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「ブルーベリー」「うちのパパが言うことには」重松清

2008-05-31 | 小説・漫画他

「ブルーベリー」「うちのパパが言うことには」の2冊とも、重松清さんのエッセイ集。まずは、割と最近出版された「ブルーベリー」から
「ブルーベリー」
表紙やタイトルからは可愛らしい雰囲気が漂っているけれども、読者ターゲットは、女性よりもむしろ男性、しかも40代の男性に一番合うかもしれない内容。40代の彼が自分の20才頃を振り返っての、体験記と今ならどうしただろう・・?みたいな考えを織り込んだエッセイ。

1981年、東京に上京した十八歳の重松さん。色々な人達と出会ったり、その時代流れていたヒット曲やドラマや本・・・そういうのが、とても懐かしく読める本です。私は、ほぼ重松さんと同年代なので、もうもうページを開くなり、キャー!!の連続。懐かしくて悶絶しそうなタイトルや名詞が次々と登場!

私は80年代は東京にはいなかったので、そういう点ではその頃の遊び場やカフェなどに反応出来なかったのは残念だったけれど、もしも同年代で、あの頃東京の大学に出て来た人が読んだなら、感涙ものなのではないかな?

私が特に反応しちゃったのは「A LONG VACATIN」「ふぞろいの林檎たち」でした。丁度、数日前山田太一の2時間ドラマ「本当と嘘とテキーラ」っていうのを見たばかりなのですが、すっごく良かったんですよ!(主演は佐藤皓市、柄本明、樋口可南子)やっぱり山田太一のお話は、その時代の空気や問題とかを取り入れながらも、ハートフルな内容で大好きです。

話を戻し、ロングバケーションの中で、重松さんが一番お気に入りだったのが「恋するカレン」だったっていうのは、重松さんらしい^^。そして重松さんの友人が、そのカレンに出てくる歌詞がどうも引っかかるんだな~と言ってたのが、まさに!!私も当時同じ事を思っていたのです、しかも彼が一番好きだった曲っていうのが「雨のウェンズデイ」ってのも同じで、鳥肌が立ってしまった☆ ただ彼は重松さん曰わく「わかってるっぽい奴になりたがるヤツ」=うわべだけ君な子?だったのが残念ではあります

他に印象に残ったお話は
僕と少女とブルーベリー
重松さんが、何故かブルーベリーに手が伸びてしまう深層心理が、微笑ましく、良く解りました。私も同じかもしれない・・・って思いました。

人生で大事なものは(けっこう)ホイチョイに教わった
幸せは「他人のうらやましさ」で決まるんだよ と言って見栄を張りまくっていたナカムラ君と、その後の彼の人生など、色々考えさせられました。

奇しくも両方の本に、「かわいそうな遊園地 横浜ドリームランド」について、哀愁たっぷりに書かれているのは、なんだかジーンとしてしまいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うちのパパが言うことには」

これもなかなか面白く読ませて頂きました。
重松さんの矢沢永吉好きは有名だけれど、この本では、彼の「成り上がり」を何度も読んで人生のバイブルにしている熱い思いがガンガン伝わって来て、がむしゃらにがんばって今の作家の地位にたどりついた経緯には、なんだかジーンと来ちゃいました。もちろん私も中学校の頃だったかな?成り上がりを読んでヤザワ凄いヤツだと思った一人でしたよ

あと、この本で印象に残ったのは「ノストラダムスの大予言によって、限られた命という風に生きて来た世代は、もしかしたら今の子供達よりも、命に対しての思いが違って生きて来たところがあるのでは?」と書かれてた部分でした。
確かに私も「あんなの嘘だよ」と否定しつつも心の片隅には常に30代中盤で私は死んじゃうかもしれないんだな。それじゃその時死んでも良い様に、やりたい事やっておこう・・・って、思っていた部分があったんですよね・・。

あと、「ひきこもりの君へ・・」が、凄く良かったです。
こういう文章を読むたびに、重松さんの若い人達への熱い応援心が凄くある(上から目線では全く無く、優しい口調)所は、ほんと良いですねー。こういう人が学校の先生とか、カウンセラーの先生とかだったら、すっごく良いのにな!って思います。

内容(「MARC」データベースより)「生きる」って、ただそれだけで、けっこうすごいじゃん、とぼくは思うのだ…。家族、友、街、絆をみつめ、自らの歩みを綴った、2001年夏から2004年の暮れにかけて書いた短文の中から自選したエッセイ集。

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12 コメント

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Unknown (naru)
2008-06-01 00:40:05
こんばんは。
重松さんと同世代だと、共感するところも多い
ですよね~。
私は、手を使わずスキー板をはずす「私をスキー
に連れてって」が気になってて、近いうちレンタル
で見ようかな~と思ってます(笑)
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こんにちは~~(^O^) (latifa)
2008-06-01 08:40:51
naruさん、ご訪問、ありがとうございますー
naruさんはお兄さん達がいるということで、重松さんよりは下の世代ながらも反応しちゃう部分が多い小説だったとのこと☆
私は重松さんより、ほん~のわずかに(ハッキリは言いたくなかったりする)年下なので、ドンピシャ(死語よね)でした

