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≪再掲載≫20181011都若丸劇団於神戸新開地劇場昼ロング公演

2020-04-24 | 都若丸劇団

明日の公演のための昼ロング公演。
お芝居は感動的、舞踊は楽しさいっぱいのボリュームで、
おまけにいつもは終演時間を気にする座長が、
「きょうはええねん」とめちゃ明るくて可愛くて^^最高でした。
明日は最高以上??? 
お見送り写真、いつもかっこいいポーズをありがとうございます、座長っ!!!



≪再掲載≫20181011都若丸劇団於神戸新開地劇場
        昼ロング公演≪天竜しぶき≫(樹)

(舞踊/都若丸座長+α :敬称略)
第一部 オープニングショー
「偽りの花園」若丸座長たち    
「寝ても覚めてもブギウギ」京香    
「砂時計」若丸座長たち
早乙女紫虎
「shadow」若丸座長たち、剛、星矢、舞斗、紗助、雅輝、颯貴    



第二部 お芝居
≪天竜しぶき≫(当て字)
大雑把にいうと、

つま恋の富三(若丸座長)は兇状わらじを履いた兄弟分卯太郎(剛)の留守に、
恋女房のおみさ(ひかる)と兄弟分の妹おみつ(京香)の面倒を見るよう頼まれていた。
子分(雅輝)によっておみさと代貸しの富三はできていると、作られた噂を聞き、
親分(英樹)は憤慨し、自分の恋心を打ち明ける。当然否定し逃げ惑うおみさ。
富三は親分を諫めているうちに刃傷沙汰となり、誤って殺してしまう。
親分と、富三に代わって代貸しになろうと思っていた子分も殺してしまう。
富三はおみさとおみつを伴って逃避行へ。
立ち寄った先で近所の女性たちに親切にされ、病状が好転するおみさだったが、
おじきの仇、と乗り込んできたやくざたちと決闘への展開に驚き、息をひきとってしまう。
富三は卯太郎にだけは誤解されたくないと、真実を書き綴った手紙をおみつにもたせる。
おみつは旅に出て卯太郎に出逢う。卯太郎はおみさが亡くなったことを知り悲嘆にくれ、
ひとりで出向いた富三の後を追う。
卯太郎は富三にひとの女房を寝取りやがって、そして親分を殺しやがって、と、
わざと切らせるようにしむけるが、富三は挑発にのるどころか、書状を読んだはずなのに、なぜと不審がる。
かかってこない富三にじれて、卯太郎は・・・。


親分が理不尽なことをしても、やくざの仁義(落とし前)はこうするもの、
という卯太郎が悲しかったです。
叔父貴の仇、と付け狙う一家の子分(星矢さん)が手柄をたてようと抜け駆けして、
富三がいる家の外で刃をもって潜むところ、富三が戸を挟んでそれと気づく場面、
劇場内は水をうったように静まりかえり、物語が動き出すまで、息もつけませんでした。
そのリアリティたるや、すごかったです。
その緊迫感を誰もが壊せないというような、ギリギリ一点で保たれた、永遠のような一瞬!
座長と星矢さんとの、このお芝居のなかで一番、芝居のだいご味を感じさせる場面でした。
こんなに素晴らしい瞬間を見せてもらえて幸せでした。

また、剛さんは佳境で現れるのですが、気持ちを一瞬で爆発させ、お芝居を急展開させるのが、見事でした。
ヒールではなかったけど、いつものお芝居での演技力があったればこそ、
できあがった空気をわが身に受けての名演、お見事でした。

いったん、卯太郎に流れた芝居の風向きを、最後に、旅立つところで、
わが身にひきよせる富三こと座長の、怒号のような嗚咽のような悲しみの吐露。
死に装束の白い衣装が、幕切れには悲しくも映えて、美しかったです。


蛇足、決闘の場所が、≪天竜河原川下藪畳≫、呪文のようでした。
地名を聞いただけで、なんだか突風が吹き荒れ、波しぶきがはねる場所のような。
地名ひとつもインパクトが与えられるんだなあと感心しました。



