Officer's '70s Theater

'70年代の恐竜的ハイパワー車ファンが昔を懐かしむブログ

キャノンボール

2009-04-03 21:51:12 | 映画(車)
アメリカン・カー・チェイス(大陸横断公道レース)No.4

キャノンボール(The Cannonball Run)
1981年作品。DVD化済み。
主演:バート・レイノルズ(Burt Reynolds)
共演がジャッキー・チェン、ロジャー・ムーア、フランク・シナトラ等の超豪華キャスト。

「トランザム7000」でヒットを飛ばしたハル・ニーダム監督+バート・レイノルズの黄金コンビで作られた映画。
オープニングのカウンタックの疾走と運転するブロンド美女は圧巻。
YouTube - Canon Ball Run 1
http://www.youtube.com/watch?v=wFB6FfaNQ40

この映画に「車を擬人化した追跡と派手なクラッシュ場面の連続」を期待してはいけない。基本思想はトランザム7000だから、あくまで俳優がメインの映画。
ジャッキーの為に無理矢理カンフー格闘場面を入れている。
カーマニアよりも一般家族向けのコミカルなドタバタ劇だ。
「正義のヒーロー!ミスター・ケイオス」のネタが面白い。

<続編>
キャノンボール2(The Cannonball Run II)
1984年
主演:同上
オープニングのカウンタックの疾走と(以下同文)
豪華キャストで一般家族向けのコミカルなドタバタ劇。
単独で見れば、そこそこ面白い。だが前作以上の刺激は無い。
YouTube - CannonBall Run 2
http://www.youtube.com/watch?v=Hi4ccVBsZEM

トランザム7000

2009-03-25 22:13:52 | 映画(車)
アメリカン・カー・チェイス(大陸横断公道レース)No.3

トランザム7000(SMOKEY and the BANDIT)
1977年作品。(2005年にDVD化)
ハル・ニーダム初監督作品。
主演:バート・レイノルズ(Burt Reynolds)、ジェリー・リード(Jerry Reed)
車:1977ポンティアック・ファィアバード・トランザム(黒のJPSカラー)
ボンネットのバルジ横に6.6****と金色で書いてあるが、判読できなかった。
排気量400ci=6,600cc又は440ci=7,200cc(!)米国V8エンジンの恐竜的進化の最終形態である。

厳密には公道レースではなく、違法なビール輸送で3つの州の長距離往復を試みる18輪大型トラックと援護のスポーツカーの逃亡劇。
スポーツカーが派手に違反をしてパトカーを引き付け、そのスキに18輪大型トラックをノーチェックで通過させようという計画だ。
途中で偶然に「結婚式場を逃げ出した花嫁」を拾ってしまった事から、花婿の父である厳格な郡保安官から執拗に追われる事になる。
YouTube - Smokey and the Bandit Trans Am
http://www.youtube.com/watch?v=nZZPalUHlxc

スモーキーとは警官・パトカーの隠語であり、バンデイット(山賊)やスノーマン(雪男)はCB無線でのニックネームである。
あちこちに南部出身者のカントリーミュージック好みとCB無線の普及と反骨精神の発露(警察への妨害)が見られる。
カントリーミュージック+CB無線と言うと、米国版トラック野郎映画の「コンボイ」が思い出される。
リア・ナンバープレートの標記は「BAN-ONE」となっているが、24×6桁も必要なほど登録台数が多いらしい。
フロントナンバープレートに南軍の旗のプレートカバーを被せているのは違反じゃないのだろうか?(笑

オープニング曲でバンデイットの武勇伝が語られるのは、ちょっと「OK牧場の決闘」を思い出す。日本の浪花節にも似ている。
----以下 意訳---------------------------------
伝説の男「バンデイット」
18輪トラックで山脈の長い下り坂を下っている最中に、ブレーキが壊れたと彼からの無線が入った。
誰もがクラッシュしただろうと思いながら救助に向かったら、彼の18輪トラックが物凄い勢いで坂を下ってきた。
バック状態の片手運転で運転席の窓から身を乗り出して「どけ、どけー!道を空けろー!」と大声で叫びながら。
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テーマ曲「East Bound And Down」はジェリー・リードの大ヒット曲として今でも洋物MP3サイトに残っている。
陽気なバンジョーの響きが似合う楽天的な映画だ。ヒットした事によりシリーズ化され、第三作まで作られた。ただ、第三作は監督・主演が違うので、別物と見る向きも有る。

