり、リビングも寝室もでかい!!! ホテルに着いたのは12時過ぎで寝るだけなのに・・・ ベッドに横になってからもPIN #と戦っていたが、2時半ごろあきらめて就寝。 初めてのドバイ旅行のそれからは・・・

つづく

心待ちにしていた夜 ~ 初めて尽くしの一夜 ~

2009-09-24 06:50:11 | サウジ・生活
こんばんは。 久々の更新になってしまいました。 3週間ほどモルドバに里帰りし、1週間前にリヤドに戻ってきました。 今日は秋分の日ですが、リヤドはまだまだ日中は40度を超えています。 モルドバ時代のように、また1ヶ月ほどの時差がありますが、ぼちぼち更新していこうと思います。


8月5日

この日が来るのを本当に楽しみにしていた。 というのも、この日リヤドで一番高いビル、キングダムタワーの展望台に行く約束を学生たちとしていたからだ。 リヤドの街並みの写真を撮れないのが残念なのだが、普通の建物はだいたい2階建てか3階建てが多く、建物の色もだいたい砂のような色で、どちらかと言えば殺風景と言える。 夜になると、そんな街並みはネオンで照らされる。 なぜかわからないのだが、紫やピンクのネオンが多く、日本人からすると何だか妖しい雰囲気を感じる。 当然そんな"妖しい"店はここには存在していないはずなので、普通のお店なのだろうが。

キングダムタワーの1階2階はモールになっている。 前に一度ここに来たときは、洋服を着ている男の子(街中ではあまり見かけない)がたくさん歩いていて、驚いた。 少なくともリヤドではあまり見かけない景色である。 そこでも女性は当然のようにアバヤを着用しなければならない。 それはともかく、今日の目的は展望台。 学生とチケットを手にエレベーターに乗り込む。 残念ながらエレベーターから外を眺めることはできない。 さらに、エレベーターを乗り継ぎ、97、98、99・・・ 100階!!! ついに展望台に到着!!!

キングダムタワーは高さ311mで世界で45番目に高いビル。 展望台の高さは地上302m!!!

ここではみんな写真を撮っていたので、デジカメを出して、写真を撮ろうとすると、警備員がやってくる。

M: 「みんな撮ってるのに、どうしてだめなの?」

学生が警備員に通訳してくれる。

学生: 「携帯電話のカメラなら大丈夫ですが、デジカメはだめだそうです。」

意味不明・・・ アジア人はあまりいい扱いをされない国なので・・・ と、仕方なく携帯のカメラで写真を撮ろうとすると・・・

「先生、大丈夫です。 私たちがいますから!」

と言って、学生たちがまわりを囲み死角を作ってくれた。(笑)



~ A Wonderful Night in Riyadh ~

これがリヤドの夜景!!! なかなか街の写真を公開できなかったが、ついに公開!!! リヤドは何もなかった砂漠の上に街を築いているため、とにかくまっすぐな道が続く。 夜景を見てもわかるように、碁盤目状に街が形成されている。 ともかく、リヤドに来て見た景色の中で一番美しく、本当に感動した。 うれしくて、結構長い時間展望台で過ごした。 学生が「あそこに大学があります。」、「先生のコンパウンドはあっちのほうです。」と、きらきら輝くリヤドの街を説明してくれた。 途中から学生と一緒に記念撮影をしていたのだが、もう警備員はやってこなかった。 写真のほぼ中央に見えるタワーがリヤドで2番目に高いファイサリヤタワー。 このビルは高さ280mを誇る。

感動に浸った後は、学生と世界旅行気分!

まずはパリ♪



ちなみにこっちは本物!



次はイタリアのピサの斜塔♪ ここには本当に行ってみたい!!!



さらにロンドンに♪



子供たちとともに写真の順番待ちをする三十路前の日本人・・・(汗) 1人ではしゃぐ三十路前と落ち着いた学生たち・・・(笑) でも、楽しかった。

この後、何とさっき見えていたファイサリヤタワーの展望台にも連れて行ってくれた。 ここの展望台は吹き抜けになっていて、生暖かい強風が吹き荒れていた。 ここからは先ほど登って感動したキングダムタワーを望むことができる。



~ Colorful at Night ~

キングダムタワーから見たのはリヤドの南の方だったが、この景色はリヤドの北の方。 真ん中に見えるのがキングダムタワーだ。 学生とキングダムタワーに行ったという話をした後、以前リヤドで働いていた先生から「キングダムタワーは何かに似てるけど、何に似てるでしょう?」というメールをもらった。 確かに奇妙な形のビル・・・ 何かに似ているとは思いながらも、そこまで一生懸命考えたことはなかった・・・

みなさんはあのビルを見て、何に似ていると思いますか???












