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とまぴーSTYLE

よく食べ、よく笑い、よく遊び♪
元気が一番!
今日も豊かな一日になりますように・・・

「国境の南、太陽の西」

2013-06-02 23:15:38 | 
村上春樹(著)

バブル絶頂期(1988年 - 1989年頃)の東京が主な舞台となっています。

その頃私は何をしていたのか、と言うと。。。

eriが3歳、kazuが1歳、そしてmayuがお腹にいたと思うのです。
「バブル」「バブル」と言う言葉は耳にしていましたが、これぞ「バブル」と言う実感はなかったように思います。
私は子育てに翻弄され、お金がある無しに関係なく、無我夢中に毎日を過ごしていたのです。
それはそれで今の私から言わせてもらうと、私の人生の中での「バブル期」くらい、激しく充実していた毎日だったと思います。

さて、
あの「1Q84」でしたか、世の中を狂乱させたベストセラー。
私もその波に流された一人だったのでしょう、手にした途端、猛スピードで読み耽けました。

そもそもわたしは「村上春樹」なる人物が掴めていない(笑)

「ノルウェーの森」以降、村上春樹との再会は「東京奇譚集」でした。
図書館通いの記念すべく第一作目です。

この「国境の南、太陽の西」はその後の「1Q84」を彷彿させる、前哨戦、暗示、予告、道標、作者の体幹、本質、そうした匂いを嗅がせます。

私はとても好きな小説でした。
なぜなら島本さんは別にしても、主人公の僕(ハジメ)は、とても私に似ていたから。
小説の主人公にアイデンテティを求めることは無理難題だとも知りますが、
私は読み進めながら「私だ!」と思ったくらいです。
僕(ハジメ)の奥さん(有紀子)も私に近い。

きっと私は作中の彼らのこうした会話を心のどこかで求めているのかもしれない。
こうした二人を求めているのかもしれない。

でも、こんな会話をする女性って男性からすると「面倒」なんでしょうね(笑)







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「歌に私は泣くだらう」

2013-04-24 13:29:46 | 



永田和宏(著)

「妻・河野裕子 闘病の十年」と副題にあるように、
乳癌を発症された奥様を看取った十年の記録です。

闘病モノはしんどいです。
自分の経験や友人のこと家族のこと、いろいろが頭を過るし、思い出してしまうことが多すぎる。
しかし、この数年、この本が発刊されてから、ずっとずっと読みたい本でした。
図書館で借りました。
返すのがもったいなくて、もったいなくて。


結婚してからも相聞歌を交わせるほどに仲の良いご夫婦。
と言うか、お互いの趣味、生業が短歌作りだからこそ、なせる業。

私もこの年になったからこそだからか、胸に沁み、絞めつける歌のなんと多いことか!


手術前日の歌

「明日になれば切られてしまうこの胸を覚えておかむ湯にうつ伏せり」

女だものね。。。


「ああ寒いわたしの左側にいてほしい暖かな体、もたれるために」

「病気して何かが狂ひ始めたり狂はぬやうに体調整ふ」

「歩くこと歩けることが大切な一日なりし病院より帰る」

「白木槿(むくげ)あなたにだけは言い残す私は妻だったのよ触れられもせず」

「あの時の壊れたわたしを抱きしめてあなたは泣いた泣くより無くて」

「まぎれなく転移箇所は三つありいよいよ来ましたかと主治医に言えり」

「髪あるうちにと家族三人が撮りくれし写真の中の誰もほほゑみて」

「この家に君との時間はどれくらゐ残つてゐるか梁よ答えよ」

「わたししかあなたを包めぬかなしさがわたいを守りてくれぬ四十年かけて」

「長生きして欲しいと誰彼数えつつつひにはあなたひとりを数ふ」

最後の数首のうちの一首

「手をのべてあなたとあなたに触れたときに息が足りないこの世の息が」

「さみしくてあたたかかりきこの世にて会い得しことを幸せと思ふ」


永田和宏氏の歌

「一日が過ぎれば一日減ってゆく君との時間 もうすぐ夏至だ」



これを読んで、とは言えません。
病気の話は辛いし、それぞれの自身と重なるのも辛いでしょう。


永田氏はこの本で自分の心情と現実を吐露したことで、
何かが救われたのだろうか。
何かをふっ切ることができたのだろうか。




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「木漏れ日に泳ぐ魚」

2013-03-13 11:48:49 | 
恩田 陸(著)


     1組の男女が向かえた最後の夜、
     明らかにされなければならないある男の死の秘密とは…?