関係動画を探していると、2つの事に気付く。
1.カントリー・ソング歌手ジェリー・リードが如何にファンから愛されていたか。
2.役者バート・レイノルズが如何に「最悪のダイコン役者」扱いされているか。
  ただ、中途半端なダイコンではなく最悪と称されるのは、親しみ・愛情の発露と見る事ができる。
  現に観客は映画をボイコットする訳でもなく、映画館に足を運び続けているのだから。
  ダイコン役者と言われても神経質に反論したり告訴したりしない「大物」だという側面もある。
  その点ではランボーの不死身主役シルベスター・スタローンと似ている。
YouTube - Hot shot 2 (body count)
http://www.youtube.com/watch?v=4vUD2iUr5To



爆走!キャノンボール

2009-03-22 00:44:08 | 映画(車)
アメリカン・カー・チェイス(大陸横断公道レース)No.2
爆走!キャノンボール(Cannonball)
1975年
主演:デビッド・キャラダイン
車はレース開始時はオレンジ色のファイアバード。悪役の妨害に遭って乗り換え、最後はライトグリーンのシェルビーGT350又は500。

アメリカ大陸を横断する公道レースを描いた映画。日本では劇場未公開作だが、吹き替えでTV放映された。(日曜洋画劇場かゴールデン洋画劇場か忘却)
1981年のバート・レイノルズ&ジャッキーチェン主演作「キャノンボール」(The Cannonball Run)と混同される事が多いが、こちらは役者のギャラをケチってカースタント(=クラッシュ)に力を入れた渋いB級作品。
【オレンジ色ファイアバードの動画】
YouTube - Cannonball (1976) - car chase
http://www.youtube.com/watch?v=ZDPl98g0o_Q

「デ・トマソ・パンテーラの雄姿が見られる」と言えば聞こえは良いが「ランボルギーニ・カウンタックを(予備車を含めて)揃える予算が無い」とも言える。

この作品は「まず悪役を延々と暴れさせて、最後に神が鉄槌を下してスッキリさせるパターン」を狙ったのだろうが、全く成功していない。
悪役が銃を使ってサディスティックに「極めて自己中心的な犯行」をする場面が多いので、後味の悪い作品だと言える。
日本の配給会社がこの作品を買い付けなかったのも、判る気がする。

ただ、カーキチにとっては希少な初代マスタング・シェルビーを見られる数少ない映画のひとつだ。録画しなかったのが悔やまれる。
個人的に、マスタングもセリカも初代が最も格好良いと思う。シェルビーの初代GT350はレース目的にチューン改造された「尖がった車」だったが、マスタングのマイナーチェンジ後にフォードのカタログモデル(スポットランプが角型)になると「オートマにエアコン付きの快適車」化した。
GT350=4700cc、GT500=7000cc(ボデイー外観からは区別できない)というV8の燃料ガブ飲みエンジンが許された時代は、もはや遠い昔だ。
【ライトグリーンのシェルビーの動画】
YouTube - 爆走キャノンボール
http://www.youtube.com/watch?v=nxhusnZRRwU

2000年のニコラス・ケイジ主演作「60セカンズ」が二代目マッハ1ではなく初代シェルビーGT500を使ったのには、決死の長距離ジャンプという目玉シーンと合わせて、この作品の影響が窺える。

激走!5000キロ

2009-03-20 00:54:11 | 映画(車)
アメリカン・カー・チェイス(大陸横断公道レース)No.1
激走!5000キロ(The Gumball Rally)
1976年作品(VHS)
主演:マイケル・サラザン
車:ACコブラ(青)vsフェラーリ・デイトナ(赤)


アメリカ大陸を横断する公道レースを描いた映画。
優勝トロフィーがガムボール・マシンで、走るのはストレス解消目的のスピード狂揃いだ。車もポルシェなど速い車種が揃っている。(偽装車やバイクも参加。)
スピード違反の違法運転になるのは当然だから、警察があの手この手で検挙しようと待ち構える中で、捜査網をかいくぐって実施する。当時の実話をベースにしているから、(そのお馬鹿加減は)凄い。

