Officer's '70s Theater

'70年代の恐竜的ハイパワー車ファンが昔を懐かしむブログ

大侵略

2014-06-24 16:29:26 | 映画(戦争)


邦題:大侵略
原題:Play Dirty
1968年英国映画
主演:マイケル・ケイン、ナイジェル・グリーン

<あらすじ>
第二次世界大戦の北アフリカ戦線。ロンメル軍団と激闘を繰り広げる英軍に「内陸部にドイツ軍の秘密燃料集積所を発見」の情報が入る。
英陸軍大尉ダグラス(マイケル・ケイン)は「前科者ならずもの部隊を率いて敵の支配地域に潜入し、燃料基地を爆破する特殊任務」を命じられる。

<題名>
原題は「汚く立ち回れ」という、米国映画には絶対無い、いかにも英国映画らしい捻くれたものです。
米国人は「正義に反する命令には公然と反抗」しますが、英国人は「結果が全てで、どんな汚い手段を使っても許される」という思考形態です。

<人間模様>
潜入作戦中にアラブ人の民兵集団を発見しますが、「敵対勢力か協力者か判らない」というスリル。結果的に皆殺しにします。(;^ω^)

任務途中でブービートラップに引っ掛かって仲間が負傷すると、ドイツ兵に変装してドイツ軍の救急車を襲います。看護婦を捕えますが、この看護婦の「男に負けない闘争心を持った格闘」が凄い。(笑
長期間、男ばかりで潜入任務しているストレスから、3人の英兵がこの看護婦を犯そうとしますが、手当てを受けている負傷者がそれを妨害します。
この看護婦の運命は如何に?

砂嵐の中で濃密な地雷原を抜け、苦労して内陸部の目的地に到着すると、燃料集積所で第一のどんでん返し。
更に燃料タンクを探してドイツ軍支配下の港に潜入した「ならずもの部隊」は、ドイツ軍の待ち伏せを受けます。第二のどんでん返し。
そのあと更に第三のどんでん返しが・・・

<暗いラスト>
デンマーク映画の「第27囚人戦車隊」では、敵地に潜入した「ならずもの部隊」は結果的に「無事に味方の前線の塹壕に帰還」します。米国映画でも大抵はそうなるでしょう。しかし英国映画ではそうはなりません。

ストームゲート

2013-10-02 10:10:36 | 映画(戦争)
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2010年ロシア映画
監督:アンドレイ・マリュコフ
主演:ミハイル・ボルチェンコフ、ヴァチェスラフ・ラズベガーエフ、アナトリー・パシーニン

<TV映画>
これは元々、TVの連続ドラマ枠で放送されたものを2時間映画にまとめたものです。なので「恋人の回想シーン」が短く切れ切れに挿入される結果になり、やや違和感があります。

<あらすじ>
1994年の第一次チェチェン紛争。武装勢力の支配地域と政府軍の軍事境界線である丘稜地「ストーム・ゲート」を守るロシア軍一個中隊(80~100名)がチェチェン兵1,000名に包囲され、決死の陣地防衛戦が始まる。

<特徴>
米国映画のプラトーン、プライベート・ライアン、そしてスクワッド(Siege of Fire-base Gloria)の影響を受けています。
23mm機関砲で撃たれた敵兵の腹が吹っ飛ぶ描写や、88mm迫撃砲の至近弾を受けたロシア兵の腕が千切れ飛ぶなど、リアル指向が随所に見られます。
ただ、敵兵が「命知らずにも」棒立ちのまま横隊になって機銃陣地のある丘を登ってくる描写は余りに非現実的であり敵を「無能な狂信者」に描き過ぎで、そんな欠点までも「スクワッド」に似ています。