このところ、男性作家さんの作品ばかりだったので、久しぶりに女性作家さんを読みました。
恩田さん然り、湊かなえさん然り、
女性の書くミステリーは、
どうしてこんなに、どこかおぞましく、ねっとりしているのかしら。
心の奥底を覗かれるような、
内臓の一部を掴まれそうな、
一番触れられたくないところを突いてくる。
同性だからこそ見える部分なのかしらね。

ミステリーでありながら、
男女の話でもあり、
それが絡み合って、とても上手く絡み合って。


恋に苦しみ、悶え、身を焦がしながらも。
一方通行の恋。
報われない恋。

登場人物の誰もが苦い思い、苦しい恋をしているのです。


「愛がなければ嫉妬もない」・・・名言ですね。


展開が早く、そのスピードに乗ってぐんぐん読めます。


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吉田修一を三冊

2013-03-09 23:55:51 | 




「パレード」

5人の若者達のルームシェアを舞台に、
彼らの共同生活とそのひずみで起きる経過と結末が描かれている。

とウィキペディアに書かれていますが、
それほどヘビィではないように感じました。
今時なのか、しかしどの時代にも存在する若者たちの姿に間違いありません。

「知らないふり」していながら、実は全員が全部「知っている」
それが優しさでありながら、怖さでもあります。

ラストはぐっときました。
この小説の良さはここですね!




「静かな爆弾」

公園で俊平が出会った響子は、耳が聴こえない。

主人公は、仕事の事となると女性の事も忘れ、約束も破り、省みない。
世の男性には、そう言う人も多いことでしょう。

話の内容もさることながら、
私が普段、ふっと思うこと感じることを実にうまく描写している。

例えば、
「電話の一本でもくれたらいいのに」と苛立ったりするじゃない?

それに対して、
「その場の流れでできないこともあるのだ」・・・ふむふむ、なるほどね。

私だってあるよ。
メールひとつ入れたら済むことなのに、
それができない空気の中や、流れの中に居る時が。

極上の恋愛小説・・・かどうかは読み人次第です。
でも、静かな時間の流れは感じます。




「平成猿蟹合戦図」

いやあ、これは面白かったな!
誰が主人公なのかわからない(笑)
でも、これが吉田修一なのであって、最後はきちんとリンクしていく。
読みごたえのある長編でした。




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「横道世之介」

2013-01-21 23:40:06 | 
吉田修一(著)

読売新聞の連載小説を読んでいる。
吉田氏の「怒り」である。
彼の著書はこれまで読んだことがない。
「怒り」は、なかなか面白い。

この「横道世之介」大変いい話である。
楽しいし愉快だし。
しかし、ただケラケラと楽しいのではなく、ほとんど同時進行で哀しいのだ。
途中から、私は彼の「生」すなわち「命」を感じなくなったのだ。
作中、世之介は、生き生きと動いているにもかかわらず、
私には、足のない生き物、影のない物体…体温や吐息を感じなくなったのだ。
作者はそれを意図して物語を書いている。
彼の行く末を暗示させながら。

あの頃に戻りたい…だなんて、滅多に思わないことなのに、
単純に、も一度でいいから二十歳の頃を経験したい、と思った。

普通の男子なのだよ。
それも、たいへん無邪気で素直な。

私のボーイフレンドでもいいのだけれど、
私の息子でもいいような。

世之介くんのお母さんが羨ましい…
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新聞連載小説

2012-12-08 23:48:43 | 
ずっと昔から新聞の連載小説は気になっていた。
気にしながらも読もうとはしなかったけど。
四年前だったか、知人の一人が新聞四紙の連載小説を毎朝読み続けている、という仰天ニュースを耳にした。
へえ~ホントにあの連載小説を読む人がいるのだと(笑)

物は試し!!とばかりに私も挑戦することに。
と言っても、我が家は読売新聞朝刊のみ。

「草原の風」
「湖畔のあかり」
「笑うハーレキン」
と読み続けて、現在は「怒り」である。

まずは、読み始める最大のポイントは、言わずもがなではあるが、連載初日の第一話を読み落とさないことである。
当たり前すぎて笑っちゃうのだが、これはマスト!
ここを外すとなんのことやらさっぱりわからない(笑)

後はひたすら、ただひたすらに読み続けることだ。
昨日はどうだったっけ?
この人、誰だったっけ?
そんなことは気にせず、とにかく読み進むのだ。
すると、不思議なもので、小説一冊読破するのとはまた違った感覚が芽生える。
次を読むのに一日待たんとならぬ。
たかが数百字、と侮るべからず。
知らず知らず根気と諦念が混在する読書力が身に付いてくる。
これは読書に限らず、実生活にも応用できるチラカとなるに違いない。



