同時にフォークソングとして存在したカレッジフォークという物がある。イメージは、芝生の上で座り、ギターを弾きながら歌うノーネクタイワイシャツ姿の7-3頭の若者を数人の同年齢の男女が囲み、一緒に歌っている様子だ。歌の内容は反戦か悲恋である。実はこっちの方が本来のフォークの姿なのだが、この頃の日本はアメリカの戦争に関わるような金も力も無かったのでスタイルの格好良さだけが輸入されてしまったのではないかと、今は思う。ジョーン・バエズ、ボブ・ディラン、ピーター・ポール&マリーなどの影響を受けたのが森山良子とかフォーセインツなどであったと聞く。私が始めてギターを弾きながら歌ったのも確かPPMの「花は何処に行った」だと思う。
GSブームの後、フォークブームが来るのだが、音楽芸能業界の柱は演歌、和製ポップスを含む歌謡曲であり、一般の見方はGSもフォークも歌謡曲の枝葉だった。中学生の頃はフォークに関心を持つ事で流行を追っていた訳だが、主流としての流行歌は歌謡曲として存在していたのである。具体的な曲名は思い浮かばないが聴いていた筈なのである。フォークシンガーでは個人的に高田渡が好きだったが、売れてテレビに出たのは高石友也だった。「受験生ブルース」という時事ネタを歌にしたものだ。当時のフォークソングは反体制の歌として放送を禁止される事が多く、高石友也は色んな意味でギリギリだったと思う。