ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.123
(2025.4.23 報告)
(エクアドル: 大統領選決選投票後の状況 / 平和国家から米軍基地国家へ 要約)
【大統領選決選投票後の状況】
・ 全国選挙管理委員会が投票日の深夜に発表した結果は次の通り。97.68%開票で、ダニエル・ノボア(国民民主行動党): 55.63%、5,763,431票。ルイサ・ゴンサレス(市民革命党): 44.37%、4,595,969票。得票差は1,167,462票(約11%)。
・ 2月9日の第1回投票では、ノボアは有効投票数の44.17%、4,527,606票。ゴンサレスはほぼ同じ4,510,860票。得票差はわずか1万7,000票ほど。 / 今回ノボアは、約27%も得票率を増加させたことになる。一方、ゴンサレスは、第1回投票で5.25%の得票率だった先住民運動と強力な連携を達成していたにもかかわらず、第1回投票で獲得した票数からわずかな増加にとどまったことになる。
・ 「市民革命」運動の声明は、「発表された公式結果を断固として拒否する」とし、以下の諸点を指摘している。 1.不可解かつ選択的な票数削減 2.公式記録の操作 3.不正行為の視覚的記録を阻止するための違法な制限 4.国民の認識に影響を与えるためのCNEによる時期尚早の声明 5.主要投票所における不審な中断と技術的障害 6.選挙監視員に対する軍の脅迫と妨害 7.公式結果は科学的・統計的証拠と矛盾 8.投票所の恣意的な直前変更 【本文は下に。】
・ 「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」は、市民革命党候補への支持を表明する国際声明を発表。 / 「米州ボリバル同盟(ALBA-TCP)」は、これらの行為を「明白で計画的な選挙不正の実現を示している」として全面的に非難し、「すべての手順と措置の包括的な監査、およびそれに応じた透明性のある投票の再集計」を提案。 / その他、不正選挙に対する非難が数多く出されている。
【平和国家から米軍基地国家へ】
・ 2006年の大統領選でラファエル・コレアが勝利して07年1月に大統領に就任し、その下で08年に憲法改正が行われた。そのエクアドル憲法第5条には、「エクアドルは平和の領土である」「外国の軍事基地や軍事目的の外国施設を設置することは許されない」と明記されている。 / 米国は、当時エクアドルのマンタ空軍基地に米空軍を駐留させていたが、09年に撤退せざるをえなくなった。
・ コレアは、新憲法の下で09年4月の大統領選に勝利し、さらに4年後の13年にも勝利。17年に退任。 / コレア政権の下で副大統領であったレニン・モレノが、コレアの後継者として当選して17年から大統領になったが、支持した革命勢力を裏切り、コレア派を分裂させ、反動政権に転じて新自由主義政策を展開した。
・ 21年の大統領選の際に、退任後ベルギーに居住していたコレアが帰国しようとしたが阻止され、若い経済学者アンドレス・アラウスがコレアの後継者として立候補。だが、保守反動勢力の結束によって銀行家のギジェルモ・ラッソが勝利。 / 新自由主義的反動政策を展開するラッソ政権の下で、議会で多数派である革命勢力・進歩勢力と人民運動による反政府闘争が高揚し、ラッソ大統領の弾劾が成立する状況にまで前進した。
・ ラッソは、弾劾が成立する前に議会を解散し、大統領を辞任。23年8月20日に総選挙(大統領選と議会選)が行われた。コレア派は新たに女性のルイサ・ゴンサレスを候補者に立てて1位となったが、決選投票では保守派の結束によって2位のダニエル・ノボアが勝利した。議会選はコレア派「市民革命」党が圧勝、与党大敗。
・ ラッソ政権とノボア政権(21~25年)の下で、新自由主義政策がいっそう強化されただけでなく、23年に米国との軍事協定が締結され、軍事協力が進み、憲法第5条が形骸化し、米軍のプレゼンスが拡大された。 / 反動化していた憲法裁判所は、24年1月に、米軍の地位に関する協定は立法府を通す必要がないとの判決を下した。また、24年10月の段階で、憲法第5条を削除するという行政府の提案を適切だと認定した。反動勢力は憲法改悪を目指している。 / 24年12月には、ガラパゴス諸島(エクアドル領)に米軍基地を設置することが決められた。
・ 反動政権の下で、治安が悪化し麻薬組織がはびこり、テロ活動が横行する状況になった。 / 「麻薬戦争」は、米軍を駐留させるための隠れ蓑として機能している。 / 麻薬・テロ対策として、米国を含む同盟国の特殊部隊を一時的に受け入れることが今年の2月にノボア大統領によって行われた。
【下の記事は24年1月から25年2月の米軍進出関連のもの。】
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(エクアドル: 大統領選決選投票後の状況 / 平和国家から米軍基地国家へ)
【大統領選決選投票後の状況】
Peoples Dispatch April 14, 2025 by Pablo Meriguet
Ecuador’s inconclusive election: Victory for Noboa or grotesque electoral fraud?
