004:淡
音のなき雷鳴る夜更け性愛の淡さもあああ春彼岸まで
010:線路
雨やみて線路と線路交叉せる地点より白く夏は立ちたり
016:たそがれ
菜の花もカンカン橋も夕闇に融けゆく君も僕もたそがれ
032:乾電池
乾電池の両極に指当つるとき水のからだの閃光したり
041:迷
月光に裸身隈なく輝らされて迷ひ少なき君をかなしむ
046:泥
後悔は泥酔の道のそちこちに落ちてゐてひとつ拾へば椿
048:袖
本日の運転は君 七分袖シャツより伸びる腕は夏へと
067:スーツ
桜花スーツケースに詰めるだけ詰めて一日(ひとひ)の労働とする
086:占
転生は無いものとして仰ぐときただ一色に占めらるる空
098:未来
カーテンに砂塵まみれの身を包む水より透き未来は無きか
音のなき雷鳴る夜更け性愛の淡さもあああ春彼岸まで
010:線路
雨やみて線路と線路交叉せる地点より白く夏は立ちたり
016:たそがれ
菜の花もカンカン橋も夕闇に融けゆく君も僕もたそがれ
032:乾電池
乾電池の両極に指当つるとき水のからだの閃光したり
041:迷
月光に裸身隈なく輝らされて迷ひ少なき君をかなしむ
046:泥
後悔は泥酔の道のそちこちに落ちてゐてひとつ拾へば椿
048:袖
本日の運転は君 七分袖シャツより伸びる腕は夏へと
067:スーツ
桜花スーツケースに詰めるだけ詰めて一日(ひとひ)の労働とする
086:占
転生は無いものとして仰ぐときただ一色に占めらるる空
098:未来
カーテンに砂塵まみれの身を包む水より透き未来は無きか