探し物は・・・

何かを探して見つからない時、悲しくなるけれど
探すものがあるって、それだけで、すてきなこと 

「捜査官X」のこんな側面

2012年05月30日 | Movie T.K.

『捜査官X』を見ていると、文化面でもいろいろ気づくことがあります。
たとえば、劉金喜家の目覚まし時計は、渦巻き線香を使ったもの。
香時計とか線香時計とかと呼ばれるもののようですが、一定の長さのところに重りをつけておき、そこまで燃え尽きると重りが落ちて、時を知らせる仕組み。
政府の役人である徐百九さんが、懐中時計を持っているのに比べると、のどかですね。

また、村の長老たちがそろって使っていた長~い煙管。
寄りあいにタバコは欠かせないのかも。そういえば、雲南省は世界有数のタバコの産地ですね。

そして、公衆浴場の様子。
湯船につかったままで、マッサージやら、垢すりやら、ひげそりやら・・・さらに、お茶まで飲んでいましたね。
このシーンを見たとき、ある映画のことを思い出しました。
『こころの湯』という1999年の作品です。
北京の下町にある銭湯"清水池"をめぐる物語。
劉さんが営むその銭湯には、朝から常連さんたちがやってきて、入浴だけでなく、マッサージや垢すり、ひげそり、爪切りを頼み、お茶を飲みながらの世間話に、囲碁、闘蟋(「とうしつ」と読むそうです。コオロギを闘わせる遊び)まで。
ちゃっかり洗濯している人もいれば、夫婦げんかの末に逃げ込んできた恐妻家も。外で、どれほど奥さんがどなっていても男湯は安全圏というわけです。
もちろん女湯もあるという設定ですが、映画で描かれる男湯は、まさに男性たちの憩いの場。
御隠居さんたちは、日がな一日ここで過ごしているようにも見えます。
脱衣所しかない日本の銭湯とは違って、湯上りのまま過ごす広いスペースあるからでしょうね。
そこでは、お茶を運んだり、マッサージをしたり、タオルを配ったりする店員さんたちが忙しく動き回っています。

似ているようで、ちょっと違う中国の銭湯文化。
それでも日本人には、なじみのある風景ですが、この作品がアメリカで大ヒットしたと聞いて、ちょっとびっくり。
たくさんの人が大きな湯船につかり、その中で体を洗っていたりするシーンなどは、どう感じるんでしょうね。
日本でも、さすがに、これはマナー違反ですけど。

『こころの湯』は、日比谷シャンテシネにて2001年7月に公開されました。
私は偶然TV放映されたものを見たのですが、その後、シャンテシネでパンフレットも手に入れることができました。
DVDも出ていて、その特典映像には、監督やキャストのインタビューも入っています。
『捜査官X』で、徐百九さんの捜査を手伝う探子を演じた姜武さんが、知的障害のある二男役で出演しています。
撮影前、監督に「太ってくれ」と言われ、とても苦労したとのこと。その甲斐あって、スクリーンに登場するのは、でっぷりした"大きな子供"。
『捜査官X』で見せる一癖もふた癖もありそうな謎の男とは、180度違う姜武さんがいます。


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2 コメント

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Unknown (愛玉)
2012-06-01 00:58:27
お久しぶりです。
雲南ロケ地探索、感服しておりました

そして「こころの湯」DVDでも探してみようと思います。お風呂の入り方、国、時代でそれぞれですよね。。。今話題のお風呂映画でもそれがテーマですしね

捜査官X見るうちに文化面気になりますね~
私も「新年のお守り」が不思議で知りたいのです。形は竜眼に似てるなと思ったり・・・。
でも検索しても正月に腕につける魔よけは出てきません・・・

姜武さんに調べて来てほしい!
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捜査は続く (ゆきんこ)
2012-06-01 23:07:01
愛玉さん

あの魔よけのお守り、私も気になります。
かなり広い範囲にある風習のようですものね。
映画のストーリーとは直接関係がない、周辺のことも、いろいろ知りたいことがたくさん。
捜査はまだまだ続きますね

「こころの湯」は、おすすめの作品です
主人公の劉さんを演じる朱旭さんが、本当にすばらしいんですよ。
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