(エクアドルの決着の見えない選挙:ノボアの勝利か、それとも甚だしい選挙不正か?)
ルイサ・ゴンサレスは、4月13日深夜、激しい演説で選挙結果を認めないと表明した。 / 今回の選挙結果は、近年の同国の選挙史上、最も驚くべき結果の一つとなった。全国選挙管理委員会(CNE)によると、午後0時55分時点で有効投票数の97.68%開票で、以下の結果となった。 / ダニエル・ノボア(国民民主行動党ADN):55.63%、5,763,431票。ルイサ・ゴンサレス(市民革命党RC):44.37%、4,595,969票。つまり、両者の得票差は1,167,462票(約11%)となり、集計が進むにつれてさらに拡大する可能性がある。 / 2月9日の第1回投票では、ノボアは有効投票数の44.17%、4,527,606票を獲得。一方、ゴンサレスは4,510,860票を獲得し、大統領とほぼ同票となった(得票差は約17,000票)。4月13日の選挙のほぼ完全なデータによると、ノボアは約26.7%の得票率増加を記録したことになる。一方、ゴンサレスは先住民運動と連携していたにもかかわらず、第1回投票で獲得した票数のわずか1.3%の増加にとどまった。先住民運動は第1回投票で5.25%の得票率だった。【以下、略】
Granma 14 de abril de 2025 23:04:32 Autor: Redacción Internacional (スペイン語)
La victoria de Noboa causó revuelo en la comunidad internacional
(ノボアの勝利は国際社会に波紋を呼んだ)
ラファエル・コレア元大統領は、この選挙プロセスを「大規模な不正」と呼び、票の減少が疑われると主張した。 / 「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」は、市民革命党候補への支持を表明する国際声明を発表し、今回の選挙結果は、この手続きを、国民主権の最も基本的な基盤を嘲笑するものに変える制度的操作の明確なパターンを反映していると述べた。 / 「米州ボリバル同盟(ALBA-TCP)」事務局は、これらの行為を「明白で計画的な選挙不正の実現を示している」として全面的に非難し、「すべての手順と措置の包括的な監査、およびそれに応じた透明性のある投票の再集計」を提案した。
teleSUR April 14, 2025 Hour: 9:20 pm
President Maduro Denounces Ecuador’s Election as “Shameful Fraud” Linked to US Imperialism
(マドゥーロ大統領、エクアドル選挙を米帝国主義とリンクした「恥ずべき不正行為」と糾弾)
ニコラス・マドゥーロ大統領は、エクアドルの選挙は右翼勢力と米国帝国主義によって仕組まれた「恥ずべき不正行為」だと主張し、地域への脅威を警告した。 / マドゥーロ大統領によると、この選挙プロセスは保守活動家マリア・コリーナ・マチャドが設立した右翼組織「Súmate」によって仕組まれたもので、同組織は「帝国主義」勢力から資金提供を受けていると非難した。 / マドゥーロ大統領は、これらの動きを「帝国主義的覇権」と結び付け、特に米国をこれらの策略の背後にある主力として指摘した。
teleSUR April 14, 2025 Hour: 2:28 pm
Network of Intellectuals Calls for the Defense of Democracy in Ecuador
(知識人ネットワーク、エクアドルにおける民主主義の擁護を訴える)
同ネットワークは、当局に対し、投票の完全な再集計を含む選挙プロセスと結果の透明性確保を強く求めた。 / 「ヒューマニティ擁護知識人・芸術家ネットワーク‐エクアドル支部(REDH-EC)」が発表した声明は以下のとおり。
