goo blog サービス終了のお知らせ 

とまぴーSTYLE

よく食べ、よく笑い、よく遊び♪
元気が一番!
今日も豊かな一日になりますように・・・

「弦と響」

2016-01-11 23:36:18 | 
入院中に読んだ小説。
手術前に半分、術後に半分。



小池昌代(著)

とっても良い作品でした。
鹿間四重奏団がラストコンサートを迎える、その最後の演奏に向けて様々な人の思いが交錯する。

どの登場人物も情感あふれ、まるで生きているかのような息吹きを感じる。

どんなに素晴らしい演奏でも、それを小説の中で言葉で伝えるのは難しい。
しかし、音が聴こえてくるのだ。
ヴァイオリンの、ヴィオラの、そしてチェロの。

コンサートに出かけたい。
病室のベッドの上で切に思った。

この小説が音楽の感動を受け渡すリレーとなりますように。

激しく雪の降る中、
音楽と聴衆の熱気とで満たされていくラストシーンは、
静かな感動が押し寄せ、切なく胸が詰まる。

私は音楽が好きでよかった。
そして、本が好きでよかった。

著者の「たまもの」これも良い作品です。
「ことば汁」は不思議な内容だったと思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「God Bless You」

2015-12-27 12:42:13 | 


作者は槙村さとるさん。
「愛のアランフェス」を描かれていますね。
繊細なタッチで出演人物は全員美形でスタイル抜群。

バレエを通じての恋愛作。
ああ、こんな出会いだったら…こんな経緯だったら…こんな結末だったら…
誰もが一度は望む、王道ものです。
夢と希望、愛と情熱がたくさんちりばめられている。
こんなに上手くいくわけないよね、なんて言わないで、
流れるような恋愛ストーリーにうっとり呑み込まれて下さい。

表題作もいいけど、同時収録されてる「うさぎ」
これもいい!
私はこっちが好きかも。

女子はこうした男たちに弱いのよね(笑)

入院中、病棟にあったのをお借りして読みました。
幾人もの患者さんを癒したことと思います。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「逢沢りく」 ほしよりこ

2015-10-27 16:13:16 | 
何かのレビューで☆五つだった。
読みたいと思った。
スマホのメモに記入し、図書館に行くたびに探した。

どこにもないな。

一週間前に美容院に行った。
お誕生月のプレゼント、ということでメニューが4,000円くらい安くなってたから。
ケープを巻いてもらいながら、書棚を眺めていると、
「逢沢りく」発見!
ああ、こんなところにあったんだ。

「読ませてもらえますか?」と手に取ると・・・



マンガだった(笑)

だよね。
図書館の小説の棚にはないわけだ(笑)

14歳の嘘泣きが得意な少女が、両親、クラスメイト、親戚など周囲の人々と織りなす日々が描かれています。
物語の内容はそんなに深くない。
「ベルサイユのばら」とか「エースをねらえ!」で育った私にとっては、
鉛筆で書いたような絵と字は読みづらさを感じました。
でも慣れてくると、平面な絵であるはずなのに、立体的に見えてくる!
紙の上で動き始める!
上手いなぁ

この体験を誰かに伝えたい!味わってもらいたい!

関西弁の会話も見事です。
リズム感とスピードがすごい。
そして、一言一言が心にしみる。

温かいマンガです。
☆五つ以上です。
物は試し!と読んでみてください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書館の楽しみ

2015-07-30 16:04:34 | 
図書館が好きだ。
当たり前だけど本がたくさんある。
広い。
静か。

こんなにたくさんの本。
どれから読もうか、何を読もうか。

迷ってばかりだけれど、
書評や広告で興味をそそられたものは手当たり次第に読む。
ぐぐっときたら、同じ作家さんのを続けて読む。

図書館での私の楽しみは、
「本日返却された本です」のコーナー。
これは面白い。
昨日までは誰かの手の中にあって、その人の心を満たしていた本。
ジャンルは千差万別。
今日は夏目漱石の専門書が目をひいた。
旅行の案内書だったり。
詩集だったり・・・


今日は誰の手に渡るのだろう。
その本に宿る魂がどういう形で伝わるか。
同じ感想、違った感慨。
これだから本読みはやめられない。



mayuが育てた桃太郎。
こぶしくらいの大きさ。
ひとつ前はカラスに食べられてしまったので、今回は早めに収穫。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「物語のおわり」

2015-06-16 12:37:56 | 



湊 かなえ(著)

様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで受けとるのはひとつの紙の束。
それは「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。

湊さんの作品って、読後感が悪かったり、モヤモヤが残ったりで、
ああ、やっぱり読むんじゃなかった、と後悔ばかり。
しかし、これは一体何だろう?
毒もないし、黒くもない。
逆に、いつ毒が噴出するのだろう、
どこで黒さが出現するのだろうとハラハラドキドキ(笑)
どういう意図でこの作品が書かれたのか不思議。

