今日も全部ネタバレで書いていますので注意です。
表紙は、安西水丸風のふんわりした良い感じのイラストですね。
『アカペラ』『ソリチュード』『ネロリ』三篇が含まれていて、とても読みやすい本でした。
３つのお話どれもオチでびっくりさせてもらったし、短いのにちゃんとお話に山もあり谷も有り、なかなか面白く読みました。４つ☆
『アカペラ』１５歳の中学３年生ながら、こっそりアルバイトもし、自作の作品でお金も稼いでいるタマコ。
母も父も放任で不在がち、じっちゃんと仲良く暮らしている。
途中までは普通に読んでいたのですが、ぐっと来たのがお洒落な担任が泣くシーン。
これは２話の「ソリチュード」で一花の父が春一を殴り、色つきのめがねを踏みつけるシーンで、ぐわっと来たのと同じ感覚を味合わせてもらいました。衝撃的だったのはタマコとじっちゃんが、まさか最後の線を越えるところ。ぶっとびました。
でもじっちゃんが脳梗塞で倒れ、しばらく後、意識が蘇ったら、タマコと逃避行していた頃のボケてたじいちゃんはどこにもいなくなっていた・・・というのが哀しいオチになっていました・・・。『ソリチュード』父の死をきっかけに家出から２０年、実家に戻った春一とかつての恋人美緒の娘。
千葉の田舎が舞台。東京に引っ越すには近すぎる距離。東京には日帰りで行けて、成田のショッピングモールまでも気楽に行ける位置にあるものの田舎・・。（私の住んでる処もそんなかんじ・・
）イトコなのに恋人同士というのを回りから反対された過去。一花は中一になろうとしている。自分が美緒と関係を持ったのは、ちょうどその位の年代だった・・・というのを思い出し唖然とする。そして殴られまくったのも仕方なかった・・と気がつく・・ってシーンが印象的でした。
山本さんの本ってコムデギャルソンとかポールスミスとか歌の題名とか、そういう名詞が一杯出て来るんですね・・・・？そういうのって、、イヤじゃないけど好きでもないかな・・。
『ネロリ』病弱な弟と彼の面倒をずっと見ている姉。そしてそんな弟とつきあっている若い娘のココアちゃん。姉は会社を辞めさせられることになる・・・。
ラストで解る事実！
ココアちゃんは、おじいちゃんの遺言から、この姉弟に近づいていたのね・・・。
山本さんの本は「ブルーもしくはブルー」と映画化された「群青の夜の羽毛布」ドラマで「恋愛中毒」くらいしか読んだり見たりしたことしかないのです。
精力的に活動され大活躍されていた頃をよく知らないのです。
数年間、鬱で体調を崩されていて、この「アカペラ」が久しぶりの作品だとか。マイペースで是非これからもがんばって欲しいですね。
長い目で見れば、きっといつかその辛かった体験から一層深みのある作品が出来るはず
久しぶりの作品でしたね。
作風にちょっと戸惑いもありましたが、
それなりに楽しみました。
どれも家族の物語。
人と人との繋がりに温かさを感じられました。
先日お送りした２記事のトラバ、
お待ちしています。
お忙しい中、ありがとうございます～
藍色さんは、やっぱりこの久しぶりの作品に、以前との差を感じたんですね。
私は、以前の作品になじみが無いので、比較出来ないのが残念でした・・・。
でも、なかなか面白かったです。
はい♪ TB送らせていただきました
「ネロリ」のラストで、ココアちゃんがその名の通り、温かい気持ちにしてくれてホッとしました。
山本文緒さんの新作は本当に凄く久しぶりでなんだかうれしかったです。最初のタマコとおじいちゃんはびっくりしましたけどね。
私は山本さんの作品は全制覇。
ちょっと今までとは違った感じも受けましたが、これからまた山本さんの新刊が出るのを楽しみにしたいと思います。
ネロリって、ここ数年人気がある香りだな～と思っていたら、眠くなる効用があるというのも、この本で知りました。ココアちゃんって可愛い名前ですよね～。
それじゃ、このアカペラも、特別な気持ちで読まれたんだろうな～。
＞恋愛中毒とか、群青の夜の羽毛布
それぞれドラマと映画では見てるんですが、本は知らないんですよ。
恋愛中毒って薬師丸ひろ子のやつですよね？＾＾ 薬師丸ひろ子といえば、かつての旦那の玉置ひろしと、石原真理子の結婚のニュースにはぶっとびましたよ～～。で、そのニュースで初めて知ったんですが、ワインレッドの心って、石原さんをイメージして作った歌だったんですね・・・。