その答えは・・・ 皮むき器(ピーラー)!!! そう思うと、もうそれにしか見えない!!! この写真からはわかりにくいのだが、V字になっている部分は空洞になっていて、皮むき器でいう刃の部分が展望台になっている。 こう言ってからでは遅いかもしれないが、なかなかおしゃれな形をしているビルである。 ちなみに、このファイサリヤタワーもビルのかなり上のほうに金色の玉がのっているようなちょっと変わったビル。 その金色の玉の中は展望台レストランだとか。 とても高級らしいこのレストラン、ここにいる間にいつか行く機会があればいいのだが・・・



~ The World in Triangles ~



リヤド夜景ツアーの後は、学生たちとトルコ料理のレストランへ・・・



この鶏肉の煮込み料理はおいしかった・・・ この石焼鍋を見て、ビビンバが食べたいと言っている学生も・・・ 確かに食べたい・・・ このレストランは値段も手ごろでおいしく、とても人気があるそうだ。 この日も満員で座るまでに少し待たなければならなかったが、どの料理も本当においしかった。



食後はみんなでカフェへ。 これこそサウジ男児のライフスタイル。 ここに来るまでは、国のイメージと同様に内向的な人が多いかと思っていたのだが、みんな本当によくしゃべる!!! 一人の学生が実家の写真を見せてくれて、本当におもしろかった。 リヤドとはまったく違った景色で、空がもっと青く、自然の緑もあった。 リヤドの木々はスプリンクラーで生かされているだけなので・・・ なんと雹が降ったときの写真もあり、あの砂漠の地が白く染まっていてとても不思議な感じだった。 聞いてみると、ほとんどの学生がリヤド出身ではなく、大学のためにリヤドに来たとのことだった。 機会があれば、ぜひ他の町にも行ってみたいと思った。

この日は生まれて初めてのリヤドの夜景に感動し、生まれて初めてのトルコ料理を楽しみ、このカフェでも生まれて初めての味を体験。



コーヒーコーラ!!! 食べたことがないもの、飲んだことがないものは、とりあえず、試してみたい!!! 意外においしかった♪ ちょっと甘かったので、できれば"ダイエット"コーヒーコーラを作ってほしい。(笑)

楽しいトークに終止符を打ち、カフェを出たのは夜中の1時半近く・・・ にもかかわらず、学生たちで眠そうな人は誰一人としていない! 帰りの車の中で、何時に寝るのか聞いてみると、みんな5時半や6時に寝ると言っていた・・・ 道理で! 「頼むから、夏休み中だけにしてね・・・」と心の中で叫びながら、楽しい夜は過ぎていった。

サウジアラビア食紀行 ~ 初めての・・・ ~

2009-08-25 05:59:48 | サウジ・生活
みなさん、こんばんは。 実は、夏休みを利用して、今はモルドバに里帰りしています。 リヤドにいたので、キシナウの緑の多さがよりありがたく思えます。 久しぶりにエアコン以外から涼しい風が吹いてきたことにも少し感動できます。 アバヤを着ていない女の人に少し違和感を覚えます。(ここに来て2日でこれには慣れましたが・・・)

この地からリヤドの記事を更新することがあろうとは夢にも思っていませんでしたが・・・ ちなみに、今サウジアラビアはラマダーンです。


↓↓↓ ここからが記事です! ↓↓↓


7月27日の夜、エジプト人の友達と一緒にご飯を食べに行った。 この友達と出会ったのはリヤドに来てすぐのころの病院・・・ 健康診断を受けに行った病院の待合室で突然「すみません・・・」と日本語で声をかけられ・・・ 「えーっ?!」 10年ほど前にエジプトで日本語を勉強していたらしく、一緒に来ていた指導助手と話しているのを聞いて、日本人だとわかったらしい。 サウジアラビアに来て11年目の英語の先生で、そのときにメールアドレスを交換してから、ときどきやりとりをしていて、この日に至った。 何を食べたいか聞かれたので、まだ食べたことのなかったサウジアラビアの代表的な料理「カブサ」を食べに行った。 どんなものかもよくわからなかったので、入口のところで全部注文してもらい、席につく・・・ のかと思ったら、まず「手を洗いに行きましょう。」と言って、一緒に手を洗う。 入口からそこまでのところに席があったのだが、何と外に出る。 「えっ、外で食べるの?!」と心の中で叫んでいたが、外にはテントが個室のように並んでいる。(写真を撮り忘れたのが不覚・・・) そこは噴水もある庭のようになっていて、その噴水の周りにテントが並んでいる。 テントの中はカーペットが一面に敷いてあり、靴を脱いで入る。 そこにあるのはエアコンとひじ置きのようなもののみで、机も何もない。 ヨーロッパの人から見ると、日本人が座布団に座り、ちゃぶ台でご飯を食べるのが不思議な光景に見えるように、カーペットが敷いてあるだけのこの部屋でご飯を食べるというのは、とても不思議な感じだった。 しばらくそこで雑談をしながら、くつろいでいると、ついに料理がやってきた!!!