(声明全文) REDH-ECは、選挙の24時間前にダニエル・ノボア大統領兼候補者によって発令された非常事態宣言により、政治的権利の深刻な侵害を受けたエクアドル国民に対し、深い連帯を表明する。この非常事態宣言は、基本的人権の停止を正当化するような特別な事態は発生していないにもかかわらず発令された。 / 選挙日及び選挙後も効力を維持していた政令599号は、集会の自由を停止し、通信の不可侵権を無効化し、「協力」義務を規定し、通信事業者及び関連団体に対し、個人又は組織の通信、データ、及び情報を法執行機関に引き渡すことを義務付けている。また、移動の自由を制限し、住居の不可侵権を剥奪するなど、独裁政権下でしか見られなかったような権利侵害も行なっている。 / REDH-ECは、「市民革命」運動、特にルイサ・ゴンサレス候補、そして国の復興に向けた議題で合意に達し2025年4月13日の選挙における不正選挙を非難した幅広い政治組織および社会運動連合との連帯を表明する。こうした背景を踏まえ、以下の通り提言する。 / 1.私たちは、法令599号の即時廃止とエクアドル国民の基本的権利の回復を求める。この法令は、緊急事態は2025年4月13日に行われた選挙行為のような政治的権利や民主的プロセスに影響を与えてはならないとする法理および国際規範に反する。 / 2.我々は、全国選挙委員会に対し、選挙プロセスとその結果の透明性を確保するよう強く求める。これには、投票結果の完全な再集計、民主主義法典および関連法令で定められた要件の遵守状況の分析が含まれる。例えば、公共インフラや資源の利用によって頻繁に違反された投票所内での選挙運動の禁止、そしてダニエル・ノボアの立候補に適切な承認がなかったことなどが挙げられる。 / 3.我々は、エクアドルの各機関に対し、民主主義秩序の維持、人権の尊重、そしてグアヤキル市長アキレス・アルバレスをはじめとする地方自治体に対するあらゆる形態の政治的迫害およびメディアによる迫害の終結を求める。 / 4.国際機関、選挙監視団、民主主義擁護者に対し、エクアドルが憲法秩序を回復し、あらゆる権威主義的行動を停止することを確実にするよう訴える。 / エクアドルは民主主義の中で生き、再び平和な状態に戻るに値する。
teleSUR April 14, 2025 Hour: 11:59 am
Ecuador is Under an Authoritarian Regime Disguised as Legality: Diego Borja
(エクアドルは合法性を装った独裁政権下にある: ディエゴ・ボルハ)
前副大統領候補は、全国選挙管理委員会を決選投票における不正行為で非難した。 / 「市民革命」の副大統領候補ディエゴ・ボルハは、teleSURとの独占インタビューで、ノボア政権が国家機構を利用して民主的なプロセスを操作したと述べた。投票開始のわずか数時間前に「非常事態」を宣言したことは、「通信の不可侵性といった基本的人権を侵害するものだ」「民主主義国家において前例のない措置だ」と。 / 「非常事態が選挙をコントロールし、反対派を迫害し、選挙審判員を沈黙させるために利用されるなら、民主主義などあり得ない」「エクアドルは合法性を装った権威主義体制の下にある」と付け加えた。 / 「政府主催のものも含め、11の統計調査が我々の勝利を示した。しかし、全国選挙管理委員会が現在主張しているような割合の差を示すものは1つなかった。先住民が多く住む州では、得票率の上昇が期待されていたにもかかわらず、実際には減少した!11の世論調査が間違っていたとは考えられない」とボルハは述べた。
teleSUR April 14, 2025 Hour: 9:04 am
Citizen Revolution Denounces Massive Electoral Fraud in Ecuador
(「市民革命」、エクアドルにおける大規模な選挙不正を糾弾)
