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艦船、つれづれ雑記帖

艦船模型好きの筆者が、つれづれなるままにつづる考証とか批評とか

モデルアート「帝国海軍補助艦艇総ざらい」の感想

2015年05月26日 | その他
いささか遅くなってしまいましたが、このたび、モデルアート社から「帝国海軍補助艦艇総ざらい」という本が発刊されました。
今まで戦艦や空母などを取り上げてきた「総ざらいシリーズ」の一角ですが、艦船模型でも最もマイナーな部類の補助艦艇に特化したこのような本が出るとは、感慨を禁じ得ませんね。今までのモデルアート本誌に掲載された補助艦艇の作例をまとめたという感じですが、補助艦艇はまとまった資料自体が少ないため、素直にこのような本が出されることをうれしく思います。工作艦「明石」などすばらしい作例がいろいろ載っています。

ただ、私的には、2、3点の苦言を呈さないわけにはいきません。それは、せっかく取り上げられた敷設艦「常磐」や工作艦「朝日」について、図面や解説に大いに疑問があることです。

この2艦とも、本の中で掲載された艦形図は、かつて、モデルアート誌で掲載された衣島尚一氏の連載「連合艦隊編成講座」(最近、惜しくも連載終了となってしまいましたが……)の再録です。工作艦「朝日」については2000年9月号、敷設艦「常磐」は2006年5月号で取り上げられています。ただ、今回の本で再掲された図は、その掲載当時の図から、新考証とかを何ら反映することなく、かえって退化しているぐらいの解説が添えられている気がするのです。

「常磐」については、連合艦隊編成講座で取り上げられら数年後に、衣島氏自身が、モデルアート本誌の敷設艦特集でも取り上げています。その際の作例には、上甲板の機雷敷設軌条がきちんと前甲板まで設置されている状態で再現されていますが、今回の「総ざらい」の図では、敷設軌条は後甲板だけ。また、「総ざらい」の本では武装について最終時を掲載していますが、前部主砲撤去跡に設置された「40ミリ単装機銃」が、なぜか「25ミリ単装機銃(推定)」と解説されています。私に言わせると「なぜ25ミリ単装?」。連合艦隊編成講座の時はきちんと40ミリと解説されていたにもかかわらずです。前にも当ブログで、主砲撤去跡には後艦橋の40ミリ単装機銃を移設したという資料を紹介していますし、ウィキペディアですら40ミリ単装と書いてあるのに、なぜこんな解説がつくのか大変不思議です。全く知識のない人が、衣島氏の図面に適当に解説を付けているとしか思えないぐらいひどいです。(推定)という文字すらそらぞらしく感じてしまいます。

ちなみに、最近出た別の模型雑誌「NAVY YARD」28号のジミ艦のコーナーに敷設艦「常磐」の最終時が取り上げられていますが、こちらの方が、その他の機銃配置などを含めて考証がはるかに正確で、製作を考えている方はこちらの方を参考にされることを勧めます。


 工作艦「朝日」についても同様で、主砲跡に設置された機銃に「連装機銃を装備(推定)」と書かれていますが、ここも、衣島氏の「朝日」の記事が掲載されたころは、「朝日」についてはまったく研究が進んでなく、衣島氏は作例で、一番妥当だった25ミリ連装機銃を装備した状態で再現されたと思われます。ただ、昭和12年ごろ「朝日」を写した写真には、機銃が単装らしいということがわかるものがありますし、私が主張しているように、この「朝日」の主砲跡に設置された機銃は40ミリ単装機銃でしょう。その辺のことは、新資料の紹介とともに次回に詳しく述べたいと思います。

戦艦「武蔵」発見の報に接し

2015年03月04日 | その他
すっかり更新が滞っていましたが、昨日入ってきたビッグニュースに、思わず投稿せざるを得ませんでした。

それは戦艦「武蔵」発見のニュースです。

もし、自分が大金持ちだったら、ぜひやってみたいと夢想していたことを、まさか実際にやってしまう人(そしてそれができるほどのお金がある人)がいること自体が驚きでした。世の中には本当にすごい人がいるもんです。
よもや、こんな日が来るとは思ってもいませんでしただけに、いやおうなしに興奮してしまいました。

まだ、艦首部分など1部しか写真が公開されていませんので、艦体の状態がわかりませんが、「大和」は沈没時に大爆発を起こして艦体が真っ二つだっただけに、発見された「武蔵」には期待してしまいます。せめて、あの特徴的な艦橋とかを見ることができればいいのですが。。。

特に、私的には、船体中央煙突近くに噴進砲があるのかないのかもとても気になります。
装備していたとしても、沈没時に脱落した可能性は大きいですが、これまで多くの艦船研究者とモデラーを悩ましてきた問題が、一機に解決できるかもしれないと考えるだけでも、ワクワクします。
これから公開されるであろう映像に注目したいと思います。

ただ、海底の「武蔵」は、多くの戦死者の「棺」でもありますので、外見的な調査のあとは、詳しい沈没位置などは公開せず、できるだけそっとしておいてほしいと願うばかりです。まあ、ネットで読む限り、発見者のポール・アレン氏は、そういう人でないと思っていますが。

続・がんばれフォーサイト

2012年01月12日 | その他
以前に、1/700「八雲」のレジンキットを購入しようと思い、模型メーカー「フォーサイト(シールズモデル)」に問い合わせたが在庫切れだった話を書きましたが、このほど、フォーサイトから「再生産の見込みが立った」との連絡をいただきました。早速、「八雲」と「吾妻」を注文しました。

