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中田監督≪Lの最期の微笑みに向けてこの映画を作った≫2008-06-19

2009-07-02 | L・LAWLIET
(2008-06-19付記事を再掲載しています)

中田監督
≪Lの最期の微笑みに向けて
     この映画を作った≫2008-06-19
中田監督インタはここ

中田監督が「マイコミジャーナル」というところで
ロングインタビューに答えてらっしゃいます。
読んでいたら、またまた感極まってしまいましたよ。
やっぱり「デスノート」(ラストネーム)で死を選択した
Lがどのようにあの微笑の死にむかうのか・・
Lにたいする愛情に満ち溢れています。
全文は上のリンクからご覧になってください。


「『デスノート』でLは、キラを倒すためにデスノートに
自分の名前を書いて死を選ぶのですが、死ぬまでの23日間、
Lが何をしていたのかは、映画でほとんど描かれていません。
オリジナルでLの最期の23日間を描くという企画を、
非常に面白いと思い監督を引き受けました。
あと、松山ケンイチという俳優に強い関心があったんです。
脚本はとても大変な作業だったんですけど、撮影してる時は"
あの『デスノート』の外伝だからな"っていうプレッシャーや
気負いはなかったですね。ただ完成した映画を宣伝する段階になって、
ちょっと自分としても遅れてると思うんですけど、
凄いプレッシャーを感じました(笑)」

監督、試写会とか、舞台挨拶のときもちょっとびびってました?
「お疲れ様です」って、思わず声をかけてしまったとき、
すっごく真四角なお辞儀を返してくださったのを思い出します。


「『L』の映画化は『リング2』の時とちょっと似てるかもしれないですね。
『リング2』では、松嶋奈々子さんから中谷美紀さんに主役が変わり、
物語も呪いのビデオの話からちょっと横にスライドしています。
あと、内容的にも、『L』でノートを、『リング2』でビデオを燃やすとか、
妙な一致っていうのはありますね」

癖って言ったら失礼ですが、そういうのって振り返るとわかるんでしょうね。
続編を作るときの心得みたいなものはあちこちで語ってらっしゃいますね。


「Lがデスノートに自分の名前を書き込んだことで、
残り23日間の命となった。僕はそれを最初に知った時
『Lの最後はハートウォーミングな終わり方になるだろうな』と思ったんです。
やっぱりLも死ぬ時に『うわぁ、まだ死にたくない』という気持ちなのか、
『まぁ短かったけど何かを成し遂げて俺は死ぬんだ』とか、あるエモーションを
持って死ぬんだろうと思ったんです。それに向けて、当然、Lにも心境の変化が
起こったはずだと思います」


Lは非常に若くして死ぬのですが、この映画でさらに
BOY(福田響志)のような若い世代に未来を託します。
松山君に最初会った時に『この世には人間社会がある種必然的に持つ、
世界を悪くしていく方向みたいな力がある。でも、それをなるべく押しとめて、
今より悪くならない世界とか地球を次世代に渡すみたいなことが、
今回のテーマなんじゃないか?』と言ったんです。そのテーマに沿うと、
今回の映画の中のようなLに自然となっていきました。
キラとLの頭脳戦でのLは、感情の表し方を知らないし、非常にクールだけど、
ある意味、不器用な男として描かれています。また感情を表に出す必要も
なかった。だけど今回のLはそうはいかない。まさに自立した主役でなければ
いけないし……。原作のコアなファンからどう観られるか賭けでは
あったんですが、批判があるのも覚悟の上で、今回の『L』を作ったんです」

>この世には人間社会がある種必然的に持つ、
>世界を悪くしていく方向みたいな力がある。でも、
>それをなるべく押しとめて、今より悪くならない世界とか
>地球を次世代に渡すみたいなことが、
>今回のテーマなんじゃないか?

この監督の言葉は松山くんが雑誌で語っていたけれども、
しびれますね。こんな言葉を聴いたら、たったひとりでは世界を
変えられようはずもないLに誇りと尊敬の思いでいっぱいになるだろうし、
作品自体にも同じことを感じたでしょうね、松山くんは。


「この映画では、"みんなをなるべく死なせたくない"という思いが
ありました。『デスノート』の時は勿論、今回の事件にLが関わるまでは、
いっぱい人が死んでいます。だけどLが主体的に関わってからは誰も
死なないってことにしたかった。それをLがウィルス学者の松戸(平泉成)に言う
"私には犠牲にしてきた命がある。だけど目の前にある命を、見捨てたくない"
という台詞に託したんです。それは具体的には真希(福田麻由子)のことを
指してますけど、やっぱりみんなを救おうとするわけです。
だから今回のLは悪人であるテロリストの命さえも救おうとするんです」
そんな中田監督の想いは、映画のタイトルにも込められている。
Lは「変えられない世界」を変えるために、全存在を賭けて行動するのだ。