つい最近まで主役はピーター・フォンダだと思い込んでいたけど、主役はどうでも良いくらい、ライバルのイタリア人レーサー「フランコ」役のラウル・ジュリアが抜群に面白い!
YouTube - Raul Julia as Franco
http://www.youtube.com/watch?v=f8FnNiplNTg

主役から「イタ公なんかに負けないぜ」とか「ママが呼んでたぜ?」と冗談を言われた彼が「お前は俺の国を侮辱し、俺を侮辱し、俺のファミリーを侮辱し、俺の母を侮辱した!警告したにもかかわらず!・・・もう、冗談は終わりだ!」と言って拳銃を取り出す。
イタリアマフィアのイメージと銃犯罪が多いアメリカの国情から、誰だって本物の銃だと思い込みますぜ旦那。(笑
そしてイタリアン・ドライブ・テクニックというのは、バックミラーを投げ捨てて、前だけを見て走るらしい。フェンダーミラーまでは外さないが。(笑
赤いデイトナのオープンタイプには、白い絹のマフラーが良く似合う。そういえば、映画「紅の豚」でも、そうだった。
他車を抜き去る際の「アリベデ~~ルチ!」という陽気な捨て台詞も良いし、途中で歌うサンタルチアも面白い。
あと、レースの途中にガソリンスタンドで美女に出会って即ナンパ、あっさりレースを一時放棄してモーテルへ直行する奔放さが羨ましい。(爆

新バニシングin60スピードトラップ

2009-03-18 22:19:11 | 映画(車)
アメリカン・カー・チェイス(自動車窃盗)No.3
新バニシングin60スピードトラップ(Speedtrap)
1977年作品(VHS)
主演:ジョー・ドン・ベイカー
車:1967ダッジ・チャージャー(赤白ツートン)

自動車を盗みまくり、警察を挑発しながら逃げ回る愉快犯「ロード・ランナー」とそれを追う探偵(ジョー・ドン・ベイカー)のチェイスを描く。
周囲の人々にも「絶対に捕まらないロードランナー」のニックネームは知れ渡っており、逃走中に何度も事故を起こして迷惑をかけるのにもかかわらず、見物人から「もっと逃げろ、捕まるな!」と囃し立てられる始末だ。
犯人は金銭目的ではない為、逃げる途中で高級車を何度もぶつけて壊したり、挙句に乗り捨てて逃げたりする。クルマ好きから見ると邪道である。(笑

ジョー・ドン・ベイカーのテーマ曲「American Saint」のぶっ飛んだ歌詞が面白い。
というか、この曲を楽しめない人は映画全体が気に入らないはずだ。
YouTube - Speedtrap (1977) - car chase (2)
http://www.youtube.com/watch?v=5j1n8Upw6kk

リモートコントロールであらゆる車の開錠やエンジン始動が出来る「夢の機械」が存在するという設定が、安っぽいマンガ的で邪道である。(爆

途中で何度も登場する「自動車教習中のトロすぎる女」のプロットは、後に仏映画「TAXI」でも使われた。

色々な名車がとっかえひっかえ出てくる中で、銀色のダットサン240Z(初代フェアレディーZ)も盗難車として登場する。
米国映画「バイオニック・ジェミー」にも登場する240Zは、「コンパクトなスポーツカー」として日本国内の10倍以上の台数が米国で売れていた。
このため、フェアレディーZのハンドブレーキが、日本用の右ハンドル車でも「左ハンドル用の最適位置」に最初から付いていたのは有名な話。

日本の配給会社が勝手に「新バニシングin60」の名前を付けたのだが、H・B・ハリッキーとは何の関係もない全くの別物だ。
配給会社の担当者は「どうせ馬鹿な客どもは、こうでも名付けないと観に来ないだろう。」と考えたのだろうか?


※ロード・ランナーとはアニメ「ルーニー・テューンズ」Loony Tunesに登場するダチョウのような超俊足の動物。話す能力は無く、クラクションのように「Beep ! Beep ! 」と鳴くだけなのが特徴。
悪いコヨーテが食べようと狙うのだが、いつも逃げられてしまうという喜劇を演じる。