―――――”完璧な生命” か
世界には完璧などというものは 存在しないのだヨ
陳腐な言い回しになるがネ
それは事実だ
なればこそ凡人共は ”完璧”に憧れ それを求める
だがネ
”完璧”に何の意味がある?
何も無い 何も 何一つだ
私は”完璧”を嫌悪する
”完璧”であれば それ以上は無い
そこに”創造”の余地は無く
それは知恵も才能も立ち入る隙が無いという事だ
解るかね?
我々科学者にとって”完璧”とは”絶望”だヨ
今迄存在したなにものよりも素晴らしくあれ
だが
決して完璧である莫れ
科学者とは常に その二律背反に苦しみ続け
更にそこに快楽を見出す生物でなくてはならない
つまり
”完璧”などという 頓狂な言葉を口にした瞬間に
既に君は私に敗北していたのだヨ
君を”科学者とするなら”の話だがネ
(涅マユリ)