日本書紀 巻第二十九
天命開別天皇 八十四
・爵位を授ける
・草薙劒の祟り
・誓願させる
・燃灯供養と悔過
六月一日、
槻本村主勝麻呂
（つきのもとのすぐりかちまろ）に、
連という姓を賜りました。
かさねて、
勤大壹位を加えて、二十戸を封しました。
二日、
工匠、陰陽師、侍醫、大唐の學生、
及び、一、二の官人、
あわせて三十四人に爵位を授けました。
七日、
諸司の人等から、
功のある二十八人を選んで、
爵位を増加しました。
十日、
天皇の病を卜ったところ、
草薙劒の祟りとでました。
卽日、
尾張国の熱田社に送り置きました。
十二日、
雩（あまひき）をしました。
十六日、
伊勢王（いせのおおきみ）、
及び官人等を飛鳥寺に遣わして、
衆僧に勅して、
「近く、朕の身が不和である。
願わくは、
三寶（さんぽう）の威を頼り、
身体の安和を得たいと思う。
ここをもちて、
僧正、僧都、及び衆僧は、
誓願（せいがん）するように」
といいました。
則ち、珍寶を三寶に奉りました。
この日、
三綱（さんごう）、律師（りつし）、
及び四つの寺の
和上（わじょう）、知事（ちじ）、
あわせて現に師位のある僧等に、
御衣、御被を各々一具を施しました。
十九日、
勅して、
百官人等を川原寺に遣わして、
燃燈供養（ねんとうくよう）をしました。
かさねて大齋をして悔過（けか）しました。
二十八日、
法忍僧（ほうにんほうし）、
義照僧（ぎしょうほうし）の
養老のために、
各々三十戸を封しました。
二十二日、
名張（なば）の厨司が災いとなりました。
・雩（あまひき）
雨乞い
・三寶（さんぽう）
仏・法・僧
・誓願（せいがん）
神や仏に誓いを立て、物事が成就するように願うこと
・燃燈供養（ねんとうくよう）
灯燭をともすこと。また、その灯。法会に際してはたくさんの灯を燃やして仏を供養する
・悔過（けか）
罪や過ちを悔い改めること。 特に、罪過を懺悔 (さんげ) し、罪報を免れるために仏前で行う儀式
・名張（なば）
現在の三重県名賀郡と名張市辺
（感想）
（朱鳥元年）
６月１日、
槻本村主勝麻呂に、
連という姓を与えました。
かさねて、
勤大壹位を加えて、
二十戸を封しました。
２日、
工匠、陰陽師、侍医、大唐の学生、
および、一、二の官人、
あわせて３４人に爵位を授けました。
７日、
諸司の官人たちから、
功績のある２８人を選んで、
爵位を増加しました。
10日、
天皇の病を占ったところ、
草薙剣の祟りとでました。
即日、
尾張国の熱田社に送り置きました。
１２日、
雨乞いをしました。
１６日、
伊勢王、
および官人らを飛鳥寺に派遣して、
衆僧に勅して、
「近頃、朕の身が不和である。
願わくは、
三宝の威を頼りに、
身体の安和を得たいと思う。
そこで、
僧正、僧都、および衆僧は、
誓願するように」
といいました。
そして、
珍宝を三宝に奉りました。
この日、
三綱、律師、
および四つの寺の和上、知事、
あわせて現に師位のある僧らに、
御衣、御被を各々一具を施しました。
19日、
勅して、
百官の人らを川原寺に派遣して、
燃燈供養をしました。
かさねて大齋をし、
罪報を免れるために仏前で儀式をしました。
２８日、
法忍僧、義照僧の養老のために、
各々三十戸を封しました。
２２日、
名張の厨司が火災となりました。
明日に続きます。
読んでいただき
ありがとうございました。
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