第三部 舞踊ショー
「人生3本締め?」剛、星矢、京香、舞斗、紗助、雅輝(きょうの被害者?センター?は京香ちゃん^^)     
「愛するあなたへの手紙」若丸座長女形     
星矢     
「浮世絵の街」(群舞)若丸座長女形     
「雨の大阪」あきら
舞斗
「三線の花」早乙女紫虎
ゆかり
「telephon」群舞
英樹
「あきら節」若丸座長たち
「アイデンティティ」颯貴(初お披露目だとのこと)

「祭囃子が聞こえたら」(中舞踊)若丸座長たち


≪口上挨拶&ミックスジュース≫
センターは紫虎さん、紗助くん、雅輝くん
都側「明日は坂本龍馬」
都側「やっちゃるきに」
客席「楽しむぜよ」
曲は「恋はバンバン」

明けは
「浮かれトンビ」剛
「生きとし生けるものへ」若丸座長たち
キャプテン



≪ラスト舞踊≫
「ズンドコパラダイス」     

≪アンコール≫
「恋愛レボリューション」
「ええじゃないか」      



まずはセトリのみUP致します。
間違いなどございましたら、ご容赦くださいませ。

**********************************************************
(口上挨拶から)

若ちゃん「≪明日に翔ける龍」は再演したいお芝居のナンバー1でした。

40前にはやりたいと思っていたんです。

幕末ものというのは受けがよくない、失敗する作品と言われています。

暗いしね、○か×ではない、思想家たちの話でしょ。良い悪いじゃないんです。

どうやったら楽しいお芝居になるかと考えて、舞斗の高校生の再演が決まりました」(笑)


若ちゃん「(誕生日公演の作品は)映像になるじゃないですか。

直したいところも、反省点も、こうしたかったなあというところも5こ10こ出てくるんですよ。

でも、そのときはそれが精いっぱい、34歳の精一杯なんです。

明日は一生懸命やります。あの時と変わっていなかったら、その時はお見送りの時黙って帰ってください」(笑)


若ちゃん「紫虎は初参加やけどどう?」


紫虎さん「僕、台本稽古ってあんまりやったことないんですよ」


若ちゃん「九州演劇協会って、口伝やなあ。知った芝居が結構多い?

次郎長、平手造酒、忠臣蔵とか。

俺、平手造酒ってやったことないわあ。

キャラとしてできひんやん。病弱に見えへんやろ。

健康的すぎるやん(笑)剛なんかが似合ってるよな。

田村正和さんの≪乾いて候≫とかやりたいんよ。

田村さんというひとは逆足やねんで、殺陣のとき。

あれがすごく妖艶やねん」(説明不可能。若ちゃん実演でかっこよかったです!)


若ちゃん「田村さんって、時代劇と現代劇で声の出し方がちがうねんで。

時代劇ではめちゃ小さい声やねん。でも現代劇では大きい声やし」と、

時代劇と≪古畑任三郎≫のモノマネを披露。


若ちゃん「小林旭さんはみんなキンキン声出して真似するけど、

あのひとは低音がざらついていいねん」とモノマネ披露!すばらしい。

そこから、さまざまな方のモノマネが始まり・・

吉幾三さん、和田アキ子さん、美空ひばりさん、八代亜紀さんなど、etc.

若ちゃん「僕、仕事変えようかな」(笑)


このあともさまざまに話が続いてゆきました。こんな時しかできないから、と
ミックスジュース終了時、ひとりひとり、挨拶してははけていくという、
おしゃれで、楽しい流れとなりました。
後略させていただきます。すみません。


お芝居はコンパクトな長さでありながら、あっという展開、そして、アウトローたる任侠の世界の、
落とし前の付け方の悲しさ、というものが展開され、あちこちで涙をすすりあげるのが聞こえました。
敵側の男衆の肉襦袢は圧巻の見ものでした^^
でも、白装束に身を包み、死地に赴こうとしている富三はそれを圧倒して余りあったと思います。
兄弟分への忠義の深さ、常人ではわかりえない、任侠の掟と、掟ではない絆の深さの壮絶さも
核になっている作品で、この、現代ではありえない倫理観にいろいろ考えさせられることもありました。
悲惨きわまる展開でしたけど、でもそれは単なる悲劇なのか。
そこまで人を信じ、人のために尽くし、そしていのちを賭けても惜しくないというのは、
実は幸せなことなのかもしれないとか、いやいや、そうではない、冷酷、薄情、軽いと思われる現代では
さまざまに選べる自由があるのだ、とか。 答えは出せない気がしました。
そういうことを考えさせてくれるのも、優れたお芝居の醍醐味だと思います。