Lのなかで≪最大の幸福のための最小の犠牲≫という論理が、
Lが主体的にかかわり始めることで劇的に変わる・・
それは本当に感動的だったし、Lがそういう変化をへて、
人間的にとても進歩したのだなという、感慨がありましたね。


『デスノート』とは違うLの姿に対して、観客からはどんな反応が
あったのだろうか?
「批判もありました。例えば原作のファンの感想で"面白かったけど
ニアが●●●だったのが許せない"とか、"えっ、彼がニアだったの?"とか。
その驚きが良い方向に転ぶ場合もあると思うんです。そもそも最初から
拒絶反応を起こして"『L』は観に行かない"って人もいたと思うんですよ。
そういう人にこそ、今回DVDで観て欲しいと強く思います」

これは私も思いました。jack in the box! (びっくり箱)のためにだけ、
あの子が必要なのか? ニアみたいに無愛想じゃないじゃん、とか(笑)


「『デスノート』と違う映画だけれども、それにあえて
挑戦したんです。やっぱり『デスノート』の縮小再生産みたいな映画には
したくなかったんです。『デスノート』で一番最期に微妙に微笑みながら
Lは死んでいきます。その満足気な『デスノート』の中のLの最期の微笑みに
向けて作る映画にしたいと思ったし、その想いは果たしたと僕は思っています。
僕自身、非常に満足度の高い作品です。ハートウォーミングな要素が強い
作品になってますけど、そういうところを楽しんでもらいたい。
ヒロイックに死んでいったLに対する強い想いを持ってる人たちには、
"Lはこうなんだ"って先入観を少し抜いて観てもらえれば嬉しいですね」

原作ではかわいそうすぎたじゃないですか、Lが!!
映画があってよかった、松山くんという、稀有の名優、
Lを完璧に演じられる、世界でただひとりのひとがいてよかったと、
こころから思いますよね。
Lのために、ただLのために!!!



「皆さんにはホラーのイメージが強いと思いますが、
僕はストレートなドラマ思考なんです。恋愛モノっていうかメロドラマが
凄く好きだったし、最終的にはジャンル的に広すぎますけど、
メロドラマと家族ドラマを作りたいですね。家族ドラマは最終的に
死ぬ前に1本は撮りたいです。『L』はメロドラマと家族ドラマとは
ちょっと違いますけど、ただメロドラマ的なことをあえて言うなら
Lと主役の子供たち2人っていうのは3人とも孤児なんですよ。
孤児3人が世界に対して逆境の中で生なきければならない。
『L』の中に好きなシーンがあるんです。
3人が逃亡中に川辺で休むシーンなんですけど、
横に関係ない親子連れが水遊びをしている。
孤児3人が寄り添って頑張ってますっていう何気ない、
台詞もない場面ですけど、自分でも凄く好きですね。
センチメンタルな場面ではあるんですけど。
あのシーンには、自分の本質が出ていると思います」


あのシーンにはいろんなことが凝縮されていましたよね。
Lが戸外へ出て、へとへとになりながら先を目指すなか、
わずかな時間にぐったりとする人間らしさ・・
水浴びをする親子連れたちを見るL・・
自分には期限を切られたいのちしかないけれど、
あんなに輝いているいのちがあって・・・
世界はどちらの人間の前にも淡々と姿をさらす・・
そんなせつなさでいっぱいになりました。
あのシーン、観客がとても好きなシーンのひとつだと思うのですが、
監督がセンチメンタルだといいながら、
凄く好きだと言う所で・・・
また中田監督が好きになりましたよ。

ケータイからご覧の皆様、
ぜひ機会をみつけて、
全文を読んでみてくださいね。
監督の言葉に、
Lがますます待ちきれなくなることうけあいです。

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10 コメント

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中田監督の掌の上で・・・ (sachi)
2008-06-19 15:13:24
樹さん、中田監督のインタビューを読んでいて思いました。
私がLcWを観て感じたことはすべて中田監督の思惑通りであったと・・・
映画に込められたメッセージを思いっきり直球で受け取ったような、
そして見事なまでに中田監督の掌の上で転がされた気分です。
転がされたといっても悪い意味では決してなく・・・
Lが微笑んでいったわけをきちんと知ることができてよかったと思っています。