主役のドロニン中尉(アナトリー・パシーニン)は線が細く、何となくマーチン・シーンに似ています。

脇を固める歴戦の士官ワレーラ(ミハイル・ポレチェンコフ)は2005年の映画「アフガン」で新兵訓練所の鬼教官を演じたマッチョな大男です。


ロシア軍に協力するチェチェン人傭兵シャーフ(ヴァチェスラフ・ラズベガーエフ)は「一人で敵地の中に放り込んでもサバイバルして帰ってきそうな、頼りになる戦士」です。


この作品の目玉は「ロシア軍全面協力」で、実物のMi-24ハインド2機編隊が要所で支援銃爆撃に登場し、守備隊が空挺歩兵戦闘車BMD-1を4両持っているなど、大道具に比較的ゼニがかかっているところです。地上攻撃ヘリ:ハインドの恐るべき破壊力が良く表現されています。

<BMD-1歩兵戦闘車>
一般的なBMP-1歩兵戦闘車を元に落下傘投下可能なようにアルミ装甲に再設計して軽量化したもので、外観ではノーズ部分が船首型になっているのが特徴です。
移動時に歩兵が車両上部にしがみ付いたり座ったりしていて一見、無用心に見えますが、これには理由がありました。

1.リアエンジンなので後部大型ドアが無く、上部ハッチから狭い車内に出入りしなければならないので、いざ飛び出す際に高い位置に身を晒すことになる。それくらいなら車上から飛び降りて陰に隠れたほうが生存性が高い。
2.車内兵員室が極端に狭く、内部に1時間も入っていると、それだけでエコノミークラス症候群になってしまう。
3.装甲が薄いので14.5mm重機関銃(米軍のM2ブラウニング12.7mmに相当)で簡単に貫通されてしまうし、地雷で簡単に床が抜けてしまうので、文字通り「鉄の棺桶」であり、会敵したら絶好の大型攻撃目標となるので、歩兵は一刻も早く車体を離れて散開したい。

「泣きっ面に蜂」で、BMDやBMPの最大の欠点は、主砲の76mmグレネードランチャーの弾体が横風の影響を受け易く、500mで命中率が50%しかない点です。つまり敵歩兵が持つ有効射程1,200mの14.5mm対戦車ライフルに容易にアウトレンジされてしまうのです。(;^ω^)

<小火器>
兵が持っている銃はAK-74とドラグノフ狙撃銃とPK機関銃です。敵軍も元はワルシャワ条約機構軍だったので全く同じ銃・弾薬を使っています。
PK機関銃は西側の機関銃とは反対で、右からベルト給弾する機構なのが珍しいです。弾薬ベルトは金属製非分離式で、25発用を4連結して100発ベルトにして弾薬箱に収め、銃の下に装着して使います。
米軍のM60のようにキャリングハンドルを使ってワンタッチで銃身交換が出来ますが、劇中で銃身交換シーンはありません。

<小道具>
防御側はクレイモア似た指向性地雷や手榴弾にワイヤーを張ったトラップを仕掛けてあるのですが、チェチェン軍は爆導索で地雷を除去し、携帯ロケット砲でBMD戦闘車や機関砲陣地を破壊してきます。
おまけに防御側が持っていない88mm迫撃砲を持っていて、迫撃砲弾が間断なく防御陣地に降り注ぎます。「敵ゲリラが自軍と全く同じかそれ以上の近代的攻撃兵器を持っている恐怖」が感じられます。
「泣きっ面に蜂」で、ゲリラ側は携帯対空ミサイル「スティンガー」のコピー品まで所持していて、頼みの綱の空中騎兵隊であるハインドが撃墜されてしまいます。