カブサ: 左の大皿。 見ての通り、とにかく豪快! 炊いた細長いお米の上にどさっとのっているのはラム。 レーズンなどもいっしょに炊いてあった。

ジャレーシュ: 右のカレーライスのおかゆみたいに見える皿の白い部分。 タマネギや小麦を長時間煮て作るらしい。

クルサン: 茶色い部分。 こちらも小麦が主原料。

これが2セット来たということは・・・ 「えーっ、これが一人前?!」と思った。 と言っても、料理だけだと想像がつきにくいと思うので・・・



カブサの皿は何とこの大きさ・・・ 背景になっているのが先ほど説明したテントの様子。

カブサにはプラスチックのフォークがついてきたので、最初はフォークで食べていたのだが、この豪快なラムにはプラスチックのフォークでは歯が立たず、現地流の食べ方、つまり、手で食べた。 エジプト人の友達は手で食べても嫌な気はしないかということをちゃんと最初に聞いてから、手で食べていた。 お寿司などはもちろん手で食べたことはあるが、このような料理を手で食べたのは生まれて初めて。 外国人が最初うまく箸を使えないように、手で米を食べるのって結構難しい。 基本的に食べるときは右手しか使うべきではないということも教えてもらった。 誰かと会って握手をするときや配布物などを手渡すときも左手を使うのは失礼に当たるということだ。 日本でも昔は箸や鉛筆を右手に矯正されていたものだが、そもそもどうして右手なんだろうと疑問に思った。 それはともかく、そういう礼儀作法にこだわる部分は日本の文化に似ているのかもしれないと思った。

以前ここで働いてた先生にサウジアラビアの料理はどんな感じか聞いたときに返ってきた答えは・・・

「肉なら肉! ご飯ならご飯!」って感じだよ。

それはまさにカブサ!(笑) 普段そんなに肉を食べるほうではないので、久々にこんな大きな肉片を食べた気がする。 ジャレーシュやクルサンは味も薄く結構さっぱりしていた。 豪快だが、おいしく、肉好きの人ならカブサはたまらない料理だと思うのだが、さすがにこの量を平らげることはできなかった。 基本的にここの料理は食べられないぐらいの量が出てきて、みんな食べられなかったら残すのが当たり前。 こういう部分では日本とはかなり感覚が違うと言えるだろう。

最後に友達と記念撮影。



帰りの車の中で聞いたのだが、サウジアラビアに来た当初は70Kgしかなかったらしい・・・ これもカブサの力?!?!

実は、デザートも薦めてくれたのだが、到底お腹にそんな余裕もなく、お持ち帰り。 しかし、帰ってからも、カブサで満たされた胃袋がさらに食べ物を欲しがることもなく、次の日の朝食になった。



クナーファという焼き菓子で、表面はサクサクのナッツ、中にはチーズクリームが入っていて、すごくおいしい! 熱々で食べるとおいしいとのことだったが、次の日の朝もまだサクサクしていておいしかった。 おそらくカブサよりもこちらのほうが日本人には受けがいいかもしれない・・・ どこかでアラブ料理を口にする機会があれば、ぜひカブサ、ジャレーシュ、クルサン、クナーファをお試しあれ。

日本とサウジアラビアをつなぐ ~ Japan Day ~

2009-08-08 02:02:55 | サウジ・生活
7月11日の夜、リヤド文化クラブと日本大使館の共催による”Japan Day”というイベントが開催された。 学生たちに誘われ、少し遅れながらも会場に到着した。 到着したとき、会場では日本を紹介するビデオが紹介されていた。 しばらくして休憩になると、多くの人が会場から出てきて驚いた。 もちろんうれしい驚き。 ここサウジアラビアという国で日本に興味を持っている人がこんなにいるんだと思った。


休憩中の様子


いろいろな人が笑顔で声をかけてくれて、何だか温かい気持ちになった。

休憩後はリヤド文学クラブの会長であるサアド・アルバーゼイー氏の講演が始まった。 このイベントはサウジアラビアの人のためなので、講演はすべてアラビア語で行われ、残念ながら聞き取れたのは「ヤバーン」(日本)と「ヤバーニー」(日本人)のみだったが、聴衆のみなさんは会長の話を一生懸命聞いていた。




サアド・アルバーゼイー会長


次に講演を行ったのは日本での留学経験も持つワリード・アルバフカリ氏。 ときどき笑いもこぼれていたが、そこも残念ながら聞き取れず・・・ アラビア語がわかったら、きっともっと楽しめただろうに・・・ しかしながら、こんなにも多くのサウジの方々が日本や日本文化に興味があるということを知れて、本当にうれしかった。