DVDが手元に届いたら、もう絶対はなさないからね。
ずっとここにいてね、L。。。と言いたいです。
返信する
Unknown (まろうさぎ)
2008-06-19 23:30:44
中田監督、LcWを監督されるまで、作品を見たことがなく(ホラー専門だとばかり思ってました)、
しかも勝手に「怖い方」だと思い込んでいて
キャンペーン中のお茶目な姿にクラクラしました。

松山さんに対しても、Lに対しても、新しい面を引き出して下さって、本当にありがたいです。

あの河原のシーンは、命の輝きと、よりそう孤児3人と、触れあいに驚くLと、色んな要素が入ってて、いいシーンですよね。
高嶋さんも、好きだとおっしゃっていたと記憶します。

DVD気付けば、来週の今頃は届いているのですね。楽しみ。そして、ついにこれで最後かと感慨深いです。
返信する
sachiさんへ ()
2008-06-20 12:55:11
>DVDが手元に届いたら、もう絶対はなさないからね。
>ずっとここにいてね、L。。。と言いたいです。

みんな同じ思いでしょうね。
レスが遅れてすみません。
中田監督はLをさらに魅力的な人間に成長させてくださいました。
たった23日間で・・
でも人間って変わるのに時間はいらないんだなって、
Lを見てリアルに感じました。
ただひとつ残念なのは
夢魔的魅力がいっさい封印されていたこと(笑)
ニナミカさんDVDのあのかすかな笑みを
映画で見たかったです、ぜひとも!!

sachiさん、ここはすべてLに捧げられている図書館で、
ここにいるあいだはLのものですから、
いつでもLのものになりに来てください(笑)

返信する
まろうさぎさんへ ()
2008-06-20 12:58:48
ゆうべはセクロボナイト、ありがとうございました。
タイトルに夜空。。と打っておきながら、いちばん
ぼんやりしてました。
気づけばもう来週Lに会えるんですね。
これからはL図書でもイッキミナイトができますよ(勘弁してくれ???笑)
中田監督が映画の意味を話してくださって、どんなにかLは松山くんは、うれしかったことでしょう。
そこからLcWがはじまったこと、素晴らしいです。Lの人生も豊かなものになりましたね。
返信する
Unknown (まろうさぎ)
2009-07-02 08:20:24
またまたコメント入れさせてください。
このインタビュー、何度読んでも、中田監督のLにかける思い、私たちに伝えたかった思いがストレートに表現されていて、いいなぁと思います。
脚本としては、まあ、むにゃむにゃですが、
私はあの河原のシーンと、ラストにニアに語りかけ、笑顔で夕焼けの中を去っていくシーンを撮ってくださっただけで、充分満足です。
監督、Lを撮ってくれてありがとうございます。
Lが主体的に外に出て、誰の命も利用することなく、「この世界は美しい」と思いながら死んでいったこと、
ああ、思いだすと、LcWを見たくなってきました。

こうして過去記事をふりかえるって、いいですね。
その時の気持ちを思い出すのはもちろん、それを経てカムイ・陽人・風太郎・ノルウェイのワタナベと続く道筋を想って、ますます松山さんの魅力に触れる気がします。
返信する
Unknown (夜空)
2009-07-02 11:30:22
樹さん こんにちは^^
先日は、すっごくすっごく嬉しいお言葉をありがとうございました!!

「神戸あたりで・・・」
実現出来たらどんなに嬉しいか・・・(妄想 妄想)


エル~~~!!

中田監督達のオーディオコメンタリーを思い出しました。他人事のようにボソボソと松山君や映画の裏話をされている監督・・・Lが投げた燭台をエリンギだとかなんとか・・

「こんなのエルじゃない」なんて辛口レビューを書いてる原作ファンがこのコメンタリーを見たらきっと激怒しちゃうだろうなぁ・・とあっぱれ痛快な気分になりました。(原作ファン様ごめんなさいね)

「デスノート」というビッグネームのプレッシャーに気後れすることなどなく、全身全霊で撮っておられるにもかかわらずそうは見えないゆるやかさ・・・(失礼;)そんな監督の作り上げられたエルが大好きです。

最後の23日間、私のなかでは、ほんとにエルらしいエルでした。

あぁ~  デスノ前編のラストで挑発的にポテチを食べるエルもかわいいし、エルチェンの松戸教授のとこで「MK]の単語を次々に言って歩くエルもまたかっこいい~~
返信する
まろうさぎさんへ ()
2009-07-02 12:53:04
こんにちは、まろうさぎさん。
メールもありがとうございます。

