村内まごころ商法 & 剛毅の経営

昭和53年に出版された本と、ホームリビングに掲載された記事でたどる、村内道昌一代記

日々新たなり(6)

2006年12月19日 | Weblog
道昌は今、世の中が音を立てて大きく変わりつつあることを、肌身で感じている。その大変化に業界そのものが、村内ファニチャーアクセスが、そして社員、幹部が真に対応していけるかどうか、危機感をヒシヒシと感じている。

家電量販店、とくにソフト商品販売に力を入れる家電店には、若い人がそれこそ群がっている。それに比較して家具専門店はどうか。生活者のニーズをしっかりつかんだ製品開発、そして魅力のある売り場づくりなど、生販を通じた改革が行われない限り、生活者のフトコロにあるおカネは、他業種・他業態に吸引されていくばかりだ。

昨年、道昌は機会あって白井産業の工場を訪れた。機械がうなりをあげる中で、他の工場のようにマスクをつけている作業員は一人としていない。吸塵装置が完璧で、その必要がないからだ。

事務所でも、工場内でも社員一人一人がキチンと来客に挨拶することにも驚かされたが、何より驚いたのは白井社長自身が来客を案内しつつ、それこそ小さなチリを自らの手で拾い歩く姿だ。

おそろいの赤いブレザーをバリッと着こんだ社員、誰れ彼なしに明るい挨拶をかわす社員、およそ家具工場とは思えない清潔感あふれる工場内--そんな白井産業に、道昌は改めて経営の原点を考えさせられるとともに、時代の大変革を目の前に見る思いであった。

白井産業の製品がより多くの生活者に求められているからこそ、白井産業は伸び続けている。道昌は帰社後、即座に同社の製品をトータルに展開するよう社内に指示を出した。