エクアドル大統領選挙の第2回投票の結果は何百万人もの国民を驚かせた。数週間にわたり世論調査で首位を走っていたにもかかわらず、市民革命候補のルイサ・ゴンサレスは第1回投票で獲得した票数よりも少ない票数しか獲得できなかった。【実際の票数: 有効投票数の97.68%開票で、ノボア55.63%、5,763,431票 対 ルイサ・ゴンサレス44.37%、4,595,969票。得票差1,167,462票(Peoples Dispatch April 14, 2025↑)】 / ゴンサレスはCNEが提示した結果を拒否し、選挙詐欺を非難し、全面的かつ徹底的な票の再集計を要求した。「市民革命」運動は、候補者を支持し、以下の声明を発表した。
(声明全文)大統領候補のルイサ・ゴンサレスは、数百万人のエクアドル国民と共に、組織的な選挙不正の決定的な証拠に基づき、この日曜日に発表された公式結果を断固として拒否する。私たちは、自由な報道機関、各国大使館、そして国際社会が、エクアドルの民主主義に対するこの重大な侵害に対し、緊急に行動を起こすよう求める。 / 私たちは、以下の不正行為について、即時かつ独立した調査を求める。
1.不可解かつ選択的な票数削減: ルイサ・ゴンサレスへの票の数千数万票が不当に集計中に消失し、一方でダニエル・ノボアは多くの投票所で統計上あり得ないほどの票数増加を記録した。 / 2.公式記録の操作: 署名や法的効力のない数十枚の公式集計用紙が、ダニエル・ノボアに有利な結果のみを認定しており、選挙の透明性に関する基本的な基準に違反している。 / 3.不正行為の視覚的記録を阻止するための違法な制限: 投票所での携帯電話の使用は、最高3万ドルの罰金を科すという脅迫の下、違法に禁止された。これは、投票者が実際に誰に投票したかを画像で記録するのを防止することを明確な目的としていた。 / 4.国民の認識に影響を与えるためのCNEによる時期尚早の声明: 全国選挙管理委員会(CNE)の議長は、データが正式に統合される前に、ノボアに有利な暫定結果を発表し、国民の認識を操作した。 / 5.主要投票所における不審な中断と技術的障害: 戦略的な場所での予期せぬ停電、投票所の不当な早期閉鎖、電子送信における度重なる技術的障害が、票数の重大な変更を容易にした。 / 6.選挙監視員に対する軍の脅迫と妨害: 過剰な軍のプレゼンスは、独立した監視員と世論調査員の活動を意図的に妨害し、選挙プロセスの透明性を著しく制限した。 / 7.公式結果は科学的・統計的証拠と矛盾: 公表された結果は、少なくとも12の独立系世論調査およびギジェルモ・ラッソ元大統領に近いものを含む国際的に認められた統計モデルと矛盾している。「市民革命党」は、公式結果が数学的に不可能であることを示す決定的な科学的証拠を有している。 / 8.投票所の恣意的な直前変更: 「市民革命党」に所属する数千数万人の有権者が、指定投票所の突然かつ不当な変更の影響を受け、その結果、我々の支持者の投票率が人為的かつ統計的にあり得ないほど低下した。【「RC5」は「5」がよくわからないが「市民革命党」のこと。】 / エクアドルの民主主義に対するこの前例のない脅威に直面し、我々は、選挙の透明性と国民の意思の揺るぎない擁護への我々の絶対的なコミットメントを改めて表明する。
【平和国家から米軍基地国家へ】
Peoples Dispatch February 20, 2025 by Pablo Meriguet
A new Haiti? Daniel Noboa asks for foreign troops to enter Ecuador
(新たな「ハイチ」? ダニエル・ノボア大統領、エクアドルへの外国軍の進駐を要請)
2月19日、大統領府のコミュニケーション事務局は、右翼のダニエル・ノボア政権が「麻薬テロとの戦いを宣言する中で、軍隊と国家警察の行動を支援し強化するために、同盟国から特殊部隊を一時的に受け入れることを提案する」と発表した。「この意味で、ノボア大統領は、外務省に、この目的のために取り組みを調整し、協力協定を締結するためのアプローチを行うよう命じた」と述べた。 / エクアドル憲法第5条によれば、「エクアドルは平和の領土である。外国の軍事基地や軍事目的の外国施設を設置することは許されない。」 / 外国の軍事基地に対するノボアの支持 エクアドル人であるだけでなく米国市民でもあるダニエル・ノボアは、外国の軍事基地の導入のために憲法を改正したいという希望を何度も表明してきた。 / ノボアの声明は、数十年にわたり犯罪組織の力を弱めるために米軍の再進出を要求してきた国内の最も反動的な層から称賛されている。数週間前、政府はすでに米軍の船舶と軍部隊のガラパゴス諸島への進出を許可している。 / ハイチと同様のモデルが繰り返される可能性がある。つまり、第三国の軍隊が深刻な内戦を抱える国の領土に入り、社会を「鎮圧」しようとする一方で、裕福な国は兵士を危険にさらすことなく遠征に資金を提供するというモデルである。
Peoples Dispatch December 19, 2024 by Pablo Meriguet
Ecuador’s Galapagos Islands now open to US military
(エクアドルのガラパゴス諸島が米軍に開放される)
この決定は、エクアドル領土に米軍基地を再建するプロセスの一環である。この決定はエクアドルの主権を侵害するとして厳しく批判する声も上がっている。 / ダニエル・ノボアの政府は、米艦船と乗組員がガラパゴス諸島を、この地域の管制と巡視活動のために利用できるようにする決議を承認した。 / ノボア大統領は憲法改正を望んでいる 数か月前、ノボア大統領は、外国の軍事基地の設置を禁じている共和国憲法を改正する可能性を提起した。 / 決定に対する批判 ノボア大統領の決定は、同国のさまざまな政治部門から厳しく批判されている。
teleSUR December 17, 2024
What’s Behind the New U.S. Military Base in Galapagos
(ガラパゴス諸島の新米軍基地の背後にあるもの)
ダニエル・ノボア大統領は、ガラパゴス諸島に米軍基地を設置することに成功し、ワシントンが80カ国にまたがる約750の軍事基地のネットワークを拡大することを可能にした。これにより、米国は159カ国に駐留する約20万人の部隊を配備する場所をもう1つ得ることになる。これはワシントンのアメリカン大学のデイビッド・ヴァイン教授が詳細に文書化している。 / ガラパゴス統治評議会が承認し、米国との軍事協力協定に基づくこの決定は、12月10日に正式化された。具体的には、地位協定(SOFA)により、米国は同諸島に船舶、航空機、軍人を配備できる。 / 憲法違反 エクアドルの2008年憲法は、国土への外国軍基地の設置を明示的に禁止している。この原則は、ラファエル・コレア大統領の憲法制定プロセス中に導入され、2009年にマンタの米軍基地が閉鎖されるに至った。 / この憲法上の禁止を踏まえ、ノボア大統領は、外国軍の駐留を制限する条項を撤回する提案を国民会議に提出した。議会は提案の議論を拒否したが、ノボア大統領は憲法裁判所の承認を得て提案を推し進めた。
Peoples Dispatch October 18, 2024 by Peoples Dispatch
Blackouts and foreign military bases: the neoliberal proposals of Ecuador’s Noboa
(停電と外国の軍事基地: エクアドルのノボア大統領の新自由主義的提案)
エクアドル国民が10時間以上の停電に耐えている間、政府は外国の軍事基地の設置を提案。 / エクアドルは、現在、3つの根本的な危機に直面している。電力危機、経済危機(これは以前の危機によって悪化している)、治安危機である。これに直面して、ダニエル・ノボア政権の新自由主義的プログラムは、具体的な解決策を提示することができていない。 / エクアドルは、国民を10時間停電に陥れる深刻なエネルギー危機に見舞われている。現地のニュースでは、エクアドルが被っている莫大な経済損失について絶えず報じられている。エクアドル中央銀行によれば、最大40%の生産減少、労働者の解雇、企業の閉鎖は、2024年下半期に2.2%の経済縮小を記録するこの国が被っている結果のほんの一部に過ぎない。要するに、この国は「トンネルの先に光が見えない」のである。 / 外国の軍事基地 10月15日、憲法裁判所(CC)は、憲法を部分的に改正し、第5条「軍事目的での外国の軍事基地または外国の施設の設置は許可されない。国の軍事基地を外国の軍隊または治安部隊に譲渡することは禁止される」を削除するという行政の提案を適切と認定した。
