NHKオンデマンドで、ETV特集「久米島の戦争」を観た。
ここで描かれた鹿島隊30名の悪行には目を覆いたくなる。
これが隊長の鹿島正であり、無実無抵抗の島民を乳児まで含めて惨殺した犯罪者である。
しかも、戦後のどさくさで大量虐殺の罪に問われることなく、故郷徳島県に戻って農協幹部になったというのだから腹だたしい。
さらに、1972年に所在を突き止められて取材を受けた際には、全く良心の呵責はないと豪語しくさった人間のクズらしい。
世の中には、どこまでも自己正当化して憚らない狂人が存在するのだと、悲しくなってくる。
これが、wikipediaでのその事件に関する記述。
で、色々ググっていて、違和感を感じる記事が数多くあった。
要約すると、この事件を語ることによって旧日本軍は悪だったと結論づけるものである。
いや、極悪なのは将校としてのまともな教育を受けていないたかが准士官の鹿島正とその命令に従った部隊構成員であり、どう論理を展開しても日本軍全体が悪であるという結論は導き出せない。
ようは、自説を補完するためにこの単独の事件を引用し、まるで全体が悪であるかのように誘導しているだけだ。
日本軍全体が悪であると言うためには、彼に命令した者の指示を特定し、数えきれないほどの他の事例を挙げていく必要がある。
そういう偏った意見が、Yahoo!ニュースのコメント欄などには溢れかえっている。
結論ありきではなく、事実を多面的に考え、自分の頭脳で検証するというプロセスが抜け落ちてしまっている意見だ。
たいていの場合、戦争を仕掛けたプーチンが悪、不倫は悪といった結論ありきのコメントばかりだ。
クリミア併合が住民投票で決められたこと、西部のヨーロッパ派と東部のロシア派住民で元々対立があったこと、ミンスク合意を履行するよう何度もロシアが働きかけてきたがヨーロッパ寄りのキエフ政権がそれを無視し続けていたこと、などには目も向けないのである。
私は、プーチンを支持する者ではない。
鹿島正という大罪人を生んだ戦争そのものを否定したいだけである。
つまり、プーチン同様、欧米の傀儡の如く戦闘行為を継続しているゼレンスキーも同罪だと考えている。
戦争という手段の愚かさ、残虐さを日本人は身をもって学んだ。
しかし、それがしっかりと語り継がれ、学習されていない。
これは危険な兆候だ。
ウクライナ戦争に関して言えば、日本は人道支援に撤し、プーチンにもゼレンスキーにも与せず、ひたすら和平交渉での解決を訴えていくべきだと思っている。
理想論と言われようが、実際に戦災を受けている家族のことを考えれば、1秒でも早く戦争が平和的に終焉を迎えることを願ってやまない。