本屋で推されていたのと、タイトルが気になり購入📖
サスペンスのようでもあるし、ホラーみも感じる。
ストーリー
都内のアパレルメーカーに勤務する鈴倉茉菜。茉菜は取引先に勤める穂高にしつこく言い寄られ悩んでいた。ある日、茉菜が帰宅しようとすると家の前で穂高に待ち伏せをされていた。茉菜の静止する声も聞かず、家の中に入ってこようとする穂高。
その時、二人の前にある男が現れる。男は茉菜の夫を名乗り、穂高を追い返す。男は茉菜の夫・和希に間違いなかった。しかし、茉菜が安堵することはなかった。なぜなら、和希はかつて茉菜が崖から突き落とし、殺したはずだったからだ。
戸惑う茉菜をよそに、和希は茉菜の家に上がり込む。改めて話を聞いてみると、和希は過去の記憶を一部なくしており、茉菜と一緒に暮らしたいという。茉菜は渋々それを受け入れる。
かつての和希はとても暴力的な人間だったが、いざ暮らしはじめると、暴力的な影は一切見られず、平穏な日々が過ぎていった。
しかしそんな矢先、茉菜のもとに一通の手紙が届く。手紙には一言だけ「鈴倉茉菜の過去を知っている」と書かれていて……
記憶をなくし帰ってきた、殺したはずの暴力夫。謎めいた正体と過去の愛と罪を追う、著者新境地のサスペンスミステリー。(小学館文庫:殺した夫が帰ってきました)
ここからは多少のネタバレありです🙊
自分が殺したはずの夫・和希が、記憶をなくして帰ってきたという話。まるで別人のようになってしまった和希に戸惑いながらも、しばらく一緒に過ごす茉菜。
この前に双子の話を読んでいたせいか、双子疑惑が頭から離れず…
そんな単純な話ではなかったね💦
むしろそう来るか!という感じ。後半どんどん気になりだして、一気読みしてしまった。和希の正体よりも茉菜の過去が衝撃的で切ないものだった。
全面的に庇うわけではないけれど、彼女は一生懸命生きてきただけなんだろう。「普通」や「自由」に憧れて。私が当たり前だと思っていることが当たり前じゃない人だっているかもしれない、ということに気付かされる。彼女がこの後、彼女自身の人生を歩めるといいなぁと思う。
一方で、和希の動機や行動の描写について、わからんでもないけれど、少しだけ弱いというか物足りなさを感じてしまった。
あ、物語の舞台の一つが地元だったので、よりリアルな印象を受けたかも。桜井さんは初読みの作家さんなのだけど、東北の地理(宮城や岩手)にも詳しいのかな?旅行で来たことがあるというレベルではないような気がしたので。
話題になっているだけあって、面白い作品でした。