Officer's '70s Theater

'70年代の恐竜的ハイパワー車ファンが昔を懐かしむブログ

第27囚人戦車隊

2012-12-03 16:00:22 | 映画(戦争)
Sven Hassel:Lánctalpak

1986年デンマーク映画
原題:Die GALGENVOGEL
英題:Wheels of Terror
監督:ゴードン・ヘスラー

主演:日本では無名のデンマーク人やドイツ人の俳優たち
出演有名人:デビッド・キャラダイン、オリバー・リード

ナチス・ドイツの戦車連隊長が東部戦線で「罪を犯した囚人兵」を集めて「刑の赦免」を条件に命がけの危険な任務を命じるというアクション映画です。

連隊長は『厄介者は早く戦死してしまえ』と思っていますが、囚人兵の腕が良いので生き残ってしまうケースが続きます。無事に帰還したら酔って騒ぎを起こして連隊長の面子を潰す事の繰り返し。(笑

最終的に連隊長は囚人兵達に「ソビエト兵の軍服を着て、敵地の奥深くに潜入して補給基地を破壊する特殊任務」を命じます。成功すれば西部戦線に転属させてやるという条件で。(笑
もし任務に成功しても、ソビエト兵の軍服のままドイツ軍の前線に帰還すれば誤射に見せかけて殺害してしまおうという魂胆が見え見えです。
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ミリタリーマニアにとってはMP40だけでなくPPshなどの小道具からT-34/85やSU-100の大道具に至るまで「西側の映画では余り見られない兵器」が躍動する場面を観られるのが嬉しい映画です。

ヤークトパンター役でSU-100にハーケンクロイツを描いた車両が出ているのは自然なのですが、四号戦車役で(似ても似つかぬ)T-55が出ているのがB級映画感を増幅しており、残念です。

ソビエト軍ならではの「美人の女小隊長が指揮する歩兵部隊」が彼らの前に出現して驚いたりするのも西側映画では珍しい演出です。

女性兵士が男性兵士と対等に扱われ、ザコ寝しながら戦い死んでゆく描写はジュード・ロウ主演の映画「スターリングラード」にも出てきますが、究極の男女同権社会です。
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囚人兵と言っても「上官の理不尽な命令に反抗しただけの常識人」も居れば「善人だが痴呆で怪力なので誤って殺人してしまった」というフランケン的な男や「沸点の低い飛び出しナイフ使い」も居て、バラエテイ豊かなチーム構成です。
彼らの戦車兵としての腕前は一流で、序盤には戦車戦で多数の敵T-34を撃破する見せ場があります。

見所は彼らの戦友愛と人間味のあるチームワークで、その反骨精神と「人を食った悪戯」は米国映画「ポリス・アカデミー」を思わせます。
日本映画の「兵隊やくざ」シリーズにも似ていますし、「ドイツ戦車兵版 MASH!」とも形容出来ます。

途中でソビエト軍の軍用犬(地雷犬)が出てきますが、可愛いそのライカ犬は爆薬を背負っており「ドイツ戦車を見たら車体中央下部に潜り込み、磁気感知信管で自爆するよう訓練された自爆兵器」なのが悲しみを誘います。
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敵地の奥深く潜入する途中で、彼らは「若い兵士のサンクチュアリ」に迷い込みます。

そこではドイツ兵とロシア女兵士が混じって共同生活しており、『俺たちは戦争が終わるまで、ここで酒を飲みフリー○ックスで平和に楽しく暮らすんだ。君たちも加わらないか?』と誘います。

任務を放棄してサンクチュアリに加わりたい誘惑に駆られながらも、「現実逃避はダメだ。前に進もう。」と戦車兵たちはその場を去ります。


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