ワリード・アルバフカリ氏


このイベントでがんばっていたのが「桜マムラカ」。 「桜マムラカ」というのは、サウジアラビアで唯一日本語教育が行われているキングサウード大学・日本語専攻の卒業生が中心となり、サウジアラビアと日本の人々の交流を深めることを目的に作られた団体。 ”Mamlakh”というのはアラビア語で「王国」を意味する。 お二方の講演の後、桜マムラカのパフォーマンスが行われた。 少し奇抜な始まりかただったが、会場からは笑いがもれていた。


団体の紹介をしている様子


キングサウード大学卒業生で、桜マムラカの代表のマーヘルさん


桜マムラカのメンバー


このパフォーマンスだけでなく、講演と講演の間の休憩中も、桜マムラカのメンバーは会場に来た人々の名前をカタカナで書くのに大忙し! 初めてアメリカに行ったとき、現地の小学校でボランティアをする機会があったのだが、子供たちの名前をカタカナで書いてあげただけで、みんなその紙切れをまるで宝物のように大事に持って帰っていったのを今でも鮮明に覚えている。 初めて自分の名前をアラビア語で書けたときも、結構感動した。 まったく自分が解さない文字で書かれたものであっても、やはりそれは自分の名前。 まったく解さない文字だからこそ、さらに特別なものになる。 自分の名前がカタカナで書かれた紙をみんな大事そうに持っていた。 その裏で、桜マムラカのメンバーは束になったアラビア語の名前の紙を手元に置いて、人々に笑顔を運ぶためにがんばっていた。

こういう小さなきっかけがきっと日本への興味をさらに深めていくのだろうと思う。 現在日本語教育はキングサウード大学でしか行われていないのだが、このようなイベントを通してサウジアラビアのより多くの人たちが日本のことをさらに知り、より身近に感じてくれたらうれしい。 これからもこのようなイベントが開催されたら、ぜひ参加したいと思った。


桜マムラカのメンバーと記念撮影





在サウジアラビア日本国大使館にも記事が掲載されています。
http://www.ksa.emb-japan.go.jp/j/highlight/index.htm


桜マムラカのホームページ
http://www.sakura-almamlakh.com/

モルドバ議会再選挙の結果 ~ これからのモルドバの行方 ~

2009-08-01 05:23:15 | モルドバ・生活
今年4月の議会選では選挙に不正があったとして混乱が起こったモルドバ。 議会選後、大統領を選出するための投票が行われたが、共産党は必要獲得票数に1票届かず、憲法規定に従って、7月29日に再選挙が実施された。 この時期、多くの若者(反共産党の考えを持つ人が多いと言われている)はWork&Travelというプログラム(日本でいうワーキング・ホリデーのようなもの)を通してアメリカに行っており、バカンスを利用して国外に出ている人も多い。 なお、投票は平日に行われ、モルドバ国内では会社等は選挙のため休みになったが、国外で働くモルドバ人(多くは反共産党と言われている)にとっては投票に行きにくく、意図的にこのような日程が設定されたのではないかとも言われている。

開票結果は以下の通り。(7月31日 午前9時 開票率: 99.9% 投票率: 58.8%)



[ 共産党 ] = Party of Communists of the Republic of Moldova
得票数: 706,688 | 得票率: 44.75% | 獲得議席: 48

[ 自民党 ] = Liberal Democratic Party of Moldova
得票数: 261,384 | 得票率: 16.55% | 獲得議席: 18

[ 自由党 ] = Liberal Party
得票数: 230,862 | 得票数: 14.62% | 獲得議席: 15

[ 民主党 ] = Democratic Party of Moldova
得票数: 198,153 | 得票数: 12.55% | 獲得議席: 13

[ 連合モルドバ ] = “Moldova Noastra (Our Moldova)” Alliance
得票数: 116,110 | 得票率: 7.35% | 獲得議席: 7

今回の選挙において欧州安全保障協力機構/民主制度・人権事務所(OSCE/ODIHR)国際選挙監視ミッションに基づいて日本を含め各国から200名程度の選挙監視要員が派遣された。 国際選挙監視要員は「今回の選挙において一般的なマナーが守られ、公正に行われた。」と発表した。 また、7月30日のニュース・カンファレンスでは、29日の選挙自体は大きな問題もなく行われたのだが、有権者名簿に関する不正が多数発見されたこと、 また、多くの投票所で集計に手間取ったこと等が発表された。 これに関して、モルドバが有権者の電子登録を導入しないことに懸念が示された。 不法行為は特に選挙キャンペーン中に多数行われ、国営放送のMoldova 1を含む3つの放送局の報道のあり方も問われた。

ともかく、今回の選挙では親欧米の野党4党が議会の過半数の53議席を獲得した。 共産党が第1党を維持するものの、野党4党はそれに対して連立を組む方針をすでに明らかにしている。