手を使わずスキー板を・・は、見栄っぱり?のナカムラ君ですね。 最初の内、いけすかねぇヤツだな~って思っていたのですが、子供の事でなんだかズーンと来てしまいました・・・。

そういえば、naruさんの去年と一昨年のベスト小説の記事も拝見させて頂いちゃいました♪
悪人(私最近読んだばかりなのです)と八月の蝉がランクインしていましたよね
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梅雨入り (存在する音楽)
2008-06-03 02:19:57
hideさんとこから ちょっと心配になり、来ました。
扁桃腺大丈夫ですか?
梅雨入りになり、気温も下がったままだったりしますが、お大事にして下さいませ。

あまりエントリーに関係のないコメントでゴメンなさい。
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2008-06-03 09:05:59
存在する音楽さん、こんにちは
そうなんですよ・・ここ1,2ヶ月、ずっと不調で、困りました。
なんとか前のように元気に復活したいです。
心配してくださってありがとうございました。
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こんちわ~ (牧場主)
2008-06-24 16:27:02
重松さんの「カシオペア~」の記事も拝見しました。
また、暇な時にお邪魔しますね。
「ブルーベリー」は同じ職場の方が書店員お勧めの本として推薦してて貸してくれたんで、昨日読みました。
ふ~ん、そうだったんだ・・・って納得しました。
丁度、重松さんと夫が同じ年で、たまたま同じ時に上京してたんで。
みんな、元気かな~、っていう思いは私も共感しました。

お返事の方は、ホント感激しました~。
が、今日も戦闘態勢で読書を頑張りますんで、また今度、書きますね。

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牧場主さん☆ (latifa)
2008-06-25 09:15:50
こんにちは~牧場主さん
ブルーベリーお読みになったんですね♪
うわぁっ!!!もしや、旦那様と私は同じ年or学年なんだろうか??(重松さんは早生まれなので、産まれ年と学年では違う)

牧場主さんの旦那様は、ブルーベリー読まれなかったのですか? 同じ年に上京されたなら、感慨深いものが絶対ある気がするのだけれど~

で、メールの方ですが 何書いたっけ?って送信トレイからもう一度読み直しちゃいましたよ~(^^; 全然たいしたこと書いてないのに、なんだか気恥ずかしいっす

カシオペア~の方、是非是非、牧場主さんの率直な感想、聞きたいです。お暇な時でいいので、待ってま~す
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Unknown (藍色)
2008-07-02 04:04:14
こんばんは。
悶絶しそう…わかります。
近い年代だったのであの頃のヒット曲やドラマや本が、次々と出てきてとても懐かしかったです。
クラブの関係で「ふぞろいの林檎たち」見られなくて、「ひょうきん族」が好きでした。
「A LONG VACATIN」ナイアガラサウンド、はやりましたね。
どちらも好きですが「恋するカレン」より「雨のウェンズデイ」の方が好きで同じです。
ノスタルジーいっぱいでした。
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藍色さん☆ (latifa)
2008-07-02 09:42:10
わ~~い、わ~い!藍色さん、ありがとうございます

そうですか~、ふぞろいは、クラブの関係で見られなかったんですね^^ なんかね、裏番組が「北の国から」だったんですよ、たしか。家の母が「北の国から」(もしかして再放送かも)を見たがる中、私はふぞろい~を見ていた記憶が・・・。

ひょうきん族は、私も毎週見てましたよ~!
ブラックデビルとか、懺悔の部屋とか、一杯笑わせてもらいました。
そういえば、あの牛は、どうなったのかな?とか、鶴太郎や、タケちゃんは、ずいぶん地位向上したな~とか、時々思います。

藍色さんも「雨のウェンズデイ」の方が好きだなんて~~~
あの頃、ワーゲンに憧れていました~☆
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Unknown (june)
2009-06-03 21:42:05
latifaさん、こんばんわ!
これはもう懐かしくて懐かしくて仕方ありませんでした。
「A LONG VACATIN」に村上春樹さんにホイチョイ・・・。
東京の大学に進学して親元を離れた頃の記憶が洪水のように押し寄せてきて、
私もそれこそ身もだえてしまいました(*^_^*)
気恥かしいけれど、それでも懐かしい~。
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juneさん☆ (latifa)
2009-06-04 10:34:21
こんにちは~juneさん
大滝さんのロング~は、ほんっと懐かしいです。ちなみに、あのLPのイラストを担当していた方のロングバケーションのイラスト画集みたいのを持ってます(爆)押入掘れば出て来るはず・・・。

そうでしょうとも!juneさんは、東京の大学に通われる為に親元離れて・・って重松さんと同じ経験をされている方だもの、、一杯ツボを押された事でしょうね

1Q84については、こっぱずかしい事を書いてしまいました この前TVを見てたら、このタイトルは当然のごとく1984年の事だって周知の事実だったんですね。あ”~~恥ずかしい。知らなかったのは私だけだったんだ~
 私も3部作を読み直してみたいと思っていたんです!もうすっかり忘れちゃっているので・・・
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