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映画化NHKドラマ《その街のこども》、観てきました。

2010-12-17 | 本・映画・ドラマのレビュー&気になる作品

阪神淡路大震災15年特別企画作品、NHKドラマ《その街のこども》。
まろうさぎさんからご紹介いただいていたのに、再放送を見逃しました。
mayさんから映画化の情報を教えていただき、やっと観ることができました。
おふたりにこころから感謝いたします。


映画化NHKドラマ
《その街のこども》、
     観てきました。

映画「その街のこども 劇場版」特報

http://www.youtube.com/watch?v=ZCF5PKiwizE


小学4年で被災した勇治(森山未来さん)と
中学1年で被災した美夏(佐藤江梨子さん)。

ふたりは阪神淡路大震災のその前日に新神戸駅に降り立ちます。
美夏は「行きたくない、それでも行かなだめなんです」と、
慰霊祭が行われる東遊園地をめざし、
勇治はかつてのトラウマである神戸での被災後の生活を憎みつつ、
美夏の、苦しくても悲しくても、あの震災を乗り越えようとする、
一歩につきあうことになるのです。

ほぼ全編、夜の神戸を歩き通すドラマで、
しかも登場人物は、勇治の先輩(武田寛治さん)を除けば、ほぼ2人のみ。
美夏の親友・ゆっちの父親役の男性は素人さんでセリフがありません。
勇治と美夏が話しながら歩く、その傍らを自分が歩いているような気になります。

森山未来さんという俳優さんは不機嫌そうな顔が似合うひとだと思うのです。
そして、なぜそう不機嫌なのか知りたくなる、
何に腹をたてているんだろう、悲しいんだろうと。

予告編を観た時、これは森山未来さんなのか、役なのか、わかりませんでした。
でも、そのわけがわかると、
震災というものはわずか1分30秒だか45秒だかで終わった大惨事ではなくて、
その後の人生を動かし続けてしまう、とてつもない大きな暴力であり、
エネルギーであるのだと思いました。

美夏が背負わされた悲しみも、神戸で多くの人が担っている悲しみで、
東遊園地に行こうとする美夏を遠くから眺めるしかできないひとも
まだまだたくさんおられるだろうと思いました。

大人が背負う震災と、
こどもが背負う震災はまったくちがっていた・・

このふたりを通して、大人である私は思い知らされた気がします。


私もあの震災は忘れられません。
実家が半壊したこともあるけれど、
茫然自失になってしまった自分を責めました。
私はあの地震のさなか、
「ガスの元栓ってどこにあったっけ?」と、
部屋の中にたちつくしてしまいました。
パニックだったのです。
オットはわが子のからだをかばって、身を伏せていたというのに。
高台にたつマンションの最上階で、揺れは甚大でした。
あの時の後悔がいまだに自分を苦しめます。

このドラマすらまだ観られないひとがたくさんいらっしゃるのだろうと思います。
美夏の悲しみ、勇治の苦しみを
神戸にいなかったひとたちにも知ってもらいたいと思います。
彼らが一歩先へ行こうとする勇気も。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

関西では先行上映となりましたが、
2011年1月15日から、ロードショーとなります。

映画公式サイトにてご確認ください。
ひとりでも多くの方がご覧になれますように。

劇場情報はここから

広島で3館も上映されるのは嬉しいです。

(追記)
この映画の音楽を担当されているのは大友良英さん。
「ウルトラミラクルラブストーリー」の音楽で馴染み深いかた。
演奏にもご参加なさっています。
そういう意味でも?ぜひご覧ください。
きっかけはなんでもいいのです^^音楽も素敵でしたよ。
演奏には大友さんと森山未来さんも参加なさっています!!!

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2 コメント

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Unknown (まろうさぎ)
2010-12-17 23:00:16
深夜に何気なく見始めて、矢も楯もたまらずに、レポを送ったことを覚えています。
視聴率としてはどうなんだろう、わかりやすい盛り上がりとか泣きポイントはないけれど・・・と思いながら、深く深く心を動かされて、ぜひぜひ見てほしかったんです。
でも、一方で、あの横断歩道を渡れなかった勇治のように(ほとんど、森山さんだと思って見てました)、まだこの作品を見られない方もいるでしょう。でも、そういう「この街のこども」も、暖かく包み込んでくれる作品だと思います。
こちらでは年明けです。じっくり見てきます。
返信する
Unknown ()
2010-12-20 19:22:53
まろうさぎさん、
このドラマ、放送があることを知っていたけれど、
当初、見ることができず、
まろうさぎさんに再放送を教えてもらったのに、
うっかり忘れてしまって、
mayさんに映画化を教えていただいて、
ようやく観れたという作品です。
映画化にあたって、再編集されたとのことですから、
考えようによっては、映画で観れて幸せなのかもしれません。

>わかりやすい盛り上がりとか泣きポイントはないけれど・・・と思いながら、
>深く深く心を動かされて、ぜひぜひ見てほしかったんです。

まろうさぎさんのその思い、すごくよくわかります。
あのドラマには神戸のすべてが詰まっているとは言えないけれど、
子どもたちに起こったことのいくつか、ですよね。
大人たちに起こったことのいくつかでもあります。

地震に合わなかったひともたくさん観て感動されたからの映画化なんですよね。
私みたいに見逃したひとに観てほしいです。
まろうさぎさんに、映画はテレビとはまた別の感動があるといいな。
ありがとうございました。
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