本日、なぜか父の名前で招待券が来たので、試写会に行ってまいりました。
ええ、小さき勇者たち~GAMERA~に。
ええ、ガメラに・・・。
映画の出来はといえば、ツッコミどころ満載すぎ、逆に指摘するのが大人気ない気持ちにさせられる、ある意味、見事な子供映画でございました。
しかし、大人が満足しないからといって、それイコール、子供が受け入れるかというと、それは違う・・・。
映画は、このように展開致します。
前置き:
いまから30-40年前に、一度、ガメラと始祖鳥みたいなのが戦いまして、ガメラが
自爆して始祖鳥モドキを道連れにしたため、人類は(というか三重県民は)救われました。
ここのシーン、「三重県は確かに田舎やけど、そこまで人がいないわけない」と、三重県出身の母が微妙に不機嫌になるエキストラの少なさ。
このあたり、人件費の高い日本の悲しさでしょうか。
『HERO』で、何百・何千人のおじいさんを、普通に集めていた中国映画がうらやましい・・・。
ついでに、ガメラVS始祖鳥(もどき)。すっごい、ちゃっちい(笑)
不安のみなぎるスタートです。
さて、現代:
① 主人公の透少年、ガメラのタマゴ発見。孵化した亀をトトと名づける。ハートウォーミングなふれあい。
② でっかくなり、そろそろ隠し切れなくなったトトと、突然の別れ。ついでに隣のおねーさん(お約束な心臓病)とも、しばしのお別れ。透少年、トトの卵とセットになっていた赤い石を、勝手におねーさんにプレゼンツ。
③ 怪獣ジーダス来襲。透少年(の友達)、絶対絶命のピンチ!そこに颯爽(じゃないけど)と現れる、成長したトト改めガメラ。辛勝の後、自衛隊に名古屋に連行されるガメラ。
④ 突然、透少年は(何故か)悟る。トトに石を返さなければパワーアップできないことを。名古屋に向かう透少年(+お友達の兄弟)が、怪獣ジーダスもまた、名古屋へ(何故か)向かっていた。
病院へなんとかたどり着いたはいいものの、肝心の女の子はどこかに非難させられていて、石がどこにいったかわからない。どうする、透!
⑤ そのころ、石をもらったおねーさんもまた、(何故か)石がガメラに必要なことを悟る。しかし、手術後のため、自分では持っていけない。
そのとき、(何故か)ガメラには石が必要だということを感じた子供が、その石を持ってガメラの元へと走り出す。リレーのように渡されていく石。
⑥ ついに石、透へ。透、ガメラに石を渡す。バージョンアップしたガメラ、勝利。
⑦ 傷ついたガメラを回収しようとする自衛隊。が、その前に、子供たちが立ちふさがる。ガメラを連れて行かせはしない!その思いを汲み取って、ガメラは空へ・・・。
完。(えー。)
試写会観賞メンバーは、やはり子供づれが多かったのですが。
①②のシーン、彼らは確実に退屈していた模様。
透くんの台詞を意味なく繰り返してみたり(長い台詞は言えないところが、微笑ましい)するのにも飽きて、「おかーさん、おかしー」と、次第にやかましくなる子供たち。年かさのこどもたちは「あの亀がガメラなんだぜー」「きっと最後自爆だぜー」(・・・)と、早くもラストの予想をしていたり。しかも、結構あたってたな。どゆこと?!
このあたり、いまからでも間に合うので、編集することを角川に薦めたい。ええ、もうちょっとコンパクトにまとめては如何でしょうか、監督さん。
大人としては、ガメラのタマゴを発見するくだりの怪しい赤い光、あれ、なんでいままで地元のみなさんが気づかなかったのか、という不自然さに気をとられて、やはり気が散りましたね、このあたり。
あと、あの赤い石、あのアヤシさに頓着せず手を伸ばす透少年の姿に、小さい子の安全を守るために、どれだけの苦労を全国のお母さまがされたのかということが仄見えます。
ついでに、一日ごとに洒落にならないスピードで成長するトトに困って、一度は捨てようとするのですが、おっかけてくるトトに捨てることも出来ず(交通事故で母親をなくした透少年を追って、あやうくトラックに轢かれそうになるという演出は、ちょっとあざとすぎやしませんか、ねえ?
③のシーン。
さすがに、みな、盛り上がる。
しかし、①②は普通の亀だったのに、なんで大きくなったら目がアニメ絵なのか、ガメラという種族について、博士(ガメラ研究して30年の登場人物)に問いただしたい気持ちでイッパイです。
そして、子供向けなんだから、ジーダス(こっちは妙にリアルというかコワいから、ガメラとのギャップがありすぎて変)が人間を咀嚼したあと、お口の中が赤い描写はお止めになったほうが・・。
ついでに、紫色の舌でガメラを串刺しになさるのも、お止めに(以下略)
そういえば、私、ガメラって相当強い怪獣だと、なんの根拠もなく思っていたのですが、強くないです。ガッカリ。
初戦でジーダスに勝ったのも、単にジーダスの方がバカだったからとしか思えない・・・。なんで弱点(だろう。爬虫類の腹なんて)を丸見えにした状態、しかも身動きが取れない橋なんてロケーションで攻撃するかな、ジーダス・・・。
④⑤⑥ ここから、子供さんは、大興奮。子供だけで電車に乗って名古屋(三重県からね)まで行っちゃうんだもの。ジーダスが来て、大人が逃げ惑う中、ガメラの元へと勇敢に辿り着くんだもの!
でもさ、おとなは・・・。
「なんでそんなことがわかるのだ、少年よ」というクエスチョン・マークが激しく脳裏で点滅ですよ。
おねーさんとか、他の子供がそれを悟るシーンでは、もう、何を言えばいいのやら。
大体、なんで怪獣ジーダスも、三重県じゃなくて名古屋に来襲するのだろう。
三重県の何が悪かったのよ、ジーダス。
ガメラが捕らえられているのを察知して、先に殺しとこうと思ったのかと思えば、ガメラパワーアップ作戦を行っていた自衛隊の基地に来襲したはいいものの、とどめも刺さずに去っていったので違うようですし、赤い石を排除しようとしたのかと思えば気づいてもいなさそうだし・・・なぜだ、なぜ、わざわざ名古屋に??
まあ、辻褄はまったく合ってない(というか、あわせる気は全然なかったでしょ?)まま、ガメラがあっさり勝ったのはよかったんですけどね。
⑦ 子供たち、怪獣大決戦が終った時点で、もう見る気なし。「もうおわりー_」「まだー?」「トイレいきたーい」
・・・・・・・・・・・・多分、製作者は、ガメラをかばう子供たちに感動してほしかったんだろうけど・・・・・・・・・。
こどもって、残酷ね。
そして、大人としては、ボンクラな博士と国家公務員(キャリア)はともかく、市民のみなさんを安全に避難させようと頑張っていた、警察と自衛隊のみなさまを、なぜあんな風に邪険に扱ったのかが、いまいち納得がいきませんですよ。
まあ、子供映画だからなー。
GWのガメラの売り上げを見るのが、いろんな意味で楽しみです。