「空の彼方」という物語を絡めながら人々を繋げていく。
物語のおわりは人それぞれ。

語り口が重松清さんのようで、淡々と書かれている。
舞台も北海道。
季節感も満載で、人間なにかあれば広大な場所を目指す、ということなのか。

嫌だ嫌だと言いながらも毒を期待していたからか、ちょっと肩透かし(笑)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「盲目的な恋と友情」

2015-06-08 15:38:12 | 





辻村深月(著)


これが、私の、復讐。
私を見下したすべての男と、そして女への――。


一つの話を二人の目線で書かれています。
「恋」では、恋にからめとられる女の愚かさを。
「友情」では、恋から拒絶される屈辱感を。
そして、全編の根底を流れるのは「美醜」

男と女を描くより、親子関係を描くのが上手いです。
そして友情を描くのも上手い。
その友情は彼女の著書「ツナグ」の中の「親友の心得」のほうが息苦しいほどにもっと上手い。

登場人物が若いからと敬遠するのはもったいない。
私くらいの年代で読むのであれば、
ああ、あれはそういうことだったのねぇ~とすんなり胸に落ちていきます。

読売新聞で彼女の連載が始まりました。
どんな展開になるのかとても楽しみなんですよ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「夫の彼女」

2015-03-07 00:05:55 | 
垣谷美雨(著)



不倫のドロドロを期待していたわけではなかったけれど、
全然違ってコミカルなんだけど、
ううむ…と、うなずかされてしまう。

平凡な夫婦、生き辛い女子。
不倫疑惑で対決したら身体が入れ替わってしまう。

身体が入れ替わるだなんて凄い展開!
これまで私が手にした小説にはない展開にびっくり!

そこから先が面白い。
真逆な二人がそれぞれの生活の中で慌てながらも暮らす中で、
周りの人たちとの関係が変化していく。

立場が変われば人に対する違う見方も見えてくる。

テレビでドラマ化されたのですか?

軽く読めて、
作者が自己解決してくれているので、
読んだ後はスッキリできる一冊です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「それを愛とまちがえるから」

2015-03-05 12:54:21 | 
井上荒野(著)



中年のセックスレスの夫婦にそれぞれ不倫相手がいて、
妻が夫に

「あなた、恋人がいるでしょう」

と問いかけたことをキッカケに
不倫に関係する四人に奇妙なコンタクトが生まれる。

ま、一言で言えば月並みな言葉過ぎて、文字にするのもなんだかな…
つまり、W不倫の話ですな。
彼女の筆にかかると、明るいのだわ(笑)
お洒落な文体で、
各々の目線でお互いを眺め、自己を語りながら。
不倫を推奨するかの如く朗らかに。

愛人も妻も夫も、感情のある生き物だから、自己中心なんだ。
それが当たり前なのよね。
自分が可愛い、自分の愛が一番。

雑誌「婦人公論」に連載されていたのですね。
だからか、そうした層を狙った、その層に相応しい文体でした。
楽しい小説です。
しかし、本来の井上氏はこんなんじゃなく、もっともっと奥深い。
だけど、本当に上手いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「凍原」

2015-02-16 10:56:51 | 


桜木紫乃(著)

世代を遡り、過去と現在を繋ぐ謎を解く。

ミステリーだったのだ、何も知らずに手にした。
読み進むと、まるで松本清張氏や森村誠一氏の推理小説を彷彿させる。
じっくりと心に訴えかけてくる。
じわじわと心に沁みる。

樺太からの引き揚げ。
そのときも、そこからも壮絶な人生。

女であること。
女である所以に。

殺人の動機はよくわからない。
なぜ、殺人が行われなければなかったのか。
ミステリーの結末としては消化不良。

一人一人の生きざまがスクリーンに映されるように目に写る。

「人生は染め直すことができるのよ」

だとしたら、
私のこれからは何色に染めようか…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「蛇行する月」

2015-01-31 15:38:52 | 
桜木紫乃(著)

一人の女性の人生を軸に、
その周辺の人々の生き方を描く

ちっとも暗くない(笑)
羨んだり後悔したり、
そんなことは誰にでもある日常。
その日常の感情を作者が掬いとる。
私たちは、正に言い当てられたかのような思いをする。

幸せの基準って、何だろう。

人の数だけ生き方があるように、
人の数だけ喜怒哀楽がある。
ひとくくりにはできないし、ひと並びにもできはしないし、
ましてや誰かと比べようもない。
あるがままの人生を受け入れると、そこには笑顔が生まれ、
幸せが芽生えるのだろうか。

蛇行する月…

月のように人は他者によって輝きを与えられ、
誰かを軸とし、
衛星のように生きるのも生き方のひとつ。
軌跡をそのまま歩めば良い。
しかし、敢えて蛇行するはずのないものが蛇行するとき。
蛇行せざるを得ないとき。
その時、何が生まれるのだろう。
行き着く果ては、その人のみが手にする幸せなのだろう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする