天安艦沈没事件について、あまりにも多すぎる謎が冷静に報じられることなく、きわめて危険な、戦争の危機を煽るかのような報道が横行しています。マスメディアの喧噪に惑わされることなく、真実を冷静に見ようとしなければ、とんでもないことになりかねません。現在入手した限りで、多すぎる謎について以下に述べます。
3月26日に、南北朝鮮の海上の境界のすぐ南のペンニョン島付近で韓国の哨戒艦「天安」が沈没するという事件が起きました。これについて2ヶ月近くもの間、その原因が調査され続けていました。
韓国人50名と米国・オーストラリア・英国、スウェーデンの専門家24人が参加した民軍合同調査団は、5月20日に以下の発表を行いました。
沈没の原因が魚雷攻撃によるものであること、ハングル表記のある魚雷の一部を海底から回収したこと、この事件の2~3日前から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の小型潜水艦艇とこれを支援する母船とが、黄海海軍基地を離脱し、その2~3日後に基地に復帰したのを確認したこと。以上のことから、「この魚雷は、北朝鮮の小型潜水艦から発射されたということ以外に説明できない」と結論づけられました。
※韓国哨戒艦沈没:北朝鮮魚雷が原因 合同調査団が断定(毎日新聞)
しかし、そもそもこの調査団発表ははたして真実なのでしょうか? 大いに疑問を感じざるを得ません。
最初に感じた疑問は、北朝鮮の潜水艦の魚雷攻撃によるものだというのなら、なぜそれを明らかにするのに2ヶ月近くもかかったのかということです。韓国と北朝鮮とが境界線付近で緊迫した状態にあることは周知の事実です。まさにその地域で起こった「戦争行為」なのです。ハイテクを駆使した軍備を備えているはずの韓国になぜそれがすぐにわからなかったのでしょうか。
この疑問をさらに深めるような情報が今どんどん出てきています。
ひとつは、韓国の軍事専門家たちが、この合同調査団の発表通りなら「まるで小学生野球チームがプロ野球団に勝ったようなもの」と評価している点です。
合同調査団は、北朝鮮の潜水艦が(1)公海の水中を通って外郭から迂回して潜入した後、(2)夜間に事故現場で待機していて、(3)天安艦を打撃して、(4)迅速に現場を離脱して潜入した経路に戻った、という発表を行っていますが、そのどれもが不可能に近いというのが軍事専門家たちの見方です。
(1)まず、公海からどのようにしてペンニョン島付近に北朝鮮が入ったのか、その経路がまったく明らかにされていないという点です。これは黄海から直接ペンニョン島付近に入ることは、水深の浅さや水流の速さ、多くの漁網の存在などで、かねてから不可能と考えられていたので、いわば“これしかない”とされたに過ぎません。
(2)北朝鮮の潜水艦は、夜間に行動するためには、夜間透視鏡で作戦地域を把握するために必ず浮上しなければならないと、『D&D FOCUS』誌(5月号)の北潜水艦分析記事で指摘されています。
また事故現場で待機していたということですが、北朝鮮の潜水艦が広い海の中で天安艦の航海経路をどうして正確に把握できたのかはまったく謎です。たまたま、待っていたら天安艦が通ったので魚雷を発射したら当たったというのはあまりにも無計画過ぎます。
(3)現場の海域は水中でも速い水の流れがあって、引き上げ作業さえ容易ではありませんでした。そうした場所でただ一発の魚雷で天安艦を沈没させることができるものなのでしょうか。
(4)以上のことを奇跡的にクリアしたとしても、潜水艦が現場から離脱するには、騒音が発生しその位置を容易に把握されてしまいます。当時、現場海域付近には、10隻あまりの韓国海軍艦艇と合同軍事演習中だった米国艦艇がいたのですが、それらはどうして北朝鮮の潜水艦のスクリュー音を観測できなかったのでしょうか。
まったく大きな疑問です。
(ハンギョレ新聞電子版)より
韓国の市民運動団体も5月20日にこの調査結果発表に対する疑義を表明しています。
第1に、「証拠」とされたハングルで「1番」と書かれたスクリュー片は、北朝鮮が魚雷を発射した証拠にはならないということです。そんなものは、訓練に使われたものが北側の海域からいくらでも潮の流れによって漂着しうるし、激しく腐食した破片の状態を見ても、それが今回の事件と関係していると見るのは難しいと、軍内部でも慎重論が出された
ほどです。
第2に、事件の真相究明のために必要な基本的な資料(事件発生前後の航海記録、交信記録、生存者の陳述など)を軍が公開していないという点です。しかも「決定的証拠」と主張する魚雷のスクリュー片が発見される以前から軍はすでに「北の攻撃」であると誘導していました。最初に結論ありきの調査であったと見なさざるを得ません。
第3に、事件発生の責任者である軍自身が調査を主導したというのは、被告人が検事となるようなものであって、その調査結果はとうてい信用できないということです。
こうした情報を見れば見るほど、「北朝鮮の攻撃」であるという調査結果を真に受けることはできないし、ましてやそれを前提にした「制裁」や沖縄への基地の固定化を正当化することはまったくできません。
韓国政府やそれを支持する米国政府、そしてこれによって基地問題を「解決」しようとする鳩山政権のやっていることこそが、東アジアを一層危機に陥れ、戦争の一触即発の危機を招く行動に他なりません。
※ところで、日本共産党の志位委員長はこの事件についての談話で、「北朝鮮は、関与を否定するならば、韓国側の証拠提示にたいして事実と根拠をあげて反証すべきである」と言っているのですが、これでは、まるで北朝鮮側に立証責任があるかのような言い方です。
おこなったことを立証するのは可能ですが、おこなっていないことを立証するのは不可能に近く、「悪魔の証明」と言われているくらいです。したがって、民事・刑事裁判とも、立証責任は訴えた側(検察)にあり、被告にはないというのが司法界の常識です。 志位委員長の談話は、この事件を戦争挑発に利用しようとする韓国政府の後押しをしているかのようです。
これまで見てきたように、この事件についてはあまりにも未解明の謎が多く、韓国が立証責任を尽くしたとはとても言い難い状況です。韓国と米国が北朝鮮に対して「制裁」を声高に叫び、日本の鳩山首相はこれに同調し、対北朝鮮の制裁強化を煽り始めています。鳩山首相は、行き詰まった普天間基地代替施設の辺野古新基地建設を正当化するための格好の材料に使おうとしているのは明らかです。
この事件を北朝鮮の脅威を煽ったり、軍事緊張を高めるために利用するのは許されません。
(鈴)
3月26日に、南北朝鮮の海上の境界のすぐ南のペンニョン島付近で韓国の哨戒艦「天安」が沈没するという事件が起きました。これについて2ヶ月近くもの間、その原因が調査され続けていました。
韓国人50名と米国・オーストラリア・英国、スウェーデンの専門家24人が参加した民軍合同調査団は、5月20日に以下の発表を行いました。
沈没の原因が魚雷攻撃によるものであること、ハングル表記のある魚雷の一部を海底から回収したこと、この事件の2~3日前から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の小型潜水艦艇とこれを支援する母船とが、黄海海軍基地を離脱し、その2~3日後に基地に復帰したのを確認したこと。以上のことから、「この魚雷は、北朝鮮の小型潜水艦から発射されたということ以外に説明できない」と結論づけられました。
※韓国哨戒艦沈没:北朝鮮魚雷が原因 合同調査団が断定(毎日新聞)
しかし、そもそもこの調査団発表ははたして真実なのでしょうか? 大いに疑問を感じざるを得ません。
最初に感じた疑問は、北朝鮮の潜水艦の魚雷攻撃によるものだというのなら、なぜそれを明らかにするのに2ヶ月近くもかかったのかということです。韓国と北朝鮮とが境界線付近で緊迫した状態にあることは周知の事実です。まさにその地域で起こった「戦争行為」なのです。ハイテクを駆使した軍備を備えているはずの韓国になぜそれがすぐにわからなかったのでしょうか。
この疑問をさらに深めるような情報が今どんどん出てきています。
ひとつは、韓国の軍事専門家たちが、この合同調査団の発表通りなら「まるで小学生野球チームがプロ野球団に勝ったようなもの」と評価している点です。
合同調査団は、北朝鮮の潜水艦が(1)公海の水中を通って外郭から迂回して潜入した後、(2)夜間に事故現場で待機していて、(3)天安艦を打撃して、(4)迅速に現場を離脱して潜入した経路に戻った、という発表を行っていますが、そのどれもが不可能に近いというのが軍事専門家たちの見方です。
(1)まず、公海からどのようにしてペンニョン島付近に北朝鮮が入ったのか、その経路がまったく明らかにされていないという点です。これは黄海から直接ペンニョン島付近に入ることは、水深の浅さや水流の速さ、多くの漁網の存在などで、かねてから不可能と考えられていたので、いわば“これしかない”とされたに過ぎません。
(2)北朝鮮の潜水艦は、夜間に行動するためには、夜間透視鏡で作戦地域を把握するために必ず浮上しなければならないと、『D&D FOCUS』誌(5月号)の北潜水艦分析記事で指摘されています。
また事故現場で待機していたということですが、北朝鮮の潜水艦が広い海の中で天安艦の航海経路をどうして正確に把握できたのかはまったく謎です。たまたま、待っていたら天安艦が通ったので魚雷を発射したら当たったというのはあまりにも無計画過ぎます。
(3)現場の海域は水中でも速い水の流れがあって、引き上げ作業さえ容易ではありませんでした。そうした場所でただ一発の魚雷で天安艦を沈没させることができるものなのでしょうか。
(4)以上のことを奇跡的にクリアしたとしても、潜水艦が現場から離脱するには、騒音が発生しその位置を容易に把握されてしまいます。当時、現場海域付近には、10隻あまりの韓国海軍艦艇と合同軍事演習中だった米国艦艇がいたのですが、それらはどうして北朝鮮の潜水艦のスクリュー音を観測できなかったのでしょうか。
まったく大きな疑問です。
(ハンギョレ新聞電子版)より
韓国の市民運動団体も5月20日にこの調査結果発表に対する疑義を表明しています。
第1に、「証拠」とされたハングルで「1番」と書かれたスクリュー片は、北朝鮮が魚雷を発射した証拠にはならないということです。そんなものは、訓練に使われたものが北側の海域からいくらでも潮の流れによって漂着しうるし、激しく腐食した破片の状態を見ても、それが今回の事件と関係していると見るのは難しいと、軍内部でも慎重論が出された
ほどです。
第2に、事件の真相究明のために必要な基本的な資料(事件発生前後の航海記録、交信記録、生存者の陳述など)を軍が公開していないという点です。しかも「決定的証拠」と主張する魚雷のスクリュー片が発見される以前から軍はすでに「北の攻撃」であると誘導していました。最初に結論ありきの調査であったと見なさざるを得ません。
第3に、事件発生の責任者である軍自身が調査を主導したというのは、被告人が検事となるようなものであって、その調査結果はとうてい信用できないということです。
こうした情報を見れば見るほど、「北朝鮮の攻撃」であるという調査結果を真に受けることはできないし、ましてやそれを前提にした「制裁」や沖縄への基地の固定化を正当化することはまったくできません。
韓国政府やそれを支持する米国政府、そしてこれによって基地問題を「解決」しようとする鳩山政権のやっていることこそが、東アジアを一層危機に陥れ、戦争の一触即発の危機を招く行動に他なりません。
※ところで、日本共産党の志位委員長はこの事件についての談話で、「北朝鮮は、関与を否定するならば、韓国側の証拠提示にたいして事実と根拠をあげて反証すべきである」と言っているのですが、これでは、まるで北朝鮮側に立証責任があるかのような言い方です。
おこなったことを立証するのは可能ですが、おこなっていないことを立証するのは不可能に近く、「悪魔の証明」と言われているくらいです。したがって、民事・刑事裁判とも、立証責任は訴えた側(検察)にあり、被告にはないというのが司法界の常識です。 志位委員長の談話は、この事件を戦争挑発に利用しようとする韓国政府の後押しをしているかのようです。
これまで見てきたように、この事件についてはあまりにも未解明の謎が多く、韓国が立証責任を尽くしたとはとても言い難い状況です。韓国と米国が北朝鮮に対して「制裁」を声高に叫び、日本の鳩山首相はこれに同調し、対北朝鮮の制裁強化を煽り始めています。鳩山首相は、行き詰まった普天間基地代替施設の辺野古新基地建設を正当化するための格好の材料に使おうとしているのは明らかです。
この事件を北朝鮮の脅威を煽ったり、軍事緊張を高めるために利用するのは許されません。
(鈴)
「天安」の沈没後、捜索にあたっていた韓国海軍の特殊潜水隊員1人が死亡する事故が起きました。
ところがその場所が、真っ二つに割れた「天安」が流された2つの場所のどちらでもなく、第3の場所だったという。
http://www.jajuminbo.net/imgdata/jajuminbo_net/201004/2010041053189202.gif
では、この死亡した隊員は何を捜索していたのか。
実は、「天安」の他にもう1隻、米軍の潜水艦が沈没しており、この隊員はその捜索にあたっていたと言われています。
このことは、韓国のKBSテレビが報じました。ところが、その後報道が規制されています。
KBSのサイトでは、過去のニュースも動画で見られますが、このニュースだけ見られないということです。
沈没した「天安」は、この米軍の潜水艦と同士討ちになり沈没したという説も流れています。
http://tanakanews.com/100507korea.htm
これは1つの仮説ですが、いずれにしても、この沈没の真相が隠されている以上、ほぼ時を同じくして、すぐ近くで沈没した「天安」についても、真相が隠されていると見るのが当然です。
孫元一は四月に20ヶ月に渡る修理に入ると発表され30ヶ月を過ぎた今も何処で修理されてるか不明です。現代重工にもドイツの設計した会社にも無いようです。