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小説「メモリー・キーパーの娘」感想

2010-03-23 | 小説・漫画他

お正月頃かな・・・J-WAVEのとある番組のCMで、「ゆれる」の西川美和監督が、最近読んだ本の中で最も面白かった本と言っていたのと、友達が映画版を見て色々考えさせられた・・と偶然同じ時期言っていたので、この「メモリー・キーパーの娘」を読んでみることにしました。映画版はレンタル開始になってますが、まだ新着扱いなので、旧作になったら見ようと思ってます(セコイ)

ちなみに作者のキム・エドワーズさんは、日本の小田原に住んでいたことがあるそうで、凄く親近感が!
若い頃は海外の小説をメインに読んでいたのに、ここ数年は日本のものばかり読んでしまい、翻訳小説は若干苦手に感じる事が多かったのですが、とても読みやすかったです。
特に前半~中盤までは、もうぐいぐい引き込まれて読みました。後半はあまり共感出来ない展開になっちゃったかな・・・。トータル3つ★半

ほんの数十年前まで、障害児が生まれたら、施設へ送られることも少なくなかった・・・というアメリカの状況にびっくり・・・。日本よりもそういう事については先進的なお国だとばっかり思いこんでいたので・・・。

美しいノラと医師デビットの2人が結婚し、子供が産まれ・・・しかし、その子供が障害児だった。妻には死産と偽り、自分を好いてくれている看護婦にその子供を、施設へ置いて来てもらうように頼む・・・。しかし、その看護婦さんは施設へ置き去りに出来ず、自分の家に連れて来て、自分で育てる事にする・・・。25年間に渡るデビット夫婦、看護婦さん、子供達を描いている長編小説。
妻に隠し事をしてしまって以来ずっとそれが負い目になってしまい、苦悩しつづけているデビッドと、その妻が、どんどんすれ違って行く様がリアルです・・。デビットには昔、幼い妹を病気で亡くし、その事をトラウマの様にいつも心に抱えているんです・・。

★以下ネタバレです 白文字で書いています★
看護婦さんが偶然出会った運転手さんと、その後も交流が続き、一緒に暮らす様になるという展開にはびっくり。運転手さんが広いアメリカの中、少しあてはあるとしても、殆ど情報のない彼女を探し当てたりするんですよね。これはなかなか女性側からすると嬉しい事です。障害児の娘も普通の子供の様に立派に大人へと成長し、しかし、年頃になって恋人が出来て・・・という処まで書かれています。
子供を育てながら長い間心の支えになってくれた親友が病気になってしまい・・・って部分は悲しかったな。
かたや、ノラ側ですが、こちらは、なんだかなあ・・・な展開に・・・。海辺でのバカンス中(夫や子供もいるのに)不倫をしちゃうんですが、なんかオイオイ!ってちょっと読みながら冷めてしまいました。共感が出来ない不倫ぶりでした。
そして、我が子のかわりに、同年代であるとある女の子を引き取り愛情を注ぐ・・(自分の子を捨て育てなかった贖罪として)って部分とかは、解らないわけじゃないけれど、結構微妙かなあ・・・と思うところもありました。
以上

西川美和さんが好きっていうのが、凄く解るなぁ~って、細やかな表現や描写があちこちにありました。

メモリー・キーパーの娘 キム・エドワーズ (著), 宮崎 真紀 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
1964年のある大雪の夜。医師デイヴィッドと妻ノラは、男女の双子に恵まれるが、女児はダウン症だった。デイヴィッドは妻を悲しませたくないがために、とっさに娘を人手に渡し、妻には死産だったと偽るのだが…。一見裕福で幸せそうな夫婦、娘を預かった孤独な女、別々に育てられる兄妹―たったひとつの嘘によって、それぞれの人生がもつれた糸のように複雑に絡み合ってゆく。

アメリカでは2008年春、テレビ映画放送が決定。実力派女優のエミリー・ワトソン出演。
口コミで爆発的に広まり、米英をはじめ、世界各国で大ベストセラーとなった長編小説。