第27囚人戦車隊

2012-12-03 16:00:22 | 映画(戦争)
Sven Hassel:Lánctalpak

1986年デンマーク映画
原題:Die GALGENVOGEL
英題:Wheels of Terror
監督:ゴードン・ヘスラー

主演:日本では無名のデンマーク人やドイツ人の俳優たち
出演有名人:デビッド・キャラダイン、オリバー・リード

ナチス・ドイツの戦車連隊長が東部戦線で「罪を犯した囚人兵」を集めて「刑の赦免」を条件に命がけの危険な任務を命じるというアクション映画です。

連隊長は『厄介者は早く戦死してしまえ』と思っていますが、囚人兵の腕が良いので生き残ってしまうケースが続きます。無事に帰還したら酔って騒ぎを起こして連隊長の面子を潰す事の繰り返し。(笑

最終的に連隊長は囚人兵達に「ソビエト兵の軍服を着て、敵地の奥深くに潜入して補給基地を破壊する特殊任務」を命じます。成功すれば西部戦線に転属させてやるという条件で。(笑
もし任務に成功しても、ソビエト兵の軍服のままドイツ軍の前線に帰還すれば誤射に見せかけて殺害してしまおうという魂胆が見え見えです。
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ミリタリーマニアにとってはMP40だけでなくPPshなどの小道具からT-34/85やSU-100の大道具に至るまで「西側の映画では余り見られない兵器」が躍動する場面を観られるのが嬉しい映画です。

ヤークトパンター役でSU-100にハーケンクロイツを描いた車両が出ているのは自然なのですが、四号戦車役で(似ても似つかぬ)T-55が出ているのがB級映画感を増幅しており、残念です。

ソビエト軍ならではの「美人の女小隊長が指揮する歩兵部隊」が彼らの前に出現して驚いたりするのも西側映画では珍しい演出です。

女性兵士が男性兵士と対等に扱われ、ザコ寝しながら戦い死んでゆく描写はジュード・ロウ主演の映画「スターリングラード」にも出てきますが、究極の男女同権社会です。
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囚人兵と言っても「上官の理不尽な命令に反抗しただけの常識人」も居れば「善人だが痴呆で怪力なので誤って殺人してしまった」というフランケン的な男や「沸点の低い飛び出しナイフ使い」も居て、バラエテイ豊かなチーム構成です。
彼らの戦車兵としての腕前は一流で、序盤には戦車戦で多数の敵T-34を撃破する見せ場があります。

見所は彼らの戦友愛と人間味のあるチームワークで、その反骨精神と「人を食った悪戯」は米国映画「ポリス・アカデミー」を思わせます。
日本映画の「兵隊やくざ」シリーズにも似ていますし、「ドイツ戦車兵版 MASH!」とも形容出来ます。

途中でソビエト軍の軍用犬(地雷犬)が出てきますが、可愛いそのライカ犬は爆薬を背負っており「ドイツ戦車を見たら車体中央下部に潜り込み、磁気感知信管で自爆するよう訓練された自爆兵器」なのが悲しみを誘います。
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敵地の奥深く潜入する途中で、彼らは「若い兵士のサンクチュアリ」に迷い込みます。

そこではドイツ兵とロシア女兵士が混じって共同生活しており、『俺たちは戦争が終わるまで、ここで酒を飲みフリー○ックスで平和に楽しく暮らすんだ。君たちも加わらないか?』と誘います。

任務を放棄してサンクチュアリに加わりたい誘惑に駆られながらも、「現実逃避はダメだ。前に進もう。」と戦車兵たちはその場を去ります。

女囚さそり 701号怨み節

2012-11-26 19:31:52 | 映画(女優)
Kaji Meiko : Female Prisoner Sasori 701 : 'Grudge Song'.Trailer.