前回の選挙結果に比べ、共産党が大幅に議席を減らしたことがわかる。 大統領の連続3選を禁止していることから、ヴォローニン大統領は退任する。 モルドバの議会では大統領の選出には61議員の賛成が必要なため、大統領選出には48議席を獲得した共産党の影響は依然として大きいと言える。

これからの動きにも注目していきたい。



[ 追記 ] 7月31日 午後11時

現地の新聞やニュースより…

有権者名簿に問題があったと上にも書いたが、その具体的な例としてこんなことがあったそうだ。 ある女性が投票に行って、有権者名簿の自分の名前のところにサインしようとすると、何と10年以上前に他界したはずの旦那さんの名前がそこにはあり、何と投票したというサインまでされていたらしい。

また、不正が行われた可能性がある事例としては、ある投票所の人間が投票中に投票用紙を何枚も持ち去り、戻ってこなかったこと、神経に障害のある患者が頼んでもいないのに看護婦が投票に同伴したこと、また前回の選挙と同様に二重IDを持っている人間がいたということなどが挙げられている。

これは、これからの大統領選出に大きく関わりがありそうな話題なのだが、野党の一つ民主党の党首であるマリアン・ルプ(Marian Lupu)はもともと共産党の一員だった。 しかし、マスコミの報道によると、前回の大統領候補選出の際、共産党は彼を候補に選ばず、別の女性を候補に挙げたとのこと。 本人はインタビューでそれが離党の原因ではないと説明していたらしいが… それはともかく・・・ 民主党の前党首は何と民主党に移ったばかりのマリアン・ルプに党首の座を譲ったのだ。 この理由としては、マリアン・ルプは奇才であることが広く知られており、民主党人気を高めるためではないかと言われている。

選挙後にヴォローニンは「民主党の前党首はすばらしい働きをしている。 彼は何をすべきかわかっている。 あなたがたもそれを最後に知ることになるだろう。」という意味深な発言をしている。 共産党の獲得議席は48、民主党の獲得議席は13、つまり、もし万一共産党と民主党が同じ方向に進むとしたら、何とその数は61になりうる。 大統領選出に必要な賛成票の数はこの61なのだ。

インタビューで、ヴォローニンが「マリアン・ルプは民主党と結婚した。」と皮肉ると、これに対し、マリアン・ルプは「この結婚で私はついに一家の主になったのだ。」と返した。

果たしてこの先どうなっていくのか・・・ 野党の連立とともに民主党の動きが気になるところだ。

テロの問題と自分 ~ 学生からのメールより ~

2009-07-22 00:25:21 | サウジ・生活
こんにちは。 明日はついに今世紀最大の皆既日食ですね。 日本は全国的に天気があまりすっきりしないとのことですが、沖縄の天気は大丈夫そうですね。 いろいろ調べてみたのですが、ここリヤドでは日の出前になってしまい、残念ながら皆既日食は観測できそうにありません。

さて、今回はサウジアラビアの記事ではありませんが、モルドバで人類学を勉強している学生からもらったメールがイスラムのことと関わりがあったので、ここにも載せようと思いました。 その学生曰く、これは夏休みの宿題でできるだけ多くの日本人の友達に協力してほしいとのことだったので、よろしければ、みなさんもアンケートにご協力願います。

http://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dFo4WElCV3hGYXc1ZGc1c1Nqcnk4TWc6MA

日本で普通に生活していると、テロと言われても外国のニュースのような気がしてしまう人も多いと思います。 私は2001年の7月半ばまでアメリカに留学していました。 帰ってきて、2ヶ月もしないうちに同時テロが発生し、本当にショックでした。 2001年はニューヨークのタイムズ・スクエアで新年を迎え、貿易センタービルの下からも写真を撮りました。 3月にはペンタゴンにも行きました。 ついこの前自分が訪れた場所が数ヵ月後にあのような状態になるというのは本当に信じられないことでした。 貿易センタービルのニュースを初めて見たときは、正直あれが現実の映像だとはとても思えませんでした。 もちろんあのような行動を肯定することは到底できません。 ただ、人間をあそこまでにさせる気持ちは相手がいなければ生まれてこないとも思います。

私は留学中にイスラム教徒の友達に初めて会いました。 彼は韓国系のカザフスタン人で見た目は自分たちと全然変わりませんでした。 「イスラムと聞くと、まるで何か悪いもののように言う人がいるけど、イスラム教が悪いわけじゃない!」と、彼は言っていました。 正直なところ、私もそういうイメージを持っていた一人だったような気もします。 どんなことも見方によってはいろいろな側面があるにもかかわらず、私たちは自分の知っている側面から見た姿をすべてだと思いがちです。 たとえよく知らなくとも、ちょっと何かで聞いたことをまるですべてであるかのように思いがちです。 しかし、本当にそれでいいのでしょうか。 今日ではインターネットの普及により、簡単にいろいろな情報が手に入るようになりましたが、誰もが情報発信できるのも事実であり、その真偽の見極め、その情報の受け取り方はすべてその人次第なのです。 そうやって考えると、何が真の姿なのか見極めるのは大変難しい気がします。

