375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

【大会レポート】ロックンロール・サヴァンナマラソン (2013 Rock 'n' Roll Savannah Marathon)

2013年11月17日 | 大会レポート 2013

 

11月9日(土曜日)、今年で第3回目を迎えたジョージア州のロックンロール・サヴァンナマラソンを走る。

1973年に全米ナンバーワン・ヒットとなったグラディス・ナイト&ザ・ピップスの「夜汽車よ、ジョージアへ(Midnight Train To Georgia)」の歌詞そのままに汽車でサヴァンナ入りすることも考えたが、結局予算の関係で夜行バスとなった。それでもニューヨークから17時間かけての陸路の旅はアメリカ大陸の大きさを実感させるには十分なもので、久しぶりにバックパッカー的な「旅の原点」に立ち返る貴重な体験となった。

サヴァンナはアメリカ南部を代表する観光地で、18世紀以来の面影を今に残すダウンタウンの歴史地区は世界遺産の候補リストにもあげられている。最近では映画『フォレスト・ガンプ』の冒頭シーンが撮影されたことでも知られており、そういう魅力的な街を舞台にするなら、ファンランとまでは言わないが、あまりタイムにこだわることなく、情緒あふれる美しい街並みを楽しみながら走りたいと考えていた。

スタートは朝7時。気温は9℃前後の絶好のコンディション。周囲が明るくなりかけてきた頃、サヴァンナ川に近い市庁舎前を皮切りに、ダウンタウンの西側へ向かうベイ・ストリートをまっすぐに進むコースでレースは始まった。最初の1マイルは8分17秒と順調な出足。前回のフルは序盤から突っ込みすぎて失敗したので、今回は先を急がず、終始リラックスしてラップを刻んでいくことを自分に言い聞かせた。

Mile 01: 8分17秒(08分17秒)
Mile 02: 8分27秒(16分44秒)
Mile 03: 8分24秒(25分07秒)
Mile 04: 8分08秒(33分15秒)
Mile 05: 8分13秒(41分28秒)
Mile 06: 8分13秒(49分41秒)

設定ペースはざっくり見積もってマイル8分20秒。3マイルまではこの数値に近い速度だったが、体が温まってきた4マイル目からは意識して加速したわけではないのに、自然にペースが上がってきた。調子はいい感じなのでマイル8分15秒くらいでも大丈夫だろうと判断しつつ、決して突っ込みすぎないように、沿道の応援やロックバンドの演奏に手を振って応えるような余裕を持ってレースを進めた。

5マイルあたりから、見どころの多い歴史地区に突入。沿道の応援がにぎやかになり、街の風景もいちだんと美しさを増す。6マイルに届く手前で南部で最も美しい教会建築物といわれるセント・ジョン・バプテスト大聖堂を通過。サヴァンナを代表する名所なので、オフィシャル写真隊もこのあたりに待ち構えている。ここからオグレソーペ通りに出ると、反対車線で折り返してくるランナーたちの姿が木陰に次々と見えてくる。7マイル地点で、ガールスカウトの創設者で知られるジュリエット・ロウの生家を通過(現在、外観は改装中)。その後コースはダウンタウンの東側に出て、閑静なレジデンシャル・エリアに入っていく。

Mile 07: 8分17秒(57分58秒)
Mile 08: 8分13秒(1時間06分11秒)
Mile 09: 8分09秒(1時間14分20秒)
Mile 10: 8分16秒(1時間22分36秒)
Mile 11: 8分29秒(1時間31分05秒)
Mile 12: 8分02秒(1時間39分17秒)
Mile 13: 8分03秒(1時間47分10秒)
中間地点通過: 1時間48分05秒

8マイルを過ぎて、ウエストポーチに用意していた第1回目のエナジー・グミを補給。ここまではファンランと言うほどではないにしろ、十分ゆとりのあるペースだったので、まったく疲れる兆候はなかった。最近のレースで疎かにしがちだったスポーツドリンクの補給も、今回は確実に行なうようにして、終盤でのエネルギー切れに備えた。

曲がり角が多くやや時間のかかった11マイル目を経て、12マイル目の途中でハーフのランナーと別れ、急に淋しくなったタイミングで応援のほとんどいないハイウェイ区間に突入。このあたりが最も精神的にきついところで、早くここから逃れたい気持ちを反映して若干ペースが上がった。ハーフ通過タイムは1時間48分05秒。このまま最後までイーヴンで行けば3時間36分台という、抑え気味のわりには上々のペースで前半ハーフを終えた。

Mile 14: 8分14秒(1時間55分24秒)
Mile 15: 8分18秒(2時間03分42秒)
Mile 16: 8分06秒(2時間11分48秒)
Mile 17: 8分13秒(2時間20分01秒)
Mile 18: 8分15秒(2時間28分16秒)
Mile 19: 8分08秒(2時間36分24秒)
Mile 20: 8分17秒(2時間44分41秒)

中間地点を過ぎるとようやくハイウェイを脱出し、再びレジデンシャル・エリアへ。15マイルからはサヴァンナ州立大学のキャンパス内のコースとなり、ブラスバンド隊など学生たちの応援でひときわにぎやかになる。やがて陸上競技場のトラックを一周。花形陸上選手になったような高揚した気分で17マイルを通過した。

