昨日、友人が誘ってくれて行ってきました。
男性オペラ歌手5人組のユニット、IL DEVU (イル・デーヴ) さんのコンサートです。
IL DEVO というミュージカルやポップスナンバーをカバーするイギリスのグループがありますが、その名前にリスペクトを示しつつもじった
IL DEVU つまり太メングループ、という意味だそうです。
2011年、震災後の2,3か月、いろいろな舞台が余震や自粛ムードでキャンセルされていた時に、
ご自分たちの舞台もなくなってしまう中、音楽でチャリティ活動がしたい、ということで、オペラ歌手のご友人同士で結成したのが IL DEVU だったそうです。
本物のプロのソリストやオペラ歌手、それもまさに活躍中の第一級の音楽家の皆さんたちによるアンサンブル。
こんな贅沢なことがあるでしょうか。
昨日は第一生命ホールで「仕事帰りにちょこっと聞いて帰る」という趣旨の6時半から1時間の短いコンサートでした。
晴海トリトン、初めて行きましたが、すごいですね~。あんなところができていたなんて知りませんでした。
おのぼりさんのようにきょろきょろ上を向いてあるいちゃいましたよ。
演奏会のあった第一生命ホールは、たぶん700人くらい入るのでしょうか。とても雰囲気のよい、木のぬくもりの感じられる、響きのよいホールです。
そういうところで歌の専門家が本格的にきちんと歌を歌うというのは、やはり実に聴きごたえあります。
昨日の演目は、音大声楽科では必ず歌うという、
カッチーニ「アマリッリ、私の美しい人」
ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」
シューベルト「シルヴィアに」
といった曲からはじまりました。どれもとても心地よく耳に響く曲で、本当にソリストとしても実力派の皆さんたちがアンサンブルに徹した時の声のすばらしさというのはたとえようがありません。
そのあとは
イングランド民謡「グリーン・スリーヴズ」
アイルランド民謡(チルコット編)「ダニー・ボーイ」 (ああこれは泣けた。。)
岡野貞一(チルコット編)「朧月夜」
といった、よく知られている民謡です。
これらもとても美しく、いつまでもいつまでも聞いていたい、、、という気持ちに浸っていました。
そのあとはピアニストの河原さんによるピアノソロで
モリコーネ「ニューシネマ・パラダイス」
ピアノもとても素晴らしくて、絶対河原さんのリサイタルに行きたい!と思ったほど。
優しく軽いタッチの、でも心にしみわたる美しいピアノでした。
日本のポップスのアレンジも。
井上陽水「少年時代」
これはムスメ曰く、すでに音楽のテキストにも出てくるような名曲になっているようです
さらに
見岳章「川の流れのように」(美空ひばりさんの歌ね)
モリコーネ「ネッラ・ファンタジア」
フランソワ&ルヴォ―「マイ・ウェイ」
歌い上げていくこれらの曲は本当に感動的でした。
もう1曲歌い終わるごとにため息が出るくらい、本当に素晴らしい歌声を堪能することができました。
アンコールは
ロイド=ウェーバー「ピエ・イエズ」(レクイエムの中の1曲で、震災後のチャリティコンサートで歌われたそうです)
ファラジーニ「パセラ」
の2曲。1時間の演奏会なのに、2曲もアンコールしてくれたんですよ?
あ~、音楽の知識も表現力にも乏しくて、IL DEVUのすばらしさを表現できませんが、
「一流の本物の音楽」の良さと、彼らのアンサンブルの美しさに、とにかく心が洗われ、癒された夕べでした。
いつまでも何度でも聞いていたい・・・そんな音楽です。
私は普段ミュージカルを見に行くことが多いのですが、ミュージカルも楽しくてよいのですが、
この日は「本物の音楽をもっと聴きに行こう」と真剣に思いました。
特にオペラ。私は生でオペラを見たことがまだないのですが、イル・デーヴの皆さんの歌を聴いて、ミュージカルじゃなくてオペラを聞きに行きたい!と思いましたよ。
しかも。歌だけではない。ピアノの河原忠之さんも素晴らしかった。
とても心地よい、癒されるピアノなのです。そして、出しゃばらない。
合唱団の伴奏のピアノを聴いていると、伴奏なのにピアノの存在感を大きくアピールするピアニストが時々います。私がアカペラの合唱が好きなのは、ピアノ伴奏がうるさく思える合唱があるからなんです。
でも河原さんのピアノはちがう。本当に伴奏に徹していて歌のすばらしさを上手に引き出している。でもピアノそのものも非常に素晴らしい。歌もよかったけれどピアノも同じくらい素晴らしかったです。
すっかり IL DEVU のファンになってしまったワタシ。
演奏会場で販売されていたCDを購入し、サイン会でサインをしていただいてきました

またすぐにでも行きたい
って、すっごく思いましたが、
何とリーダーで国立音大の先生の山下浩司さんが、もう間もなくニューヨークに1年間留学されるとのこと。
IL DEVU としての活動は1年間休止だそうです。。。
なんだ。。。つまらない。。。
と思いましたが、もうすでに来年4月5月の演奏会のスケジュールがあるとのこと。
絶対行っちゃう
おすすめです。ぜひこの歌声を皆さんに聴いてほしい。