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カエサルの世界

今年(2019年)1月中旬から「休載中」ということになっているのだけど、まあ、ときどき更新しています。

8月に読んだ本

2012年09月03日 | ☆読書とか    

  北方謙三『楊令伝(13・14・15)』
 楊令伝、終わっちゃいましたね。4月に読書を再開して最初に読み始めたのが『楊令伝』だったわけですけど、この半年間の楽しみが終わっちゃったという感じです。
 最終巻(15)の残りページがだんだん少なくなっていって、岳飛が死ぬわけはないし、はたしてどういう結末が待ち構えているんだと思っていたんだけど、なるほど、そういう終わり方だったという感じです。さすがですね。
 『岳飛伝』が完結して、文庫化されて、文庫版が完結するまで、まあ、あと5年ですかね。


 高村薫『神の火(上・下)』
 日本の原発政策がどうなるのかわからないという時期ということもあって読んでみたわけですけど、なかなか難しいね。登場人物たちの立場とかがわかりにくいいんですよ。いろんな事情があるということは読み進めていくうちに少しずつわかってくるのだけど、それぞれの人の気持ちについては最後の最後までよくわからなかったという気がします。


 桐生夏生『東京島』
 無人島に漂流した人々の物語というのは、ストレートに面白いですね。いわゆる「常識」みたいなものは通用しないんだけど、そこで通用することになる「ルール」みたいなものについては十分に理解することができます。
 これは、続編が読みたいですね。ぜひ書いて欲しいです。


 今野敏『隠蔽捜査3 疑心』
 隠蔽捜査シリーズについては、「1は面白い、2はもっと面白い、でも3はちょっと・・・」という話を聞いていたのですよ。複数の情報筋から同じような話を聞いていたので期待していなかったのだけど、カエサルとしては面白かったです。
 どういうもんを面白いと思って、どういうもんを面白いと思わないかは人それぞれで違うわけで、そういうところまで他人と共有する必要なんてないわけです。そういうことを確認したという感じですね。


 京極夏彦『ルー・ガルー2 インクブス×スクブス』
 京極さんの近未来小説、正直なところ、褒められたものではないと思います。
 ファンタジーなどを読んでいて時々感じることなんだけど、「ルール」がわからないことがあるんですよ。カエサルは「ルールのわからないスポーツのゲームを観ているような感じ」なんて言ってるんですけどね。

 ・・・と、まあ、9冊の本を読んだわけですけど、「感想文」を書くとしたら、『東京島』がオススメかな。
 1冊だけで完結してるし、長編小説というよりも連作短編集に近い感じなので、感想文は書きやすいと思います。間違っても、感想文を書くために楊令伝とかを読んではいけません(笑)
 それに、物語の舞台の設定がストレートですね。無人島に中年の夫婦が漂着、その後、若い男性の集団が漂着、その後・・・ということです。そこで、その人たちがどういう行動をとるか・・・なんて、わかりやすいじゃないですか。「私だったらどうするか」みたいな、感想文の定番みたいなこと、書きやすいじゃないですか。
 もっとも、大人の人の話だからね。中学生や高校生には理解しにくいところがあるかもしれません。そうした意味では、ゴールディングの『蠅の王』の方がいいかな。


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