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花と文。(暮らしと本と花と)

日々の心に残る記しておきたいこと。

角度。

2017年07月05日 | 言葉

色んな面があるんだね

そう、誰でも



 今日のこちらは、わりあい過ごしやすい一日でした。

 大雨の被害も聞こえてきています。

 まったく予測の出来ない気候に、不安になります。

 無事に去って行くのを祈るばかりです。


 ・・・・

 今日は、書棚の整理をしました。

 なんだか雑多な書棚。本を並べ眺めれば、自分の求めているものが見えてきます(^_^.)。

 3冊を処分することに。

 そして、久しぶりに谷川俊太郎さんの詩集を手に取る。

 実は、数日前より、ある詩が頭の中に浮かんできて

 探してみたけれど、見つからず

 もうひとつ…昔から好きだった詩を見つけました。

 
 ・・・・

 


  「おべんとうの歌」


  魔法瓶のお茶が
 
  ちっともさめていないことに

  何度でも感激するのだ

  白いごはんの中から

  梅干が顔を出す瞬間に

  いつもスリルを覚えるのだ

  ゆで卵のからが

  きれいにくるりとむけると

  手柄でもたてた気になるのだ

  (大切な薬みたいに
   包んである塩)

  キャラメルなどというものを

  口に含むのを許されるのは

  いい年をした大人にとって

  こんな時だけ

  奇跡の時

  おべんとうの時

  空が青いをいうことに

  突然馬鹿か天才のように

  夢中になってしまうのだ

  小鳥の声が聞えるといって

  オペラの幕が開くみたいに

  しーんとするのだ
 
  そしてびっくりする

  自分がどんな小さなものに

  幸せを感じているかを知って
 
  そして少し腹を立てる
 
  あんまり簡単に

  幸せになった自分に

  _____あそこでは
 
  そうあの廃坑になった町では

  おべんとうのある子は

  おべんとうを食べていた

  そして

  おべんとうのない子は
 
  風の強い校庭で

  黙ってぶらんこにのっていた

  その短い記事と写真を

  何故こんなにはっきり

  記憶しているのだろう

  どうすることもできぬ

  くやしさが
 
  泉のように湧きあがる

  どうやってわかちあうのか

  幸せを

  どうやってわかちあうのか

  不幸を


  手の中の一個のおむすびは

  地球のように

  重い


 


~・~・~・~

 

 久しぶりに読む谷川さんの詩の数々。

 ページをぱらぱらとしています。