Peoples Dispatch September 25, 2024 by Pablo Meriguet
Noboa wants to bring foreign military bases back to Ecuador
(ノボア大統領、外国の軍事基地をエクアドルに呼び戻したい)
先週、ダニエル・ノボア大統領は、外国の軍事基地の設置を可能にするため憲法を改正する意向を発表し、国民を驚かせた。2008年の国民協議で広く承認された憲法によると、第5条は次のように規定している。「エクアドルは平和の領土である。軍事目的の外国の軍事基地や施設の設置は認められない。国の軍事基地を外国の軍隊や治安部隊に譲渡することは禁止されている」と。 / 安全保障上の不安や破壊的グループをより適切に管理するという口実の下、米国は軍事、管理、諜報活動の強化を目的として、この地域全体に外国軍基地を設置してきた。現在、ラテンアメリカには(公に知られている)基地がいくつもある。パナマに12、プエルトリコに12、コロンビアに9、ペルーに8、ホンジュラスに3、パラグアイに2、キューバに1(キューバ当局の承認なしのグアンタナモ)で、アルバ、コスタリカ、エルサルバドルなどいくつかの国にも軍事施設がある。
Peoples Dispatch February 20, 2024 by Benjamin Zinevich
US troops will return to Ecuador, decades after removal by Correa
(コレア大統領による撤去から数十年、米軍がエクアドルに戻る)
ダニエル・ノボアは、麻薬密売グループとの内部武力衝突を宣言してから1ヶ月以上を経て、エクアドルに米軍を戻す計画を進めている。 / ノボア大統領は、2月15日、エクアドルと米国の軍事協力協定を批准した。違法な海洋活動に対抗するための共同作戦と国内における米軍の地位に関する協定は、ノボアの前任者であるギジェルモ・ラッソによって2023年9月に署名された。2024年1月23日に憲法裁判所が、協定は立法府を通す必要がないとの判決を下した後、若い大統領が批准した。 / キトとワシントンの軍事協力は、2009年、左翼のラファエル・コレア大統領が太平洋岸のマンタ空軍基地の米軍リースを失効させ、駐留米軍を帰国させたことで終わった。 / 研究者Andrés Tapia AriasとAndrés Madrid Tamayoによる最近の報告書によれば、エクアドルが経験するギャング関連の暴力の多くは、暴力と闘うと主張する同じ経済的・政治的エリートによって煽られているという証拠がある。 / 政府の対応が実際に問題に対処する上でどれほど効果的なのか疑問視する声も多く、これはいわゆる「麻薬戦争」を永続させるための新たな試みだとも指摘されている。
INTERNATIONALIST 360° on FEBRUARY 3, 2024 W. T. Whitney
U.S. Drug War Arrives in Ecuador (米国の麻薬戦争がエクアドルに到着)