あまりにマイナーな艦のため、再生産はもうないかもしれないと一時はあきらめかけていましたが、やはり、昨年末のNHKドラマ「坂の上の雲」の効果が出てきたのでしょう。同社に元気が出てきたことを、心からうれしく思います。
明治艦ファンとしては、この期に乗じて、「朝日」「敷島」「春日」「日進」などのキット化につながっていってほしいと願うばかりです。

さて、そこで、今月からはフォーサイトのレジン艦応援企画として、昭和10年ごろの「八雲」の画像をアップしていきたいと思います。それが終わったら、日露戦の装甲巡洋艦の中では、もっともマイナーと思われる「吾妻」について、大正元年度の練習艦隊写真帖からの画像をアップしていこうと思います。大正元年度は「吾妻」と「宗谷」(旧ロシア艦の方)で練習艦隊を編成した唯一の年です。なかなか味のある船同士の編成なので、模型で再現するのも面白いと思います。

世界の艦船増刊「日本巡洋艦史」(新版)について

2011年12月23日 | その他
今月、世界の艦船増刊「日本巡洋艦史」(新版)が発売されました。
「刮目に価する未発表写真」がたしかに多数載っており、見応え十分な一冊となっております。
特に、迷彩塗装の「由良」なんて、「こんなのあったのか!!」という感じでした。

太平洋戦争開戦から70年たっても、まだまだ未発表写真がこんなにも出てくるものなのですね。今でも、元軍人・兵隊が撮りためた写真がたくさん全国の家々には眠っているのかもしれません。当人が亡くなって、遺族にとっては価値が分からないアルバムや写真がどんどん処分されてしまっているのでしょう。戦前・戦時中の写真は、ある意味文化財との認識がもっと広がってほしいと思います。それらの古い写真を一括で保存するような機関でもあればいいのですがね。

さて、「日本巡洋艦史」。私的には、53ページの昭和11年遠洋航海時の「八雲」の写真が一押しです。このころの「八雲」は、今までは右舷の写真ばかりが発表されていたので、左舷のプロフィールがよく分かる写真は貴重です。同じ写真が「世界の艦船」1985年9月号にも載っていたのですが、今回の方が格段に鮮明に写っており、特に、前マスト後方にある電信室などの構造物の窓配置が良く分かります。「八雲」ファンの方(そういう奇特な人が多いとは思いませんが。。)要チェックです。

また、64ページの「メキシコ・マンサニーヨに寄港中の磐手」の写真説明に「この写真は昭和8年度遠航での撮影とされているが、同11年度遠航の可能性がある」となっていますが、昭和11年度の「磐手」の艦橋構造物はこの写真よりさらに拡大されているのが、「昭和11年度練習艦隊巡航記念」の写真帖(昭和館・防衛研に所蔵あり)で確認できますので、昭和8年度で間違いないでしょう。

今日の話題社「海軍艦艇公式図面集」のこと

2011年11月12日 | その他
先日、紹介した「海軍艦艇公式図面集」(福井静夫編、今日の話題社)ですが、なかなか日頃見かけないマイナーな艦が載っていて、私にとってかなりお気に入り本となりました。一部、図面の線がかすれていたり、汚れていたりして良く分からない箇所も多いのですが、興味のある方のために、掲載の艦名を紹介したいと思います。

私として特記したいのは、昭和14年の敷設艦「常磐」のほかに、昭和11年の「浅間」、昭和16年の標的艦「摂津」の図面が載っていることです。

戦艦 扶桑(1、明治33)、朝日(明治33)、肥前(明治40)、榛名(昭和19)、山城(昭和10)、扶桑(2、昭和10)、
巡洋艦 浅間(昭和11)、高雄(4、昭和19)、川内(昭和17)、夕張(昭和19)、最上(2、昭和19)、大淀(昭和18)、八十島(昭和19)、五百島(同)
空母 鳳翔(昭和14)、千代田(3、昭和19)、海鷹(同)
水上機母艦 千代田(昭和14)
駆逐艦 春風(神風型、昭和19)、芙蓉(若竹型、昭和9)、雷(特型、昭和11)、初霜(初春型、昭和11)、夕雲(夕雲型、昭和16)、涼月(秋月型、昭和19)、檜(松型、昭和19)
水雷艇 鵯(昭和17)
潜水艦 第1号艇(大正8)、呂36(昭和18)、伊57(昭和10)、伊36(昭和18)、伊365(昭和19)
海防艦 屋代(昭和19)、第12号(昭和19)
駆潜艇 第52号(昭和19)
掃海艇 第1(昭和11)、第14号(昭和9)、第18号(昭和11)
砲艦 隅田(昭和15)、勢多(昭和14)
敷設艦 常磐(昭和14)
給油艦 隠戸(昭和9)、大瀬(昭和19)、早吸(昭和19)
運送艦 宗谷(昭和17)
測量艦 勝力(昭和10)
標的艦 摂津(昭和16)
敷設特務艇 黒崎(昭和6)
その他、駒橋(昭和8)、公称74号(昭和5)、800トン救難船、14メートル特型運貨船、500トン積重油運搬船、100トン飛行機運搬船、第6号魚雷艇、第600号艦