003:つぼみ
行く人の頭上に高く銀色のつぼみのかたち明け方の月
005:サラダ
すれ違う心をそっとまぜ合わすサラダボウルの緑の濃淡
013:焦
焦燥を感じるほども若くなく過ぎ行く人の背中見送る
019:アラビア
水槽にアラビア文字を書き綴る巻貝たちのいつもの伝言
021:うたた寝
うたた寝の私の背中を這って行く亀には私が何に見えてる
061:じゃがいも
ソラニンで死んでしまえるはずもなくじゃがいもの芽を穿つ真夜中
077:櫛
櫛の目の土器を残した人たちが暮らした同じこの星に住む
083:キャベツ
ハムスターキャベツの葉っぱつかまえる薄桃色のけなげな前足
091:暖
暖かな庭先に咲くオキザリス桃色の花抱きとめる春
093:ナイフ
夕闇を銀のナイフで切り開くまだ誰も見ぬ朝が見たくて
行く人の頭上に高く銀色のつぼみのかたち明け方の月
005:サラダ
すれ違う心をそっとまぜ合わすサラダボウルの緑の濃淡
013:焦
焦燥を感じるほども若くなく過ぎ行く人の背中見送る
019:アラビア
水槽にアラビア文字を書き綴る巻貝たちのいつもの伝言
021:うたた寝
うたた寝の私の背中を這って行く亀には私が何に見えてる
061:じゃがいも
ソラニンで死んでしまえるはずもなくじゃがいもの芽を穿つ真夜中
077:櫛
櫛の目の土器を残した人たちが暮らした同じこの星に住む
083:キャベツ
ハムスターキャベツの葉っぱつかまえる薄桃色のけなげな前足
091:暖
暖かな庭先に咲くオキザリス桃色の花抱きとめる春
093:ナイフ
夕闇を銀のナイフで切り開くまだ誰も見ぬ朝が見たくて