どれもこれも取り上げたい舞踊なんですが、
「人生三本締め?」で京香ちゃん、手拍子うつところでみんなから放置。なにか芸をしなきゃいけない展開に。
その日によって誰がいけにえ?になるかわからないという。京香ちゃんは美貌をかなぐり捨て、
とっても面白く、チャーミングでもありました。

感動したのが颯貴くん。自己紹介のとき、「副座長の都剛です」とすらすらと。
その堂々とした姿、成長したなあと思いました。舞台度胸がすごい! いきなり、そんな挨拶すると
思わなかったので、意表の尽き方まで、御見それしました!
そして、その颯貴くんの「アイデンティティ」素晴らしかったです。
或る時は草原を吹き渡る風のように、またある時は森のなかの木漏れ日のように、
さわやかに輝いて、とても癒されたし、デトックス?みたいな気がしました。
とても慣れた自然な素晴らしい舞踊だったので、お見送りで、今日初めて見た!と言ったら、
だって初めてだもん、と颯貴くん。びっくりしました!!!
最近急にソロ舞踊が増え、そしてそれがどれもこれも美しくて、新しい息吹が芽吹いてるのを感じます。
すごいなあ、颯貴くんのこのめざましい進化っぷり! 今後もわくわくしてソロを待ちます!

座長の曲はすべて素晴らしいチョイスで、「偽りの花園」の水色のドレスのような衣装での舞踊、
せつなくなるほど美しかったし、「砂時計」は座長の男前がひかるし、「あきら節」ではさまざまな曲の
舞踊がそれぞれ詰まっていて、めくるめく展開する場面がお芝居みたいで最高でした!
小林旭さんって、かっこいい曲が多いし、昭和なんだけれど、野暮ったくなくておしゃれですよね。
座長が踊るからかもしれないけれど、粋でスマートだけど面白いって、こういうこと?って思いました。

そしてそして、最後に語りたい!
「生きとし生けるものへ」圧巻でした。かたずをのんで見守っていたというか、
ただただ無防備に座長に魅了されていたというか。
座長が、≪いのち≫というエネルギーを、形になることに抗いながら、エネルギーとして、
踊り続けるそのダイナミズムは筆舌に尽くしがたい魅力にあふれていました。
決してとまることのないからだ、そして変転する表情、それは喜怒哀楽を超えて、
もっと根源的なもの、という気がしました。
とにかく丸ごとのいのち! という怒涛のような奔流のような舞踊に、
釘付けになりました。
座長はかっこよさでもひとを釘付けにするけれど、でも、ほんとにこの舞踊、
黒髪に赤いろを差し入れた長髪、黒と赤の衣装といい、暗闇のなかの、舞い上がるマグマのようでした!
ほんとにほんとに素晴らしかった。座長、ありがとうございました!!!


もう26時前になってしまったーーどうしよう。でも書かずにはいられませんでした。
私が都を知る3か月前に演じられた舞台。
DVDを買って、いっぱい観て、感想文を渡して、怖いもの知らずの私は、
後日、「読んでくださいましたか?」などと恐ろしいことを口にしました。
座長は本当に読んだひとでないと口にできない感想を言ってくださいました。
後々になって、私ってなんて不遜な人間とびびったのですが、
あの時、この座長はなんという方なんだろうと、その誠実さに感動したのをきのうのように覚えています!
若丸座長、もう今日だけど、DVDじゃない、リアルな龍馬に逢わせてくださいーー!!!
思いっきり、龍馬を楽しんで生きて生きて生き切ってくださいーー!!!


長々と失礼しました。
お付き合いくださって、感謝しています。
不手際、勘違い、間違いなど、ございましたらお詫び申し上げます。

Sさん、ありがとうございました!
大好き相方Mちゃん、遠方からのお友達、きのうはお世話になりました。
きょうもよろしく御願いしますー!





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