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4 コメント

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ドラマチックだったよね (みみこ)
2010-03-24 16:18:11
お邪魔します~
そうよね、後半の展開(ノラ側ね)は
共感出来ない部分多かったですよね。
もっと面白くと言うか(変な意味でなく)
色々膨らませることのできる部分だったのに、不倫という形でおさめちゃうのはう~~んという感じでしたよね。西川美和さんもお勧めだったんですね。なんとなく、わかるような気がします。私も、実際自分の家族に起こったらと
この本読んで色々考えたわ。
身近にもそういう人何人かいるのだけれど、
すごっく前向きに頑張ってやっているのよね。だから、↑のように、すぐに子をどこかへやってしまう・・・という発想(そういう施設へ送る))には、なんてこと!!って驚きが
大きかったわ。
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みみこさん☆ (latifa)
2010-03-25 16:30:09
こんにちは~みみこさん
寒いですね~~!!今日はほんっとに寒さが身に染みる・・・。

この小説、みみこさんが読んでいらっしゃったーっていうのが、ホントに嬉しかった。
あんまり読んでいる人いない中、検索で思わず、おおお~!!友発見!!って

そうそう、そうだよねー。不倫という風におさめずに、もうちょっと違ったのを見せて欲しかったかな(ワガママな願望だけどね。なんか安っぽくなっちゃった気がしたの)

そうだよね、障害がある子が産まれたからって、施設へ・・って、勝手に旦那1人で決めちゃって・・っていうのは、そりゃダメでしょー!!って怒ったんだけど、でも後半、そういうふうについしちゃった理由というか彼の過去が描かれていて、ふむふむ・・・そうだったんだ・・・って思う処も書かれてあって、上手いな、って思ったわ。

そうだよね、そういうお子さんがいらっしゃっても幸せにはつらつと暮らしていらっしゃる人も沢山いるよね。はたから見ると大変そう・・とか、偉いな・・とか、つい思ってしまうんだけど、その「偉いな」って思う事自体、どうなのよ自分?って色々考えるんだけどね・・・やっぱり等の本人になってみないと、解らない処もあるし、なかなか難しいな・・・と思います。
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読んでみます (牧場主)
2010-03-29 16:10:35
latifaさんが読まれて面白かったなら、読んでみようかな。
メモリーキーパーって何だろう、って気になって、手に取るでしょ、で表紙見て、透けたブラウスが意味深で、あらすじ読んで、気が重くなって、返す、を、もう3回繰り返していたのよ~。

最近こなかったのは、ここのところ海外文芸を読んでいるから、なかなか読んだ本が重ならなくて。
最近読んだ本と言えば、「床下の小人たち」とか・・・自分の売り場の担当の本で、これ、返品出来ないから見ると、心配なんですよね、宮崎さんが監督じゃないから、「猫の恩返し」くらいにしかヒットしなかったらどうしよう、とか。
ぽにょみたいに歌作ってヒットさせてくれ、とか祈ってます。
で見る度に憂鬱なんで、読みました。
読むと、まあ、売れなくても、憎くはならないんで・・・
まあ、ぼちぼち売れてはいるんですが、また補充とかも悩みの種で・・・


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牧場主さん☆ (latifa)
2010-03-30 16:18:33
こんにちは~牧場主さん
う~~~ん、、、どうかなあ・・・。貴重な時間を使って読む価値があるか?ないか・・?微妙な処なのだわよー。

>気が重くなって、返す、を、もう3回繰り返していたのよ~。
 ぐははは!!!
それじゃ、もう諦めちゃっても良いのでは・・・ないかな。読まずにいて損をする!って程の本じゃないような気がするわ・・。

>海外文芸を読んで
最近読んだ本と言えば、「床下の小人たち」
 おお~~色々読まれてますね!
私は、早速ロストシンボルを挫折してしまいました・・・。やっぱり日本人の本に慣れちゃうと、外国ものから足が遠のいてしまうみたい。
若い頃は、外国ものを中心に読んでいたっていうのに・・・。
それと、天地明察も、どうやらダメです・・。歴史ものも、やっぱり苦手みたいです。
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