私は外国を旅行するのも好きですが、それ以上に外国に住んでみたいと思います。 旅行をしているときも、できるだけ現地の人と関わろうとするのですが、なかなかそういう時間を持つことはできません。 その国に住んでいると、まず現地のいろいろな人と関わるチャンスが生まれてきます。 実際に人と接すると、それまで日本からは見えなかったものがいろいろと見えてきます。 反日運動が中国で盛んだったときも思いました。 どんなに仲良くしている中国人と日本人がいても、それがニュースで取り上げられることはめったにないのだと… モルドバで学生たちと学校生活について話し合ったとき、モルドバ人でも日本人でも考えていることは全然変わらないんだなと思いました。 もちろん、生活の中でいい部分だけではなく、悪い部分にも遭遇します。 中国でも、モルドバでも日本では考えられないような不正が横行しているのを知って愕然としました。 ただ、そういうことが行われている場所でも、その不正と戦っている人々もいるということを同時に知りました。 自分がもし中国で生まれていたら、モルドバで生まれていたら、そんなふうに生きてこられただろうかと思いました。 住んでいたといっても、私の場合はたった2年間です。 もっと長くいたら、きっとより多くのことが見えてくるんだろうと思いますが…

今回初めてイスラム社会にやってきました。 まだまだ知らないことばかりで、毎日発見の連続です。 ここに来る前に「6月からサウジアラビアに行くことになりました。」と言ったとき、ほとんどの人に「治安は大丈夫なの?!」と聞かれました。 「アラブ諸国=治安が悪い」というようなイメージもきっと911以降いやそれ以前からマスコミによって作り上げられたきたものなんだと思います。 もちろん近隣諸国では戦争によって多くの命が奪われてきたという悲しい事実もありますが、サウジアラビアで戦争があったなんて話を聞いたことがありますか。 みなさんは「アジア諸国=○○」と完全に言い切ることができますか。

私は正直なところサウジアラビア赴任を自ら希望したわけではありませんでしたが、なかなかこのようなチャンスは得られないと思い、ここに来ることを決めました。 自分自身がサウジアラビアの人々と接することを通して、きっとたくさんの発見をしていくことと思います。 今まで持っていたイメージが大きく変わるだろうとも思います。 上にも書いたように、物事にはいろいろな側面があります。 できるだけいろいろな方向から見ようとはしていますが、私の見ている側面というのは、その一部にすぎないとも言えます。 ただ、たとえ一部であっても、自分一人の経験として消化してしまうのではなく、それを何らかの形でみなさんと共有することができたら、より意味のあるものになりうると思っています。

リヤドは交通事故は毎日のように見ますが、普通に生活していて犯罪に巻き込まれるようなことはめったにないと思います。 少なくともここで生活していて、イスラムとテロが簡単に結びつくとは思えないだろうと思います。 みなさまのご意見、ご感想を待っています!

サウジの人たちはいつも何を食べてるの? ~ 食文化に触れる ~

2009-07-15 20:05:23 | サウジ・生活
今まで行った青島はビールが有名で、モルドバはワインのおいしい国、いろいろな人からもったいないと言われ続けてきたが、ついにやってきたのはアルコールが禁止されているこの国サウジアラビア! ここではノンアルコールビールはスーパーなどに行けば売られているが、アルコール類を目にすることはない。 ちなみに、コカコーラやペプシなど世界のどこに行っても出会うことのできる飲料たちはリヤドの地にも大量に並んでいる。






当然、コカコーラもペプシ・マックスもアラビア語… 中国語の「可口可楽」や「百事可楽」を見たときも最初はおもしろかったが、実際アメリカ人からしたら、カタカナで書かれているCoca ColaやPepsiもさぞおもしろいことだろう。 「マクドナルド」という発音にはみんな大笑いだった。 リヤドの街でもよく目にするマックもアラビア語で書かれている。 前にも少し書いたが、とにかくファーストフードの店が乱立している。 マック、バーガーキング、KFC、ピザハット、また米国資本ではない似たようなお店もそこらじゅうにある。 また、ダンキンドーナツ、シナボン(シナモンロールのお店)、スタバ、31アイスクリームなども町中にある。 大型スーパーのフードコートに入っているのもどこに行っても上に書いてあるお店ばかりで、あまり選択肢がない気がしてならない。 肉中心で高カロリーのものが多い。

さて、飲み物のことについて少し話を戻すと… ここには「サウジ・シャンペン」と呼ばれている(アラビア語では「シャンペン」などというアルコールの名前はついていないそうだが…)ものがある。



