「ミス・ミナコ・サイトウ」
というお名前が
「ポジティブ・シンキング」
というフレーズとセットになって、一世を風靡しました。
「ミス・ミナコ・サイトウ」
今もって、どういうかただったのか、私は良くわからないのです。
当時私が見た雑誌の記事では、読者モデルの女性二人と、
「外国のリゾートでクルーズを」
というテーマで、艶然と微笑むミナコ女史の写真には
「アッパーなかたがたはこのようなリゾートの過ごしかたをなさっています。」
とか、キャプションが入っていたように記憶しています。
読者モデルの女性は「もっときちんとメイクを」とミナコ女史にアドバイスされていて、
「ポジティブ・メイク」
と称する、目が本来の2倍ぐらいの大きさになっていた、バービー人形のような濃い化粧が印象的でした。
そしていつのまにか「ポジティブ・シンキング」のブームも消え、
「ミス・ミナコ・サイトウ」はその後、若くしてお亡くなりになられたのでした。
今、ちょっと検索したら2002年ということで、ブームから10年後ぐらいのようですね。
おそらく、私なぞはミナコ女史のカテゴリーから見ると
箸にも棒にもかからない
「その他大勢のロウワーな方々」
の一人でしょうが、
「ポジティブ・シンキング」
これ自体はかなり良いことかもしれないと、だれも女史のお名前を口にしなくなった最近、時々思います。
-物事を前向きに考える
-物事を頭から拒否するのではなく、まず耳を傾けてから判断する
-出来ないことを数えるのではなく、出来ることを数えてみる
等々、いわゆる「経済格差」に関わりなくこういうふうに考え方を転回できたら
「人生ってそう悪くない」
と自分自身はもちろん、家族や周りの人たちに対しても、もう少し寛容になれそうな気がします。
ただ、自分自身のことについてはポジティブに考えすぎて客観的な判断ができないと
「タダの痛い人」
になりかねないので、常に冷静さとバランス感覚が求められますね。
私なぞ、ダメ人間の上に痛さがトッピングされると、エライことになってしまいます。
しかしミナコ女史が。あの当時に本を出してメディアに露出したのは良かったのかもしれません。
私は疎かったですが、一部で熱狂的に支持されていたのは確かだったし、ネットも普及してなかったので、
若い女性に夢と希望と憧れを与えて下さったとも言えましょう。
もう一度キッチリ本を読んでみたら、「アッパーvsロウワー」という単純な二分法はともかく、
単に「バブル期の御伽噺だから」で葬り去るのには惜しい内容だったりするかもですね。
ミナコ女史の価値観の基準は、女史が考えるところの「ヨーロッパのアッパークラス」のようなので、
アメリカ人の、無理矢理能天気に明るくしてるんちゃうんか的な「ポジティブ・シンキング」とは
少し違うかもしれません。
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