麻薬戦争は、米軍や米国の代理人を予防目的で現地に駐留させるための隠れ蓑として機能している。 / 米南方軍司令部のローラ・リチャードソン司令官は、1月22~25日にエクアドルを訪れ、米軍の支援についてエクアドル政府の指導者たちと協議した。その中には、最近選出され、非常に裕福なダニエル・ノボア大統領も含まれていた。 / 今回の訪問を促したのは、刑務所での暴動と脱走、政治家の暗殺など、最近激化している犯罪と混乱である。 / エクアドルは、コロンビア、ペルー、ボリビア、ブラジルなどの国々で生産・加工されたコカインやその他の違法薬物を受け入れている。エクアドルの港であるグアヤキルやエスメラルダスから、その商品は米国やヨーロッパの消費者へと移動する。カルテルが以前使っていた中米やカリブ海を経由するルートは、あまり活発ではない。 / エクアドル政府は、最近「内戦状態」を宣言し、国内治安は陸軍が担当することになった。 2017~23年にレニン・モレノとギジェルモ・ラッソの両大統領の下で、政府は民営化、緊縮財政、国家サービスの縮小を取り決めた。現在、国内で活動する地域全体の強力な麻薬カルテルに対処するための資源が不足している。 米国の軍事介入はそのギャップを埋めるだろう。 / ラ米カリブ地域で行われている米国のいわゆる麻薬戦争は、ニクソン政権時代に始まった。1999~2015年の「プラン・コロンビア」や、2007~21年にメキシコに適用された「メリダ・イニシアティブ」などがその顕著な例である。米国のメディアは、挑発的に、麻薬カルテルを国際テロリズムと結びつけている。米国の麻薬戦争への支出は40年間で1兆ドルに達したと報告書は述べている。 / エクアドルは、最近、ラ米カリブ地域で最も主要な米軍支援の受け手になった。エクアドルの国防相は、アメリカ政府が7年間で31億ドルの軍事援助を「投資」することを示唆した。 / 【中略】 / 麻薬戦争は、予防目的で米軍や米国の代理人を現地に配置するための隠れ蓑として機能する。
Orinoco Tribune JANUARY 26, 2024
SOUTHCOM Chief: US Has a ‘5-Year Plan’ for Ecuador
(米南方軍司令官: 米国にはエクアドルのための「5カ年計画」がある)
米南方軍(SOUTHCOM)のローラ・リチャードソン司令官は、エクアドルの安全保障に関して、米国には「5カ年計画」があると述べた。 / 彼女は、また、米国で2023年10月1日に始まった2024会計年度について、SOUTHCOMは「エクアドルで合計124の活動を計画している」と詳述した。 / リチャードソンは、1月22日にエクアドルに到着し、ダニエル・ノボア大統領、ディアナ・サラザール司法長官、ジャンカルロ・ロフレド国防相、モニカ・パレンシア政府・内務相をはじめ、軍や警察の最高司令部、その他のエクアドル高官と会談した。リチャードソンのエクアドル訪問は、ギジェルモ・ラッソがエクアドル大統領だった2022年9月に続いて2度目である。 / リチャードソンは、「我々は、必要とされる装備品を100万ドル近く寄付する予定だ」と説明し、米南方軍とエクアドル軍の軍事協力において、両国は9340万ドルという〝非常に堅実な投資ポートフォリオ″を持っていると付け加えた。これには、軍備の移転、人道支援と災害対応、専門的な軍事教育、サイバー支援訓練、特殊部隊の交流などが含まれる。 / 先住民運動、米国とエクアドルの軍事協定の透明性を求める 「エクアドル先住民族連合(CONAIE)」は、ノボア大統領に対し、「国内武力紛争」の枠組みで米国と締結された協定を透明化するよう求めた。 / リチャードソンは、また、次のように述べた。「なぜこの地域が重要なのか? 豊富な資源とレアアース(希土類元素)、そして今日テクノロジーに必要なリチウム・トライアングルがあるからだ。世界のリチウムの60%はリチウム・トライアングル――アルゼンチン、ボリビア、チリ――にある」と。また、ベネズエラにある「世界最大の石油埋蔵量」、「世界の肺であるアマゾン」、「世界の淡水の31%」についても言及した。
Orinoco Tribune JANUARY 25, 2024
Washington Announces Increased Presence of Military & Intelligence in Ecuador (+Interference)
(ワシントンがエクアドルにおける軍と諜報機関の駐留強化を発表)