ちなみに、サウジアラビアに来て初めて飲んだのがこれ… オレンジ、りんご、ミントの葉とソーダ水から作るサウジ・シャンペン。 果物とミントの味ですっきり爽やか♪ これはおいしい! これなら自分でも作れそうだが、もしアラビア系料理のお店に行く機会があって、メニューにあったらぜひ一度試してみてください。

ここサウジアラビアのお店やカフェテリア、たいていどんなところでも出てくるのが、これ…




ナンに似た薄焼きパン(全粒粉のものもある)とホンモス・ビッタヒーナというヒヨコ豆とオリーブオイルを混ぜて作られたペースト。 それとともにムタッバルと呼ばれるナスとゴマのペーストもよく出される。 このペーストを自分で薄焼きパンにつけて食べる。 シンプルな味だが結構おいしい。

この間、朝ごはんにと食べたのが…



シャクシューカと呼ばれるサンドイッチ。 サウジ人が朝ごはんによく食べるサンドイッチらしく、その日も食堂のような小さなお店がたくさんの人でにぎわっていた。 炒めたタマネギ、トマト、たまごをパンにはさんで、それをホットサンドにしたもの。 外側がちょっとパリッとしたパンの中からふわっとしたたまご… おいしい!

日本では想像していなかったのだが、スーパーにも日本と同じようにいろいろな種類の野菜や果物がところ狭しと並べられている。 やはり輸入物が多いが、サウジアラビア産の野菜もあって、ちょっと驚いた。 日本と違うのは豚肉がないことぐらいかな… 豚はアラビア社会では不浄なものとされているため。 代わりにと言ってはあれだが、日本ではあまり売られていないこんなものも…



日本にいるときにエジプト料理のお店でスパイスの効いたラクダ肉を食べて、エジプト人のアラビア語の先生に「ぼくはラクダの肉は食べたことないよ!」と言われ、「えーーーっ!」と思ったが、サウジの人はどうも結構食べるようだ。

サウジの伝統料理としてまず名前があがるのは「カプサ」という料理だと思うのだが、まだ口にしていないので、いつか食べる機会があれば、またここで紹介したい。

生活とお祈りの時間 ~ サウジ生活の必須アイテム ~

2009-07-04 09:04:24 | サウジ・生活
こちら梅雨のないサウジではいつも通り乾燥した毎日。 こちらに到着してほぼ2週間、外の暑さにもかなり慣れてきた。 とは言っても、用事がなければ、基本的に外に出ないのが一番… 建物の中はエアコンがガンガンに効いていてとても涼しく、ときどき寒いぐらいで、外に出ると50度近い暑さ。 車を外に1時間ほど置いておいたら、車の中もすさまじい暑さになっている。 エアコンから冷たい風が出てくるまでにも当然時間はかかり、冷たい風が出てきていても、ダッシュボードなど車の内部のいろいろな部分も高温になっているため、そこからの熱気もすごく、風が涼しく感じるまでにはかなりの時間を要する。 とにかく、この気温差だけで体力はかなり消耗するので、10時から3時ぐらいまでの間はできるだけ外にいる時間を減らし、体力の消耗を抑えることが必要だと感じた。 実際、サウジの人の動きが活発になるのも夜になってから… 夜のお祈りが終わった9時を過ぎてから、ショッピング・モールはにぎやかになってくる。

さて、それでは、今日はお祈りのお話。 イスラムの戒律が厳しく守られているサウジアラビアでは1日5回の礼拝(サラー、あるいは、サラート)を中心に1日が回っている。 礼拝は正式には1日6回あるが、義務の礼拝は1日5回。 礼拝にはそれぞれ名前があり、朝から順に、ファジュル、ズフル、アスル、マグリブ、イシャーと言う。 イスラム教徒でなければ、この礼拝を行う必要はないが、この礼拝の時間を知らずして、ここで生活をするのは難しい。

* 前回「お祈りの時間になると、モスクからアザンというアッラーに祈りを捧げるときの言葉が大音量で流され」と書いたが、正式にはどうも礼拝の時間がもうすぐ来るので、モスクに集まるように伝える呼びかけのようだ。 この呼びかけは何とも言いがたい独特の節回しで、場所によって違うらしい。

難しいというのは、前回も書いたように、お祈りの時間になるとスーパーであろうと、レストランであろうと、カフェであろうと閉められ、店内にいた場合、店の中から出られなくなるか、店を追い出されるかするからだ。 しかも、このお祈りの時間は毎日少しずつ変わっていく。 その時間を知るのに必要となってくるのが、これ…

