「センセイの鞄」5つ★凄く良かったです。
私はこの小説、内容も雰囲気も出て来る人たちも好きだな~。今年のNO1かNO2って位に、ぐわ~~っと来る小説でした。上品で可愛らしく哀しい。読みやすい文章で、簡潔というか、文章に余白を感じる風情が全体に漂っていて、やっぱり川上さんの書く文章って綺麗で好きだなあ・・・と改めて思いました。
37才OL独身のツキコさんと、30才年上の67才のセンセイとは、行きつけのお店で、偶然会えば一緒に並んでお酒と食事を取る仲。こういう関係、素敵だな~!!!
年齢は違うけど食の好みや、人との間の取り方も似ている二人。大正時代の雰囲気を漂わせるご老人のセンセイだが、キッチリとした中にも、ひょうひょうとした処や、ちょっとユーモアのセンスもあり、そして平等を重んじる処もあり、とても魅力的で可愛らしい。
まず冒頭の、センセイのお家にお邪魔した時に発見した電池のエピソードで、ガーン!!とやられてしまいました。たかが電池、されど電池。最近余計な物を持たず、捨ててシンプルな暮らしを・・・という風潮ですが、こういう無駄な物を取っておいているセンセイが、凄く愛おしくて好きです。
いつも冷静なセンセイ、面白い昔風の口調で話すセンセイ。ツキコさんはいい子ですね、と頭を撫でるセンセイ。いやぁ~~このセンセイって人、好きだわぁ~!!
私は今まで、ご老人と若い女性の組み合わせの恋愛もので感動したり、良いな~って思った作品に多分一つも出会わずにいたせいもあって、このお話も「絶対私には合わないはず」と思いつつ読み始めたんです。ところが、予想に反してに素晴らしかったものだから、逆作用?で、ものすごい感動してしまったって感じなんです。
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
この小説、前半8割はツキコさんの片思い?(ではないんだけど、センセイはいつも冷静で自分の感情を表に出してくれないので)で、最後の1割程度に甘いラブラブ描写が書かれ、そしてとても短く、センセイと2年、おつき合いする様になってから3年でセンセイがお亡くなりになられてしまった事が書かれて、センセイの鞄を肩身にツキコさんが持っているというのが書かれているんです。この割合が凄く好きでした。ラブラブになってからの描写の占有度が3割以上だったり、センセイが亡くなる経緯だのその葬儀の様子だの、はたまたセンセイが去った後のツキコさんの悲しみを長く書かれてしまうと、とても安っぽくなってしまったと思うんです。他の小説では、そういう部分が過度に多かったりしがちですが(失礼!)、この小説のすばらしさは、そのそっけない位に短く少しだけ書かれているのが、哀愁を際立たているし、余韻があって、すっごく好きです。
この2人が、酒飲み友達の関係を最後まで続けるor恋人同士だがいたさない関係のままor小説の様にいたすのと、どれが一番良かったかな・・ってしばし考えてしまいました。どの展開でもこの小説の良さは失われることは無かったと思うけれど、ツキコさんの事を考えると、やっぱり、小説の展開が一番2人が幸せだった気がする。
センセイが覚悟を決め、夕暮れの公園で「ワタクシはグズで・・」から始まり、「恋愛を前提としたおつき合いをしてくださいますか?」と言うシーンも、その後「長年いたしてないので不安だ」とうち明けるシーンも良かったし、2人で水族館やディズニーランドにデートに行ったりするシーン(お互い違う事を考えて、少し泣いたという処)が凄く切なくて好きです。以上
今までこの小説の事、全然知らなかったのですが、映画や舞台にもなっている作品だったんですね。映画はキョンキョンが主役で、センセイは柄本さんだったと後から知って、キョンキョンは良いとして、柄本さんは違うなぁ・・って思いました。でもそれじゃあ誰が適役か?と考えまくったのですが、誰もおらず。
川上 弘美 / 2001-06
38歳のツキコさんと70代のセンセイは、近所の駅前の一杯飲み屋で居合わせて以来の仲だ。お互い1人で酒を飲み、さかなの好みがよく似ている。
「パスタマシーンの幽霊」「ざらざら」感想
「窓の灯」と「ニシノユキヒコの恋と冒険」 感想
後日見た映画版の「センセイの鞄」の感想
クリスマス楽しんでいますかー♪
こちらはホワイトクリスマスなんて言ってられないくらい寒いです(泣)
この作品私もとても好きです!
文章や全体の雰囲気のやんわり感、そして先生とツキコさんの関係、とてもいいですよねー
私は映画DVDで見ました。
確か・・・見る前はこの二人じゃ「全然違うー」って思っていたけど、見たらこれはこれでもいいかもって思えたような・・気も・・・
最近ちょっと遠ざかっていた川上弘美さんなんですが、拝読していて、何だかむずむず読みたい虫がうずいてきました。
そういえば、この先生、カタカナ遣いの名手・川上さんに慎重に選ばれた「センセイ」だったんですね。むむむ。
あっという間にクリスマスが終わり、お正月の用意ですね
そちら、すごく寒そうですね。こちらも寒いですが、やっぱり雪が無いと冬っていう実感が沸きません
センセイの鞄のDVD、是非見てみようと思います。キョンキョンは色々な役柄に合う凄い女優さんになりましたね~。
おわわ・・・PC壊れてしまったんですね?それは不便で大変ですね。年賀状印刷とか間に合いますか・・・?もう済んでいたら良いのだけれど・・。
>ある種の過剰さについていけなくなっていました。
このある種・・が、どんな処なのかが、密かに気になってます
昨日「蛇を踏む」を読んだら、なんだかピンと来なくて。幻想的過ぎる内容は、私はついて行けないみたいです・・。
センセイの鞄は私も大好きです。もともと図書室の「ご自由にお持ちください」のコーナーから持ってきたボロボロの本だったのですが、ずっと大切に持っています。将来、ああいう行きつけのお店をつくりたいですね!最高です。
受験終わったので、もっとたくさん本読みたいです。
高校受験、無事に終わられたんですねー。
やっと肩の荷がおりて、開放されて、遊びや好きな事を思う存分出来る最高の時期ですね。
くっしぃさんは、若いのに一杯本を読んでいて、素敵だなー。読書って、読んだ分だけ、何らかのその人の、内面成長?の養分になりますよね。
くっしぃさんが、また春から新たな良い人と、良い本との出会いが一杯ありますように!
映画、YouTubeでチラッと見ました。
センセイがツキコさんの頭を撫でるシーンが、とても微笑ましかったです。
柄本明さんでも悪くないな、と思いました。
映画版、見たい見たいと思いつつ、近所にないので、GEOの宅配を使う時、いつも何かのついでに借りようとするのですが、なぜかレンタル中につき、借りれないまま、今に至ってしまってます。
柄本さん、意外と悪くなかったんですね^^
キョンキョンは、ちょっと違うなぁー