ワシントンは、エクアドルが組織犯罪と麻薬密売の結果、いわゆる「暴力の危機」に見舞われている中、エクアドルに警備チームを派遣し、FBIエージェントの駐留を増やすと発表した。 / ホワイトハウスの声明によれば、米国とエクアドルの当局者間の会談は今後数日間継続され、安全保障、麻薬対策協力、移民、経済開発などの分野における二国間協力の深化方法について話し合われる予定である。また、バイデン政権によれば、ワシントンはエクアドルに人員を派遣し、警察と検察の継続的な訓練を支援し、捜査能力を強化するという。 / 最近報道された暴力事件によってノボア大統領がエクアドルに例外状態を宣言した後、コレア大統領がエクアドルでの米軍の駐留を終了させてから数年後、エクアドルに米軍を戻すという待望のプロジェクトが現実になりつつある。 / エクアドル憲法裁判所は、エクアドル領土への米軍と国防総省の駐留を正式に許可した。国防総省が運用する航空機、船舶、車両は、新たな裁判所の判決により、エクアドル領内に出入りし、自由に移動できるようになる。
teleSUR Published 24 January 2024
Constitutional Court Authorizes US-Ecuador Military Agreements
(憲法裁判所、米エクアドル軍事協定を承認)
水曜日(1/24)、エクアドル憲法裁判所は、エクアドルと米国の間で締結された2つの軍事協定は国民議会の承認を必要としないとの判決を下した。 / ギジェルモ・ラッソ大統領(当時)が2023年に署名したこれらの文書は、「エクアドルと米国との間の不法な国際海洋活動に対する作戦に関する協定」と「エクアドルと米国との間の地位協定に関する協定」である。 / 最も注目すべき点として、これらの協定は、エクアドルが米軍または文民の職員による違反行為を訴追する可能性を放棄することを述べている。 / 米国防総省の職員は、エクアドル領土内で適用される税金や同様の料金を支払わないことが定められている。 / 米国防総省が運用する航空機、船舶、車両は、エクアドル領内を自由に出入国できる。 / エクアドルは、また、米軍と国防総省が独自の電気通信システムを運用するために、国内の無線周波数帯を使用することを許可する。 / 最後に、エクアドルは、〝内戦″における負傷や死亡に関する請求があった場合、米軍兵士に対する法的措置を〝放棄″することを約束する。
teleSUR Published 24 January 2024
Noboa's Deals With the US Compromise Ecuador's Sovereignty: Iza
(ノボアの対米取引はエクアドルの主権を危うくする: イサ)
「エクアドル先住民連合(CONAIE)」のレオニダス・イサ会長は、火曜日(1/23)の夜、teleSURとのインタビューの中で、ダニエル・ノボア大統領は国際的な麻薬密売に関連するグループとの「国内武力紛争」を口実に、国の主権を米国に譲り渡していると主張した。 / CONAIEは、1999年以来、ワシントンが対麻薬戦争として正当化しながらコロンビア領内で実施してきた「プラン・コロンビア」の失敗を繰り返さないために、ノボアが米国と合意する可能性のあるいかなる合意も開示するよう、公式声明を通じてノボアに促した。 / CONAIEは、米国の戦略は人権侵害、超法規的殺人、農民の虐殺、天然資源の違法な搾取、準軍事組織を伴ってきたことを想起し、「プラン・コロンビアは、我々が再現してはならない経験である」と警告した。 / CONAIEは、また、リチャードソン司令官が、南米の天然資源を〝国家安全保障″の問題として扱うことへの米国の関心を何度も表明していることを指摘した。 / レニン・モレノ政権(2017-2021年)とギジェルモ・ラッソ政権(2021-2023年)が実施した新自由主義政策によってエクアドル国家が弱体化している今、国際軍事協力における透明性は特に重要である。 / 2023年9月、ラッソはワシントンを訪れ、エクアドル領内における米軍兵士と艦船の駐留に関する協定に署名した。これらの協定の具体的な内容は、国務省によって公式に開示されていない。