ここまでは、ほとんどペースが落ちる様子もない。17マイルで脚が終わった前回のフルとは大違いで、だいぶ復調の兆しが見えてきたのは収穫だった。18マイルを過ぎるとハイウェイを越えていく橋にさしかかる。ここで第2回目のエナジー・グミを補給。その後19マイルから21マイルにかけて、郊外の美しい公園を行き来するコースとなった。

このあたりまで来ると、さすがに若干脚に疲れを感じ始めてきた。20マイルに到達すればほんのあと10キロに過ぎないのだが、この「あと10キロ」がいかに長いことか…。
それは何十回マラソンを走ろうとも、変わることのない試練のラスト・クォーターとして立ちはだかることになる。

Mile 21: 8分21秒(2時間53分02秒)
Mile 22: 8分19秒(3時間01分21秒)
Mile 23: 8分57秒(3時間10分18秒)
Mile 24: 8分55秒(3時間19分13秒)
Mile 25: 9分16秒(3時間28分29秒)
Mile 26: 9分22秒(3時間37分51秒)

21マイル、22マイル。疲労度は増してきたが、ここまでは失速することなく持ちこたえた。
しかし23マイル目。途中から再びハイウェイに突入する正念場なのだが、このとき体の中から急速に力が抜けたような感触があり、ついさっきまであれほど元気だったのが嘘のように、目に見えて脚が重くなってきた。多少のペースダウンは覚悟していたものの、時計を見ると8分57秒。一気に9分台が迫ってきた。

このままズルズル落としてはなるものか、と挽回を図る。ハイウェイ上の24マイル目、前を行くランナーを必死で追い、少しは持ち直したかと思いきや8分55秒。これが精一杯。

ようやくハイウェイを抜けるとハーフのランナーと合流する直線コースに出る。すでにスタートから3時間を過ぎている時間帯なので、ほとんどがウォーカーなのだが、それにしても邪魔なくらい多い。いくら疲れたとはいえ、さすがにウォーカーよりは速いので、どんどん集団を追い抜いて行く。25マイルのラップ、9分16秒。ついに9分を越えてしまった。しかし残りはあとわずかだ。ここまで来たら最低でもBQで逃げ切りたい。その一心で、途方もなく長いラスト・マイルを必死になって走った。

やがて26マイルの表示を通過。もう時計は見る余裕はない。最後の曲がり角を経て、ゴールのフォーサイス公園まで一直線のラストスパート。めくるめく大歓声の中、どちらがフルのゴールでどちらがハーフのゴールなのか、さっぱりわからなかったが、とにかく目の前に待ち受けるゴールゲイトをまっしぐらに走り抜けた。

Finish Time 3時間39分38秒(8:23/mile)。

通算43回目のフルマラソンで自己歴代5位。

最後の4マイルはまさに断崖絶壁のスリルを味わったが、どうにか22秒差でBQを確保した。
気候も良く、コースも概ねフラットだったのも幸いしたかもしれない。
もちろん昨年の絶好調時には及ばないが、9月の撃沈レースよりはずっと内容が良く、22マイルまでは完璧なレース展開だったこともあり、正直、十分満足してもいいと思う。最近の練習状況から見ても、これくらいが妥当なタイムではなかろうか。

ジョージア州制覇で、米国22州目に到達。
BQ達成州としてはデラウェア州(リホボス・ビーチ)、メリーランド州(B&Aトレイル)、ウィスコンシン州(ミルウォーキー・レイクフロント)、サウスカロライナ州(キアワ・アイランド)に続く5番目の州となった。

次は10週間後に予定しているテキサス州のヒューストンマラソン。
全米有数の高速コースという評価なので、万全の準備をして、昨年のミルウォーキー以来の3時間35分切りを狙ってみたいと思う。
忙しい師走の時期にどれだけ走り込めるかがカギになるだろうけど…

■MEMO■
総合順位 321位/3059人中
男女別順位 243位/1414人中
年代別順位 6位/77人中


★宿泊ホテルのすぐ目の前に荷物預かりのUPSトラックが待機。


★スタート前、白装束のエルヴィス・プレスリーを発見し記念撮影。


★ベイ・ストリートの夜明け。スタートの号砲を待つランナーたち。


★ロックンロール・シリーズ恒例のフィニッシュライン・コンサート。


★ステージでは熱い演奏が繰り広げられています。


★ヘビーメタルな衣装でハーフの部を完走した4人組。


★フルの部を完走した3人組もステージをバックに記念撮影。あれ? 何かおかしい・・・
滅多にないハプニングが起きているのがわかるでしょうか。

どうやらゴール時にハーフのフィニッシュゲイトに飛び込んでしまったらしく、そのままハーフのメダルをボランティアからもらっていたようです。幸い会場から立ち去る前に気がついたので、その場でフルのメダルと交換してもらうことができました。


★フォーサイス公園の白い噴水に向かうゴール後のランナーたち。


★打ち上げは有名な南部料理店パイレーツ・ハウスにて。


★パイレーツ・ハウスを仕切る海賊の女の子と1枚。

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