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胸ときめく本

2012-08-24 21:41:26 | 
図書館に行くと、4~5冊借りることにしています。

この最近のお気に入りの作家さん、伊坂幸太郎氏。
DVDで「重力ピエロ」を見て以来、ファンに。
これまで「オー!ファザー」「SOSの猿」「ラッシュライフ」などなど読みました。
絡み合った糸がほどけるような結末の仕方が彼の特長ですね。


香山リカ氏は私と同い年。
だからか興味津々(頭の出来はちがいますが…(笑))
同じ時代を生きてきた彼女の目で見たものに、うんうん!と頷くこともしばしば。
年齢は違うけれど小池龍之介氏も、同じくして去年の大震災以降の人間の在り方や生き方の変化や、これからの方向付けを示唆する文章を書いておられる。
そうしたものを読むのは、作家さん自身の気付きを知るようで、とても楽しい。

川上弘美氏は「センセイの鞄」以来の大好きな作家さんです。
ホロホロとした、ふわふわとした文章ですが、独白的な呟きが的を得て、行間力が素晴らしい。

辻村深月氏…直木賞を受賞されましたね。
受賞作は読んでいませんが「光待つ場所へ」は読みました。

そして河野裕子氏。
彼女は私の母校の同窓生なんですね、著者紹介で今日知ったところです。
彼女を知ったのは新聞での訃報、特集でした。
短歌を読む度に涙が溢れて。
図書館で検索が悪かったか、やっと本日手に取ることができました。

今日はいい日です。
良い本が見つかりました。
読むのが楽しみで仕方ない。
早く読めって?(笑)

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「天地明察」

2012-06-27 20:12:19 | 

    江戸の天文学者・安井算哲、
    800年の歴史をひっくり返す。


冲方 丁(著)


爽快!!の一言に尽きる作品です。
読むことが止められない。
この数日間、睡眠不足です(笑)

主人公の安井算哲、でありながらの渋川晴海くんが良いのです。
なんのてらいもなく、淡々と飄々とした姿が。
そして彼を取り巻く全ての人びとが、これまた素晴らしい。

天文学も暦もほとんどわからないけれど、読み進むうちにちょっとだけ興味を持ったかな?なんて(笑)

この秋には映画も公開されるのだとか。
晴海役は岡田准一くん、これは良いとしてだな、
妻役が宮崎あおいさん?…これは残念。

「神様のカルテ」の「はるさん」みたいな感じ?
もういいわね(笑)

確かに読みながら「神様のカルテ」っぽさを感じたけど。

うん!そうだ!
筆致が似ているのだ!
今、気づいた!(笑)

宮崎あおいさん、
嫌いじゃないけど、役柄が固定されたみたいで。
いつも、聡明で闊達でいながらも控えめで・・・そうした役柄ばかりでかわいそう。

宮崎さんが出演、と聞いて、「天地明察」ちょっとがっくり。。。
でも、他の役者さんが素晴らしい!
私が読みながら勝手に想像していた人物像とほぼピッタリ!


オススメの一冊です!

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「利休にたずねよ」

2012-02-04 21:32:09 | 
山本 兼一 (著)

私の行く美容院には、そこのオーナーが読み終えたり、読もうとして待機している、つまり気に入った小説や写真集が並んでいる。
私はヘアカラーをしてもらう間にそれらの中から読みたい本を手にし、読み耽る。
時間切れになったところで栞を挟み、また次回にね!と本に声掛けをし、棚に片付けるのだ。

今回はこれ「利休にたずねよ」だった。

会計を済ませ、駐車場に向かう私を、お店の女の子が追いかけてきた。

「これ、どうぞ。お貸ししますよ。」と。

読むのに時間もかかるし、お返しするのが数ヵ月後になるからと辞退したものの、
やはり自分の欲求には逆らえず、お借りすることに。


歴史小説であり、茶道も語られていて、それでいて恋愛小説だし。
読みごたえたっぷりの一冊です。
「面白い」作品です。
ただ、利休の美意識の高さに、ちょこっとうんざりしたけど(笑)

何が真実かはわからない。
何をたずねてよいのかもわからない。


   美しさって何ですか?
   愛ってなんですか?





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「ピアノの森」

2011-12-22 22:01:07 | 
これが好きで、毎回買っている(笑)
全巻持っている。
発売されると、家族からメールが入る。
小説もいいが、こうしたお気に入りのマンガに出会えるのも幸せなことだね。
今回は泣けた~
学びの多い巻である。

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