アザン時計



大きな数字は今の時間。 そして、その横に連なる6つの時間がお祈りの時間である。 一番上の午前3:35のお祈りは義務ではないらしいのだが、その時間になると近くのモスクからはちゃんと大音量のアザンが聞こえてくる。 ファジュル 午前5:08、ズフル 午前11:57、アスル 午後3:18、マグリブ 午後6:46、イシャー 午後8:16。 これは7月3日の時間で、7月4日になると、ファジュル 午前5:09、ズフル 午前11:57、アスル 午後3:18、マグリブ 午後6:45、イシャー 午後8:15と若干時間が変わる。 今はセットされていないのだが、目覚まし時計のように毎回アザンが流れてくる。 ちなみに、このときの室温は30度となっているが、これを暑いと思わない体に2週間で進化してきたようだ…(笑)

日本人ならば、このマグリブとイシャーの間にだいたい買い物を済ませたいと思うだろう。 現地の人はイシャーの後に買い物やレストランに行く人が多いそうだ。 ということで、ここでは夜型の生活をしている人が多いと思われる。 昼間は暑くて外に出る気になれないので、それもまた理解できる気がするが…

ちなみに、今住んでいるようなコンパウンドと呼ばれる外国人居住区の中では特にそのような縛りはない。

サウジアラビアってどんなところ?! ~ 想像していたのとは… ~

2009-06-26 20:16:01 | サウジ・生活
= サウジアラビア王国 =
① 面積:215万平方キロメートル(日本の約5.7倍)
② 人口:2,400万人(内外国人614万人)
③ 在留邦人数:1,092人(2007年10月)

(①②(2009年6月現在)③ともに外務省の各国・地域情勢より)

ここにはヒジュラ暦という暦があり、預言者ムハンマドがメディナへ聖遷した西暦622年7月16日を元年としており、1年は西暦よりも11日短い354日。 ちなみに、今日2009年6月26日はヒジュラ暦では1430年7月3日。 週末は土曜日・日曜日ではなく、木曜日・金曜日。 毎日5回のお祈りの時間を中心に人々は生きている。 お祈りの時間になると、モスクからアザンというアッラーに祈りを捧げるときの言葉が大音量で流され、その時間になるとスーパーであろうと、レストランであろうと、カフェであろうと閉まる。 店内にいた場合、店の中から出られなくなるか、店を追い出される。

サウジアラビアのイメージと言えば、石油、砂漠、ラクダ… だったが、リヤドの中心部にはファイサリヤ・タワー、キングダム・タワーという超高層ビルがそびえ立ち、多くのブランド物のお店が立ち並ぶ。 市内のいろいろなところに大型ショッピング・モールがあり、その中にはカルフールなどのフランス系の大型スーパー、有名ブランドのお店などが入っている。 至るところにあるファーストフードの店にも驚かされる。 マック、KFC、ピザハット、ダンキン・ドーナツ、31アイスクリーム… スターバックスなどのカフェもたくさん見られる。 ただ、どんなお店でも基本的に注文する場所がついたてのようなもので「独身男性」と「ファミリー/女性」に分けられている。 フードコートやレストランでも「独身男性席」と「ファミリー席」に分けられていて、独身男性は肩身が狭い。

公共の場所で写真撮影が禁止されているサウジアラビア。 特に女性の写真を撮ることはご法度。 ということで、絵を描いてみた。



サウジ男性(イラスト:Maladet)
多くの人がトーブと呼ばれる白い民族衣装を着ていて、頭にはシュマーグと呼ばれる白か赤白のチェックのスカーフのようなものをかぶり、それをイガールと呼ばれる黒い輪で抑えている。 最近では洋服を着ている若者も増えてきたということだが、やはり公的な行事などでは必ず正装をするとのこと。 トーブ専門店があり、そこで自分の体型に合わせて作ってもらう。 履物はだいたいサンダルの人が多い。



サウジ女性(イラスト:Maladet)
女性は他人に肌や髪を見せてはいけないことになっているので、アバヤと呼ばれる黒いローブをまとっている。 これは外国人女性に対しても義務化されているため、公共の場所では女性であれば誰でもアバヤを着なければならない。 基本的に目の部分しか見えない。 目の部分もしっかり見えないようなレースのようなものを付けている女性も見られる。 アバヤの中は洋服を着ているとの話だが、この国にいる限りそれを目にすることは決してない。 小学生ぐらいまでの女の子は洋服を着ている。

リヤドは高速道路のようなまっすぐの道が東西南北に伸びており、多くの車でひしめき合う。 中心部は常に渋滞している。 国の保護もあるということだが、何とガソリン1リットルの値段が約15円! 日本では最近一時期に比べて15円高くなったとニュースになっていたのに…

何も建設されていない場所はやはり砂地で、町を一歩出ると砂漠が広がっているらしい。(まだ出たことがないので、よくわからない。) 街中にはラクダはいない。

さて、みなさんのイメージと実際のサウジアラビアは…?