麻酔のマスクを口に当てられた後、意識が回復したのが術後の処置室。自分で目を覚ましたのではなく、看護師さんに、終わりましたよと声をかけられ目が覚めました。私の隣には2人の患者さん。まだ、眠っているようでした。ゆっくりと自分の状況を確認すると、左の手の甲に点滴がついていて(これは手術前につけた物)右脇からはドレーンが出ていて、心電図を取るのか手、足にパッチがついているようでした。全く痛みを感じなくて、ボーっとしていました。しばらくすると、看護師さんがもうそろそろ部屋へ帰りましょうというので時計を見ると11時45分。約二時間で両胸の手術を終え、思っていたよりも早く、びっくり。もっと大変で、痛くてと想像していただけに、いい意味での拍子抜け。これから手術を受ける方に言いたいことは、想像よりもはるかに楽です。心配ないです。そしてベットから車いすに乗り移り、あっという間に病室へ到着。隣の患者さんと家族が団らんしていましたが、看護師さんが私を一人になるようしてくれ、ベットの高さなど調節してくれたあとしばらく一人に。このとき、手術の緊張の糸が解けたのか泣いてしまいました。痛いとかじゃなく、ホッとして。とにかく眠くて夫が帰ってくるまで熟睡。20分ぐらいしてから看護師さんが血圧や点滴の袋を他のに変えたりしてくれました。まだ、水分補給もダメらしく、のどがカラカラだけど飲まずに口を潤す程度。この日パリは35度の真夏日。体温も測ってもらいましたが39度でした。夫は暑い暑いを連呼してましたが、体温が高い私はそんな風には感じなかったし、とにかく眠くてウトウトしてました。夫がそろそろ帰ろうとしていると、お隣さんが手術室から帰ってきました。彼女は旦那さんとお姉さんと会うと号泣。私は号泣はしなかったけど、彼女もホッとしたのだろうなぁと思いながら連帯感を感じずにはいられませんでした。