私も相当、LcWでは想う所ありました。
飛行機に飛び乗らせたり、Lに飛行機とめさせたりしたいのは
わかるんですが、わかるんですが、・・。

いや、もとへ。
Lが擬似家族と一緒に世界にさよならを告げてゆくたび・・そう思ったら、
もう何でも許せるし、世界を愛して、たったひとりでは
変えられない世界を少しでも悪から防ごうと、
悪人のいのちすら護ろうとしたLを
記録してくださってありがとうございます、
の思いでいっぱいです。

川べりのシーン。記事内にあげた思いでいっぱいです。
松山さんもあの時ほど、Lの気持ちと重なった時はなかったんじゃないかと
そんなふうに思います。

これからどんどん松山さんがいろんな役を重ねていらしても、
Lを超える役はなかなかないと思います、
というのはLヲタの血迷いごとではなく、
Lが世界を護るために自らのいのちをかけ、
あきらめたのちに、
生き方を変える人間だったからです。
これほどの人間はもう役として再会するのは不可能なのではないかと思います。
だからこそ、
何度も何度もLのところに戻って、そこから松山さんの歩みをまた、
みつめたいですよね。
返信する
夜空さんへ ()
2009-07-02 12:59:54
こんにちは、夜空さん。

いつか、神戸をバスで1日ぐるぐるまわりたいですね、
ほら、乗り放題600円だったっけ(笑)
異人館とか南京町とか・・あ、
神戸に行きたくなりました(笑)

中田監督は出来上がってからプレッシャーを感じたと言われていますね、
でも、監督、ホリプロ動画で、L座りさせられたり、
いろんなところまでキャンペーンに行ってくださって、
当初、怖そうなひとだなあというのが、本当に、
見事に裏切られました。
Lに関してもそうでしたよね。
映画のお話だから、というのではなくて、
どうやってLの23日を誇り高く、有意義に、
世界を愛して満了させて
あげようかと、こころを砕いてくださったのかと思います。
ほかのひとにはLとして、整合性がないかもしれないけど、
Lの人生としたら、できることをさせて、最後に綺麗な花で
飾ってやりたいと思われたのじゃないでしょうか。
中田監督の言葉のひとつひとつがLというひとへの尊敬と愛情に
あふれていると思います。
Lの映画のどのシーンを見ても、愛しくてせつなくなりますよね、
こんなに素敵な監督(金子さんも)にとっていただいたんだから。
返信する
おお!丁度一年前ですね (micc)
2009-07-02 17:04:28
こんにちわ 樹さん
せっかくの休みなのに 好きな映画にも行かずにゴロゴロしてPCの前です
(「ウルミラ」がこちらにやって来るまで映画資金はためておこうという計画です←何回見に行くつもりだ私?笑)

去年の8月 レンタル屋さんでバイトしている映画好きの友に会った時 ちょっと気になっていた「LcW」について聞いてみたんです
「私も見たけど 面白かったですよ レンタルもイイ感じで出てますし おすすめです!」

その言葉に背中を押されて「LcW」を借りたのが、Lをまともに見た作品でした

映画「デスノート」もまともに知らず原作のマンガも読んでなかったので ただただ・・・自分に残された時間の中でのLの一途で健気な姿にキュンキュンしていました
鶴見サンがコゲコゲになっても 南原サンがアリャ?でも Lにコロリと行くには充分な作品でした

中田監督は 本当にハリウッドデビューも果たした人なのだろうか?と感じる方で すごく親しみやすいお人柄が滲み出てますよね

マニアックなのに大胆 中田監督にはそんな印象をもっています

DVDはオーディオコメンタリーが楽しかったです~
あ 初めて購入したケンイチ氏関連のDVDも「LcW」でした
私「デスノート」は見たのもDVD購入も後からでしたわ(笑)
返信する
miccさんへ ()
2009-07-02 21:13:37
こんばんは~。

LcWの冒頭、モノクロームの画面でLのテーマが流れるだけで
恋におちるひとはおちると思います。
いやもうね、もう、Lを話し出すととまらないし、
言うことが般若心経みたいに、いつも一緒になっちゃうよ、
唱えちゃうよ、しかも270何文字以上でしつこい(笑)

LcWのLは美人でしたね。大きな事件を解決してオトナになったんだ(ってことに)
私はデスノ前編だったから、
あの華奢で、捜査本部で心細げにしていたLが
擬似家族の親みたいに
しっかりと子どもを護って、
子どもらを不安がらせずに淡々と、
あのアクセス拒否されたときだって、BOYを不安にさせなかったあの孤独・・
ほら、とまんなくなってきた(爆)

中田監督はあんなに優しいひとだとは思いませんでしたね。
でもって、最初から関わっていた監督ではないのに、
すっごくLを尊敬し愛してくださったと思います。
Lは金子監督と中田監督のふたりに愛されて幸せですね。
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