1973年12月29日公開 第四作目
監督:長谷部安春
原作漫画:篠原とおる
主演:梶芽衣子
女優陣:金井由美、渡辺やよい、中原早苗、根岸明美、安藤純子
男優陣:田村正和、細川俊之、土方弘、大下哲矢

<あらすじ>
児玉警部(細川俊之)に逮捕された脱獄犯:松島ナミは、護送車を事故らせて脱走。ヌード劇場の便所に逃げ込む。
劇場の照明係:工藤(田村正和)に匿われたナミは恋愛感情を持ってしまい、嫉妬した工藤の愛人は警察に密告する。
工藤はナミを匿い逃がした罪で逮捕され拷問されるが、元過激派の工藤は警察の拷問に慣れており、児玉は自白を得られないまま彼を釈放する。
工藤とナミは児玉の自宅を襲うが本人は不在で、誤って児玉の妻を殺してしまう。
怒り狂った児玉は「どんな汚い手を使ってでも、必ずナミを自らの手で殺す」と決意する・・・

<照明係:工藤>
人間不信(特に男性に対して)のナミが「心を許してしまう」珍しい男性、工藤には複雑な背景があります。
彼は強烈な「反権力思想」の持ち主です。学生時代は過激派で、逮捕され激しく拷問された事により片足が不自由です。
世間に出てもまともな職にはつけず、常に官憲からマークされ、様々な嫌がらせを受けます。
拷問の際に「金玉に煮え湯をかけられて」生殖能力を奪われますが、意地でも口を割りません。
それを学習した児玉警部は「別の手を使って」工藤から供述を引き出す作戦を考えます。

<暴力警察>
「金玉煮え湯」のほかにも、女性証人を尋問部屋で強姦するなど、度を越した暴力捜査。
警察の不祥事が問題視され、倫理規制が厳しい現代では雑誌掲載も映画上映も難しいでしょう。

<女性看守>
今回の刑務所は「最も堅牢な凶悪犯専用最終刑務所」であり、多数の女性刑務官が登場します。
でも「格好がまるでナチスの女性軍人」というぶっ飛び具合。
反乱鎮圧専門の殺人部隊が常駐しますが、格好がショッカーの戦闘員風というぶっ飛び具合。
今までの「男性看守が女囚を犯す」パターン以外に男女刑務官同士の恋愛沙汰も発生します。

女囚さそり けもの部屋

2012-11-11 20:02:36 | 映画(女優)
Kaji Meiko : Female Prisoner 'Sasori' Beaststable'.Trailer.

1973年7月29日公開 第三作目
監督:伊藤俊也
原作漫画:篠原とおる
主演:梶芽衣子
女優陣:李礼仙、渡辺やよい、真山知子、森みつる
男優陣:成田三樹夫、南原宏治、藤木孝、八名信夫

<あらすじ>
脱獄し逃亡中の松島ナミは地下鉄で2名の刑事に発見されてしまった。
ナミはドスで一人の喉を斬り殺害。手錠をかけた二人目の刑事に対しては「手錠ごと刑事の腕を切断」して逃げ延びる。残酷描写が凄い。
街に潜伏していたナミはヤクザ(鮫島興業)の幹部に見つかり、策略を弄して逃げようとするが、親分に捕らえられてしまう。
鮫島の女房は刑務所でナミを苛めて痛い目に合った事がある女囚:カツであった。ナミを性的虐待するカツ。
シャブ漬けにされヌードスタジオに放り込まれたナミは、囚われた女たちが虐待される様子を見て怨みが爆発する。
一方、片腕を切断された刑事:権藤は復讐の鬼となってナミに迫っていた・・・

<暴力刑事>
相棒を殺された上に片腕を切落とされた刑事:権藤(成田三樹夫)の怨みは凄まじい。
復讐に燃える権藤は法を無視し、疑わしい人物を脅迫・拷問する違法捜査でナミに迫る。
一週間に渡って下水道を逃げ回るナミに対して権藤は、マンホールからガソリンを流して火を放つ。

<鮫島興業>
ヌードスタジオで働く女は鮫島にとって「借金のカタに入手した商品」にすぎず、人権は無い。
シャブ漬けにして逃げる気力を奪い、暴力と恐怖で女たちを支配する鮫島とカツ。
商品が妊娠したら、鮫島は共犯の悪徳医師に命じて強制堕胎させた挙句に、虫けらのように殺してしまう。